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祥華おとんの熟香型

毎年、春の鉄観音は「熟香型メイン」と絞ってきました。
その理由は、これまでにも書いてきましたが、いくつかあります。

春も秋と同じように素晴らしい鉄観音の製茶シーズンです。しかし、
鉄観音の春は碧螺春&龍井シーズンが終わった後に始まるので、
中国最高級緑茶を2種も製茶した後の私には、まず資金余力がない。
それに、鉄観音は総合的にみてやはり秋茶がベストシーズン。
それと、春の高級鉄観音の素晴らしい独特な香気は秋茶ほどの保存力がない。
他にも理由は細かくありますが、おとんと私が将来的なことも考慮に入れた上で、
どちらかに重点を置き気合いを入れて伝統法製茶するには、やはり秋を選びます。


しかーーーし!!!熟香型となると話は違います☆

品質の好い熟香型にするには、春の原料が向いているのです♪
「春にしかない水の甘さ」が出た伝統的な茶葉に[火考]火すると、それはそれは
何十年先までも楽しめる素晴らしい熟香型の鉄観音になるのですーーー♪


同じ鉄観音でも、春と秋では内質的に大きな違いがあります!

想像してみてくださ~い♪
暖かくなり一斉に発芽して勢いよく育っていこうとする春の茶樹と、
涼しくなり越冬に備え懸命に栄養を蓄えようとする秋の茶樹と、
樹の内部での活動状態が違うのは想像できますよね!
それは、茶樹だけではなく、茶樹の土壌である山も同じです。
山も、春と秋では活動が違います。
山泉水を飲むとわかりますが、春と秋とでは同じ泉でも味も温度も違います。
茶樹はその山の大地の土と水で育っているので、同じ茶樹から作られた鉄観音でも
春と秋では品質特徴は違います。見た目も違いますが、特に茶水の香気や滋味に
大きく特徴の違いが出ます。


おとんが熟香型と呼ぶ鉄観音は、ただ「火入れ(焙煎)した鉄観音」ではありません!

なんでも伝統的な[火考]火(火入れ)すれば熟香型になるわけではありません。
熟香型の[火考]火は、劣変茶や陳茶(=古い茶葉。「陳年茶」の意ではない)や
湿度を吸ってしまった茶葉等々を飲めるように再加工するための焙煎とも違います。
好い熟香型を作るためには、「熟香型にすると更に品質が引き立つ伝統仕上がり」
の茶葉と、その品質特徴に適した伝統[火考]火できる経験と技術が必要です。

逆に、そのままで何十年先までも楽しめるような素晴らしい仕上がりの高級茶葉に
[火考]火することは、「作り手にとっては」非常に心が痛む行為で、例え客の要求で
あったとしても、「作り手にとっては」気力を失うほど失望する嫌なことです。それは、
心血注いで生み出すことに成功した茶葉の好い特徴を、自分の手で殺す事を意味する。


おとんの熟香型は、1種1種の等級や特徴に合わせ、それぞれを最大限に活かす
違う[火考]火をします!
そのため、等級が上がるほど[火考]火の程度は軽くなっています♪

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