０８春天：祥華おとんの鉄観音

０８春天、ここ数年なかったような春。
製茶前から、茶葉にとっての理想の気候が続いた。

「気候」が理想だと、「山」の状態が好♪
「山」が理想だと、「茶樹」の状態が好♪
「茶樹」が理想だと、「鮮葉」の状態が好♪
「鮮葉」が理想だと、「茶葉」の仕上がりが～～～好♪

シーズン前。
雨、欲しい。
降らなくても困る、降りすぎても困る。
気温、欲しい。
低すぎても困る、上がりすぎても困る。
これが理想的だった！

シーズン中。
雨、欲しい。
多いのは困る、長雨も困る。
茶摘の後に少しだけ降って、すぐに止んで欲しい。
連日では困る、数日おきに軽く。。。
夜に軽く降った翌朝、朝から晴れて欲しい。
同時に気温も上がって欲しい、しかし上がりすぎても困る。
同時に風も起こって欲しい、しかし強すぎても困る。
降る時間帯と降る量と翌日の気候、等々。。。全て品質に影響する。
これが理想的だった！

シーズン中、こう連続して「びしっ☆」と理想の原料状態が続く年は、そうそうない。
実際、過去数年なかった。
原料状態が違うと、同じ技術で製茶しても茶葉の仕上がりが違う。

こういう条件が揃うと、なにが起こるかーーー！！！
おとんが『普通』と思っている茶樹でも、普通以上になる～☆
おとんが『宝物』と特別に育てる茶樹は、宝物以上になる～☆

そして、その中から、とんっっっでもない茶葉が生まれちゃった。
０８春天にも。。。出ちゃったんだよおおおーーー♪

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今春、おとんの山の家。。。

到着してすぐ、おとんが真っ先に私に渡した茶葉たち。
のちに《幻セット》としてご紹介することになる３種。
すでに、おとんによる『愛子ぷれーと』が入っていた。
飲んだ。
どうしよう。。。とドキドキ。
一緒に飲みながら、横でおとんが言う。
『すごいな～。一体どういうことなんだろうな～。ぽぉうわあ～♪』

『愛子、取っておけ。』
『現在の状況から見ると、今も、将来的にも、非常に貴重な茶葉だ。』
『この品質は、作りたくても作れなくなる可能性が大きいだろうなぁ・・・。』
確かに、それは明らかだ。

原木（天然野生紅芽）がここ数年で急激に消えていっている。
天然野生紅芽がなくなれば、２代目の茶苗が作れない。
２代目の茶苗がなくなれば、ここまでの品質が生まれる可能性もなくなる。
これまでのおとん伝統茶さえ作れなくなる。
１年後、２年後、３年後、５年後、１０年後・・・。
作れない可能性が年々急速に高くなるのは、誰の目からみても明らかだ。

『それからな、最近になって、「なんでもいいから伝統茶の陳年茶」を探している
金持ちが増えてきた。２年前のものでも大金出して欲しがるんだよ。』
「なんだそれ・・・。」
『愛子、まだあるか？』
「うん、ある。」
『好！！！』
『しかし、おかしな話だよなぁ～～～。いざ作れないとなると人は欲しがるんだろうか。』
「そういうものかも知れないね・・・。」
『今さら探しても、本当の好い伝統茶なんて、どこでも見つからるはずがないけどな。』
「そうだよ・・・。」
『こんな茶葉見つかったら大変なことになるぞ。一緒に隠しておこうなーーー！』
ブッ♪

しかし、この時の私には大問題あり。
嬉しいのと困ったの、どっちも混ざってドキドキだった。
春緑茶製茶後で、こんな高級な鉄観音３種も飲む資金・・・すでになかった。
鉄観音は、熟香型３種と陳年用薬用茶に絞っていて、それでいっぱいいっぱいだった。
極品クラスを飲む事なんて、想定していなかった。
だから、春鉄観音の《心の隊員》も・・・募集していない。

察したおとんが言った。
『愛子、お金なんかいいんだ、問題じゃない、何年先でもあるときでいい。』
『今、この茶葉がある、そっちの方が大事なことだ、分かるだろ、一緒に取っておこう。』

決めた。
引き取れる日までおとんに預けるっ！
人質・・・じゃなくて、茶質だ♪（笑笑）

おとんの家には、おとんと私しか入れない「茶庫」がある。
おとんと私の「秘密の倉庫」だ☆
ここはおとんの聖域、うぇいうぇい（長男）も入れない。
場所はおとんの山の家。。。管理人はおとん。
これ以上安全な場所はあるだろうかー☆

ビンテージものは、ここで育てた方が茶葉にも好いっ！
おとんの伝統茶だ、先は長い。
少しずつ連れて帰って紹介して、飲みたい茶友が現れたとき、その分を連れて帰れば好い。
慌てる必要はない。
そうだ、ゆっくり飲もう、何年もかけて飲みたい茶友を探して行こうっっっ♪

そうと決めたら、おとんと私はすぐに始めた。
「極品」の「陳年鉄観音」としての「仕上げ加工」。
今だけでなく、何十年先までも、この特徴を活かせるように。

同時に、０８春天のもともとの目的も進めた。
・伝統熟香型の[火考]火　（※デビュー間近♪）
・「陳年用薬用茶」の加工　（※３０００日後の仕上がり予定☆）
・伝統梗の[火考]火　（※【おとんの熟香梗】としてすでにデビュー！）

０８春天《幻セット》の「うち２種」は、茶樹を見たおとんは茶摘み時から製茶に
かかわる全員に「特別ボーナス」を出した。
結果、おとんが期待していた以上の品質に仕上がった☆

ちなみに、茶友にお分けしているおとんの鉄観音は、「王」等級はどれも製茶時に
すでに陳年茶用（ビンテージ茶用）の加工法が施されている。
結果的に内質が「王」等級に仕上がらなかった種類も、半分以上がそうだ。
おとんは、鮮葉の状態で特別な原料だと判断すると、製茶班全員に特別ボーナスを出し、
その種類は陳年茶用の特別な伝統加工法にしている。

０８春天《幻セット》の３種「うち２種」は、製茶班のみならず「茶摘班」全員に！！！
おとんはボーナスを出した。
仕上がった茶葉を見れば。。。分かる☆

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帰国後、ひとりごと。。。

この３種。
どうやってお分けしたらよいのか、ずーっと真剣に考えていた。
ビンテージ用の加工をしてあるから、慌てる必要はなかった。
しかし、安定状態に入り、ご紹介のタイミングは近づいて来た。

飲む前に細かい情報があると、飲み手は飲みにくくなってしまうかもしれない。
構えすぎてしまう人もいるかもしれない・・・それは嫌だなぁ・・・。
考えすぎてわからなくなってきた、いっそのこと出すのやめるか・・・。
いや、それはあまりにももったい。
飲みたい人には分けたいし、そうでなければ私たちにもおとん伝統茶にも先はない。
何が目的か。。。
こういうお茶をこれからもずっと飲み続けたい、作りたい！
じゃあ、出そう。
なにも説明せずに「ご紹介＆募集」するのもいいかも！
しかし、この３種に全くなにも説明しないのも・・・。
品茶会とかでまず一緒に飲んで、ナビしてからのほうがいいか！
じゃあ、品茶会に来たくて来られない、けど飲みたい茶友はどうするんだ・・・。
いやいや、お茶なんだから自由に感じてくれればそれでいいじゃん！
いや、しかし、もしもなにも説明しないでお分けして、『なにこれ、にっがーっ』とか、
そんな勘違いされて、その先を飲んでもらえず『ポイッ』なんてされたら・・・？？？
嫌だ。
それは絶対にイヤだあああーーーッッッ。

はぁぁぁ～、じゃあどうするんだよ～、もぉ～。
好すぎる、っていうのも、困ったもんだよ、おとん。
ううぅぅ～ん。。。もう一度飲んでから決めるか。。。もう一度。。。もう一度。。。（笑笑）

やっぱりこのお茶だれかと飲んで一緒に笑いたいよおおおーーー。
じゃあそう書こう。
決定～♪

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