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再び東山へ

愛『おとーん、ただいまーー♪』
おとん『帰ってきたなー。おお、ふいみんも一緒か。』

おとんと愛子は、すでに研究茶の打ち合わせを始めている。

私は2年ぶり。ここも2年前と変わっていないな。
しみじみと懐かしむ暇もなく、、、私も研究茶の揀茶葉しなくちゃ。

 
長旅で疲れていないかな?      大丈夫だ!

 
       before揀茶葉             after揀茶葉(下が茶葉になる部分)

研究茶の揀茶葉は、愛子と私のふたりで。
 まだまだ~ 山盛り、先は長い。
愛子が碧螺春淹れて持って来てくれた、おいしいー!

一生懸命やっても、私ちっとも進んでいないような、、、どうしよう。
全部やるのに何時間かかるだろう、、、私のこのペースだと朝までかかっても、、。

おとんやおかんは碧螺春の揀茶葉しなくちゃいけないし、そっちの方がこっちよりもっと多くて大変だから、
こっちの手伝いなんか頼めない。
それは承知の上だけれど、これではいつまでも愛子は炒茶が始められない。
でも、もうすぐ炒茶は始めないといけないし、おとんと愛子は今日の炒茶が終わるまで眠れないし、
おとんと愛子が炒茶を始めたら私ひとりでこれ全部やることになるのかな、、、どうしよう、ひーん。

おとんと愛子が向こうで何か話している。

しばらくして、助っ人がきたー。
 愛『残業でごめんね、よろしくねー♪』
愛子が、全員に揀茶葉の方法を説明している。

続いて、おとんと愛子が1人ずつ全員チェックをしている。
愛子は私に、『ふいみん、監督よろしくね。』と、みんなにはわからないように日本語で言った。
ん?なんでだろう?みんなやったことないのかな?

一気に進み出した。

おとんと愛子が相談して、近所に助っ人を探しに行ってくれたのだった。
全員、出稼ぎで近隣農家に来ている同郷同士の茶摘隊だそうだ。
すでに揀茶葉が終了していた数件の農家さんに頼み、寝る準備していた茶摘隊に
臨時でこっちに来てもらったそうだ。近所の方々、どうもありがとう。

え?え?でも、私が着いたとき、おとんの家はまだまだ揀茶葉が終わっていなかったのに、
ご近所さんの方が収穫量も多いはずなのに、どうしてご近所さんたちはもう終わっていたんだろう?
愛子、なんで?

愛『そりゃ~、《おとん》と《おかん》だからだよ!』

え?どういうこと?
愛『ご近所さんとは製茶の方法が違うよ。
  おとんとおかんはね、製茶がすごく丁寧でやることが徹底しているでしょ。
  おかんなんか食欲もなくて倒れそうなのに、どんなに疲れていても絶対に「適当」にはしないでしょ。
  明日近所に連れてってあげるね、そうしたらすぐに違いが分かるよ!』

なるほど~。だからおとんと愛子が全員に揀茶葉の講習をしていたんだ。

数時間後、終了!
 
     揀茶葉した鮮葉                 茶片

全体量は大体こんな感じ
 左:揀茶葉した鮮葉 右:茶片

あんなにがんばって、みなさんにも手伝ってもらったのに、炒茶できるのは一鍋分だけ。
碧螺春作るのって、本当に大変だな。

おかん『ごはーーん!』

愛&[女尼]「はーーい!」  [女尼]

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