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釜ほこ品:自然空気茶

『愛子やぁー、泡茶ーーー。』
おとんが呼んでいる。
先に炒った自然気候下で製茶した自然空気茶の釜ほこ品だ。
飲みたい♪ でも。。。

「まだ空調茶の炒茶が終わってないーーーっ!」
『いいからいいから、こっちが先、早くー♪』

「はーーーい。。。ごめん、ちょっと行ってくるね。。。おとーん、来了~。」

 うん、熟~♪

こういう種類が出ると、おとんは何はさて置きすぐに品茶する。あはは!
 おとん、楽しそう~。(笑笑)
この香気、うん、予想以上だ。
これは期待の球!


釜あげほこほこ品茶~♪
 釜ほこ品はとても重要。
この段階で、すでに内質のほとんどが決まっている。

品茶しながら、この種類はこれからどうやって加工を進めて仕上げまでもって
いくか判断し、おとんはすぐに製茶室に指示を出す。
この段階で特別な内質が見えてきたときは、それは私が飲みたい鉄観音(=
おとんが飲みたい鉄観音。笑笑)になる可能性が高いので、一緒に相談して
どう仕上げていくか決め、指示は更に細かくなる。

ここから先の行程は、主に外質が作られていく。
内質に合う外質にする。
しかし、ただ外質を作るだけではない。

ここからの行程で、この種類の原料内質の好さはさらに発揮されていく。
逆に、作業中ちょっとタイミングを外したり手を抜けばあっという間に好い内質
は殺されてしまう。
すでにある好さを活かすも殺すもここからの行程にかかっている。

製茶室での製茶行程は、画像で見ればどの種類も同じ単純作業をやって
いるように見えるが、実はそうではない。
一球一球、種類ごとに内質は違う。

期待通りに内質が伸びないときや、逆に想定外に伸びてくるときもある。
だから特に原料の好い種類は、これから仕上がりまでの加工途中でたびた
び確認品茶をし、その時々の状態から更に全員に指示を細かく出していく。


ということで、炒茶直後のこの「釜ほこ品~♪」はとても重要。
特に好い原料種類の時は!

『空調茶は適当でいい。普通に丁寧にすれば。』だって・・・ははは。
おとん空調茶飲まないし。。。私も飲まないし。へへ。

気候の影響もあってまだ満意の茶葉が少ない今秋のこの状況の中で、
今こうして期待の球になりそうな種類が目の前に生まれている。
毎日毎日あっちもこっちも全力投球はできない。
こういうときはこの一球にかける! 
一球入魂ーーー!!

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