- 2007-03-27 20:30
- 07春天♪碧螺春・龍井
今日は3鍋だよーーー♪
うわっ! いきなり大笑いしているーーー!!
火大笑了~~~。
え。また笑っている。
ええーーー、まただよ。
今日はすこぶる元気、やっぱり炒茶が嬉しいんだ。(笑笑)
第1鍋終了。
途中で火は何度も笑った。その度におとんと私も笑ってしまう。
最後の起鍋。末子や細かい芽などを取り除く。
普通はここまで丁寧なことはしない。
関係者でも、見たことも聞いたこともないだろう。
よほどひどい仕上がりの鍋なら可能性はあるだろう、末子が大量に発生しずぎているから。
おとんの目的とは違う。
比較的丁寧な炒茶人でも、起鍋時に鍋底に残った末子を手で取り除くくらい。
多くはその末子さえ入れてしまう。その方が仕上がり量が多くなる。
末子が多くなる炒青の頃ならともかく、まだこの時期だ。なおさらする人はいない。
しかし、炒青でもここまで丁寧にする人はいないと思う。
この時期は明前茶なので碧螺春として中級だが、まだまだ茶葉としては高価だ。
需要が一番多い数日間に入る頃でもあり、探している人が多い。
茶摘から帰る途中には欲しい人が何人も待ち構えていて、籠を持っている人を見ては
『売ってくれ』とかたっぱしから声をかけまわっている。そんな時期に入ってきている。
末子は少量でも重量がある。仕上がり量は1gでも多いほうが収入になる。
近所の炒茶人が見ると『うひゃーーー、量が減っちゃうじゃないかーーー。』と言われる。
昨年だったかな。
一緒に炒茶しながら、前の年の碧螺春に対する感想を話していた。
私のある意見を聞いて、おとんはすぐにその鍋からこの方法を始めた。
碧螺春に時々ある、焦味のことだ。
末子が少しもない鍋なんてありえない。
技術の違いで量の差はあっても、正しい工程をしていれば必ず自然に発生する。
おとんはもともと末子を丁寧に取り除く人だ。
ザルで篩い落とす中には、末子以外にも、殺青や団など炒茶工程中に自然発生する
茶芽の端っこなどの細かい部分も含まれている。これが更に細かくなったものも末子になる。
細かくなっても味は同じだから末子までなっていなければ普通はそれも入れるのが常識的。
だが、高価な鍋にそこまで入れるのは外形に影響し誠意に欠ける、とおとんは取り除く。
長年そう心がけて実行しているいるのに、自分の鍋からその意見が出たことを、
おとんのプライドが許さなかった。おとんは子供の頃から何十年も碧螺春を製茶している。
すでに人に教える立場になっている。おとんにも面子がある。
私が手にした茶葉にその味が出たら、私の面子もなくなると言う。
ふたりの面子がかかっている。
しかし、理論的にその可能性が残るのは、炒茶人だからこそわかっている。
だから、次から1%でもその可能性を避けるために必要がないと周りから言われることでも
できることは実行し始めた。こういうところもおとんのすごいところだ。
そのひとつが、この最後の起鍋時の篩を使った篩茶。
細かい部分もこれまで以上にザルで取り除いて、仕上がり茶葉に入れない。
当然、仕上がり量、そして収入は減る。
もうひとつは、カーン終了時の起鍋。
これも、実行している人はいない。この時期の茶葉ならなおさら。
焦味の原因はいくつかあるが、多くはカーン時に出した茶汁がその後の工程中に鍋肌で焼けて、
それが仕上がりの茶葉にも影響するからだ。例え最後に篩い落としても、
付いた香りは二度と取り除けない。
一般的には、焦げがひどくならないように高温を避け、そのまま最後まで仕上げる。
しかし、炒茶には温度が重要。必要なときに必要な高温がなければ好い茶葉にはならない。
『焦げるのを心配してその後の工程で必要な高温を避ければ、外質内質ともに好い碧螺春にはならない、
ただ形を碧螺春の茶葉に仕上げるだけだ。好い碧螺春に仕上げるためにはそれではダメだ、
高価な茶葉ならそれ相応の好い茶葉に仕上げるべきだ。』とおとんは言う。
そして、すぐに実行し始めたのが、カーン終了時の途中起鍋・洗鍋。
これも、炒青の頃ならする人もいるが、おとんは明前茶からひと鍋ひと鍋すべてするようになった。
誰が必要ないと言っても、「焦味がある」と言われる可能性が1%でもあることの方が嫌なのだ。
しかし、本来の碧螺春の概念には、実はこの工程が含まれている。
ただ、現在はそれを実行している人がいないだけ。
面倒だし、時間がかかるし、仕上り茶葉にそれを指摘する人もいない。
おとんと私がこの途中起鍋・洗鍋をしていると、すでに炒茶終了した周辺の炒茶人の多くが
不思議そうにみている。
さて。第1鍋終了。今日は白毛が多い!
温度工程正好。好炒~!
え。。。すごく好い。美しいーーー♪
第2鍋準備。
今日の愛子鍋、大騒ぎだよーーー!
大笑いするやら小笑いするやら火花外まで吹き飛ばすやら。
よほど嬉しいらしい。(笑笑)
第2鍋開始。おとんが消えた。
しばらくして柴の様子を見におとんが戻ってきた。
『師匠の立場は楽だなー。途中でこうやっておやつも食べられるし、お茶も飲める。
弟子は一度始まったら最後までずーっと鍋から離れられないからなー。はっはっはー!』
第2鍋終了。
第3鍋開始。おとんが消えた。
戻ってきた。鼻の頭に米粒がついている。。。くっくっく。
「おとん、なに食べたの?」
『んん?なにも食べていないぞ。』
「鼻に米粒が付いているよーーーだ!」
『おっとっと。俺じゃない。これは鼻が食べたんだ。(笑笑)』
「ああ~、鼻がね。ふふ。」
第3鍋終了。
最後の鍋は茶片。昨日と本日、揀葉で取り除いた茶片を1鍋で一緒に炒茶。
今日の茶片、好いー♪
『今日の茶片は高値で売れそうだなー、愛子、いつもの茶片の袋とは別によけておけ。
好きな人はこの茶片を探して買うんだ。自分で飲むのに一番の茶葉だ。うまいし安い。
原料が好いから味は今日の碧螺春とほとんど変わらないし、ただ格好が悪いだけだからな。』
「売るの?」
『まさか、自分たちで飲むんだよ!』
「売ったら、今日のはいくらで売れるかな~?」
『試しに持っていってみるか?』
「やだ。あははー。」
『茶片は碧螺春のおとん&おかんだな!』
「あははーーーっ!」
『そうだろー。わっはっはーーー。これらに碧螺春の一芽一芽が包まれていたんだからな。』
「そうだそうだ、碧螺春のおとん&おかんだ~♪」
4時間弱で炒茶終了~!
好い文火。。。焼き芋食べたい。(笑笑)
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