- 2012-05-28 23:10
- 12春天♪鉄観音
突然きた。
この春、安渓全体、異常事態。
物価も人件費も当然のように上がって、製茶コストは昨年より上がっている。
なのに、茶葉、鉄観音の取引価格は大暴落中。
作れば作るほど原価が大きく割れ、多くの作り手が作っていない。
うぇいうぇいもシーズン途中で作るのをやめた。
(この春は、東山の村の中でもほとんど炒っている人を見かけなかった、碧螺春に炒ってしまったら今の商人には売れない、飲む人・ 買う人(旅行者等)は村まで入ってこない・・・原料としてならある種の商人(『碧螺春』の名声を利用して商売をしている人たち)に売れる、 非常に廉価な取引だが、炒ってしまってまったく売れないよりは少しでも現金になるから、碧螺春の作り手たちは泣く泣く売る。 足元見られている状況、だが、仕方がない、農民の立場は弱い、碧螺春の農民がごはん食べるには売るしかない。このままでは、 あと数年もしないうちに、本物の碧螺春炒れる人、伝承人は完全にいなくなるだろう。)
ここの祥華のおとんは、この春1日しか作っていない。
本来は私がいなくても2~3日は作る予定だった、シーズン前にそう打ち合わせしていた。
しかしこの春は原料があまりよくない上に人件費の高騰がひどく、しかも突然予想もしなかったことが起こった。
鉄観音の卸市場が大暴落したのだ・・・。
おとんはその急激な変化の現実に驚き、そして落胆し、気持ちが落ち込みすぎて、作る気力が失われた様子。
現状をもっと知るために山を下り2週間ほど安渓にいて、さらに気持ちが落ち込んでしまった模様。
安渓の卸市場ではどんなに安くしても「鉄観音」が売れない状況?
卸市場で商人たちから求められているのは、数元~10数元、の鉄観音?!?!
なんだよそれ。ありえない。
そんな茶葉、鉄観音じゃなくても作れるワケガナイッッッ。
工人ひとりの1時間の時給もまかなえない、まかない用の青菜炒め一皿も作れない。
1斤の茶葉作るのにいったいどれだけの人手がかかると思っているんだッッッ。
でも!!!
しかし!!!
あるんだ、これが・・・。
それも、山のように・・・。
「鉄観音」の卸市場に、数元~数十元取引の『鉄観音』と呼ばれるものが!!!
それが取引の中心になっている?
そうでない茶葉は売れない?
一体どうやったら作れるんだ、どこから来るんだ。
どう考えてもおかしいでしょ。
どうすればそのコストで『鉄観音』を作れるか、逆に考えれば答えは簡単に出てくる。
それ飲みたいか?自分の体の中に入れたいか?
でも、世の中はそれで『好』とされている、それで進んでいる。
それが数百斤単位で全国各地の商人たちに買われていく。
彼らが求めているのは、そういう茶葉。
「鉄観音」は必要とされていない。
原価でいいから、原価以下でもいいから、と「鉄観音」の作り手たちが言っても誰も買わない。
彼らにとって必要なのは『鉄観音』であって、「鉄観音」ではない。
「鉄観音」は、『鉄観音』商売の原料として高すぎるのだ。
数元~数十元で材料仕入れて、数千元~数万元のものとして売る。
たとえ数百元で売ったって。。。
「鉄観音」、このままでは本当になくなる。
伝統茶どころか、現代法で作った「鉄観音」すらなくなる。
「鉄観音」の皮を被った『なにか』に、「鉄観音」の市場はすでに占領されてしまっている様子。
こうやって、なくなっていくんだ。
こうやって、だれも作らなくなるんだ。
買う人がいない。
分かる人がいない。
飲む人がいない。
必要とする人がいない。
作る意味がない、作らなくなる、当たりまえだ。
こうやって、全国各地から伝統的なものが失われていくのか。
祥華のおとんが今春作った1種?
うわ、これうまいよおおおーーーーっっっ♪
こんなの、今、探そうったって探せない。
この状況で、この1種が飲めただけで、私感動して泣けてくる。
しかし、おとんがこのお茶を安渓に持っていったら(私と一緒に伝統茶を作り続けるために、伝統茶に興味ある人を
中国国内で探すために)、ある商人からものすごくばかにされてひどい罵声を浴びたらしい。
おとんの人生全否定されるようなひどい言われようだ、ここに書けないくらいひどい内容だ。
それもひとりやふたりではない。おとんはその晩から数晩寝られなかったそうだ。私、聞いているだけで涙が溢れた。
私からすると、その商人たちの言動が異常だ、心が壊れている、でも今の中国ではそういう人がとても多く目立つ、
卸市場ではそっちの考えが常識として通っている。
全国各地の今の多くの中国人、ちょっとおかしくなっている、年々エスカレートしていく、年々増えていく。
私が長く付き合ってきた中国各地の各方面の多くの好き友人たち、その中にも変わってしまった人は多い。
昔のように一緒に心から笑うことができない、もう会話が成立しない、顔も目つきも以前とは違う。
彼らの中でもう何かが変わってしまった、だが、彼らにはまるでその自覚がない。
そうでない人も当然いる、おとんたちのように。だが、変わってしまった人が非常に多くて目立つのだ。
人が「そっちの方」に変わっていく様を見るのは、はっきり言ってつらい。
こうやって、、、きっとこうやって、歴史から素晴らしいものが姿を消していくんだ。
私、今、その瞬間に立っている。
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