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地球の宝

おとんと私が作っている、伝承の伝統鉄観音。
これは、地球の宝だ。

今こそ、中国の人に飲んでもらいたい。
この茶葉は、この国のものだ。
この国の人が飲み続けてこそ、本当の意義があると思う。
そうでなければ、これまで作ってきた茶葉がそうであったように、絶滅する。
こんなすごいお茶、地球上に他に存在しないよ、東山おとんの碧螺春もそうだ。
でも、このままでは、本当に地球上からなくなってしまう。

飲み続けられてきたから、遠い昔から飲み続けられてきたから、作り続けられ、そしてここまで伝承されてきた。
現在、もう次世代には継がれていない。
飲む人がいない、飲む人を見つけられない。
おとんの代が、その悠久の歴史の、最後の一代。
私はその歴史に、今、立ち会っている。

このまま終わらせて、たまるか。   (5/28記事「安渓異常事態」 ご参照ください)

 

商人は必要としていない。となれば、作り手は作らなくなる。
飲む人がいれば。飲む人さえいれば、作り手は作り続けられる。

一体どこにいるんだ。
絶対にいるはずだ。
この国は広い、本当にたくさんの人がいる。
飲んでも解らない人ばかりではないはずだ。
こんな素晴らしい飲み物、この国の人が飲んで解らないわけがない。
絶対にいるはずだ。
どこにいるんだ。

そういえば、この国には、生産者と消費者を直接結ぶ路って、どのくらいあるのだろう。
日本だったら、野菜でも果物でも、生産農家さんと一般消費者を結ぶ路は、いくらでもある。
信頼できる農作物を、好い状態で手に入れることは、いつでもできる。
探そうとしなくても、ごく当たり前に、普段の生活の中に浸透している。
しかしこの国では、そういうのをほとんど見かけたことがない。。。ような。。。

そうか。
「こういう茶葉を作っている人」と、「こういう茶葉を飲みたい人」を、「結ぶ路」、それがないんだ。
お互いにどこにいるのかわからない。
お互いが存在していることも知らないのかもしれない。
だって、作っている人は商人ではない、農家さんだ。
製茶時期以外も、一年中懸命に労働し農作物を育てている。
情報は少なく、街の事情には疎い。
どうやって飲みたい人を探せばいいのかわからないのは自然だ。
逆に、都会の人は農村の事情に疎い。

でも、飲む人の多くは、都会の人だ。
そうだよ、商人には必要なくても、飲む人は飲みたいかもしれない。。。きっとそうだ。


おとんは、工人を探しにzhang州まで行った。
私は、茶友を探さなければ、中国で探さなければ。
工人、茶友、どっちもいなければ秋茶はできない。
秋茶まで時間がない。帰国までも時間がない。
一体どうしたらいい、考えろ、考えるんだ。

やれ、やるんだ、なんでもいい、とにかくやってみるんだ。

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