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12号:おとん山を下りる

やっぱりね、そんな予感はあったんだ、これまでのパターンからして、、、薄々ね。

おとん体調悪くて、日がくれる頃山をおりた。今夜中に安渓へ、明朝安渓の病院へ行く。
早く回復するために、早く製茶に戻るために、一刻でも早くここを離れて、大きな病院行ったほうが好い。
おとんがここに居れば、『客』がじゃんじゃん上がってくる。
おとんがここにいなければ、客も来ない。

昨日からおかしかったけど、今日も「ノラナイ」感じで表情が冴えない・・・、表情に「反応がない」。
このパターン、まずいなぁ、、、と思っていたら、案の定だ。
午後には『おとん、そのままだと3日後には病院行くことになるよ。いつもそうじゃん。今日早く寝て、客は断って。』
「客を断る」ことなど無理だとは分かっていても、ここまでならなきゃ断れない、、、っていうの、たまらない習慣だ。
こうなる前になんとか手を打たないと、、、。で、手を打てるようなら、悩まないか。本当にたまらない。

昨日に続き、絶好の製茶日和ーーー♪
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しかし、朝から人出が多かった。
朝は『客人』、午前から夕方までは採茶工人たちが家周りにいっぱい、20名程。

予定では、採茶の前に昨秋の審評、その前に少し遠い一地点見に行くはず、が。
『客』の声で目が覚める、声は数名、、、その瞬間悟る、もう審評は無理、下に行くのもやめたほうがいい。
おとんの馬鹿でかい声も響いている、人前で張り切っている声、、、その瞬間悟る、きっと今晩は体調悪くなる。
もう少し寝ておこう、私は居ないほうが好い、興味を持たれると面倒、&今のうちに寝ておいたほうがいい。

しかし、おじいの初代樹摘むから、寝ているにも限度がある。
そろそろ限界。。。下に下りて準備開始。
いい加減帰ってください、おとんを茶摘みに連れて行かねばならぬのだ。
茶摘みの予定時間を少し過ぎて、帰って行った。

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工人たちの食事が届く。先にごはん、食べておく。
予定がどんどんずれていく。

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『六脚尖(この地方の茶摘み竹籠↑)』、待機中。陽光に晒らし、準備オッケー。

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そろそろ採茶タイム、というところで、今度はうぇいうぇいの工人軍団がやってくる、家周りの茶摘みのために。
茶摘み隊、ごはん。
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その間に、おとんと私は必要な原料・作りたい樹の状態確認。
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残しておいてもらうところを、おとんが工人たちに説明。

が、言ってその通りになるくらいなら苦労はしない。
不安なおとんは、強い日差しの中、工人たちの側に付いている。ぁぁ、嫌なパターン、絶対夜には体調悪くなる。
そして3日潰れることに???やめてー。
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工人たちの食事が終わったので、こちらも茶摘み開始。
予定より多い6名の『高手』を連れて、一気に行こう。
私は三脚担いで、一緒に移動。

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今回はね、山に三脚デビュー☆
三脚使うの30年ぶりくらい。最新(?)の買ったら、おおすごい!感動♪
カメラは二台使用、ふたつのカメラの目的・視点は違う。
これまでのように、製茶しながら記録するだけでも、かなり忙しい。
そこに、今回、記録目的以外の撮影、が加わった。。。撮影大会の日だけ単独で欲しいよ~。
とにかく、いつもよりやること増えて忙しい。
製茶しながらひとりであっちもこっちもやらないと、、、誰か~~、誰もいない。
がんばらないと、チャンスは少ない。

絶好の撮影日和♪きっと好い写真撮れる!!!今日はチャンスだ♪
おとんは工人たちに一通り説明して(現地語で)、家周りの工人の監督に戻った。
私はこっちの工人監督しながら撮影大会。

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超大失敗・・・。
後で気づいた・・・、茶摘みが終わってから。
撮影モードが「室内モード」になっていた(ぶろぐ用ではない撮影カメラの方)・・・、ぅぅぅ、ショックでかーーー。
なんか色がおかしいと思った、あぅぅぅ・・・、か、悲しぃ。
仕方ない、沈んだ太陽は二度と戻らない。。。今日は三脚使う練習したんだよーーっっ☆

おじいの初代樹、最高☆めちゃくちゃ好い♪
香りが濃厚☆成熟度ビンゴ☆好いお茶になる!!!
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茶摘み隊と共に帰宅。
おとん、工人の監督していない、昼寝している・・・。いいさ、しっかり休んでおいてください。
でも大丈夫かなぁ、見ていなくて、、、家周りには、私たちが作る茶樹があるから、間違って摘まれたら・・・。
おとんの代わりに監督しておこう。

ギャアアーーーーッッ、そこ摘んじゃダメーーーッッッ!!!
ストップ、ストーーーップ!!!ウワァァァ・・・、やられた・・・。
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おとんの初代樹が、数名で囲まれ、すでに少し摘まれている・・・、小年で収穫量少ないのにぃ、、、はぁ。
おかん、すぐ横にいるのに、気づいていない。。。おっかぁ~ん。
おかん私に呼ばれて気がついて、慌てて現地語で工人たちを怒鳴りだす。
いや、おかんも茶摘みしているし、まさかあれだけおとんが説明したところを摘まれるとは思わないのだろう。
が、、、いつもこうだ。
だから、言っただけでは、ダメなのよ。
言ったときはみんな返事するけど、監督が離れればもう忘れてしまう。
そもそも、分かって返事しているとは限らない。とりあえず返事しておく、みたいな・・・、習慣。

 

とにもかくにも。。。
おいしいお茶にたどりつくまでには、そのひとつひとつの工程に、外からは見えない壁がたくさんある。
ひとりの技術や、誰かひとりが努力してどうのこうの、で、作れる世界ではない。
そういった数々を超えて素晴らしいお茶が仕上がった時、心の底からそこに繋がる人みんなに感謝が溢れる。

だから、言っただけでダメなら忍耐強く監督する、、、言い続ける、投げない、諦めない。
これも、おいしいお茶に欠かせない要素だものね。(笑笑)
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昼寝から起きたおとん、しばらく動けたが、晒青の頃には再び浮かない表情。。。いよいよ来たか?

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晒青の途中、第一揺前に、評茶しちゃおう。。。え?なにこのにおい?
鍋が焦げてるかも?いや、そうじゃない。豚脚煮ているから?いや、そうじゃない。
あ、まただ。。。何かの薬草香。。。さっき薬飲んだ?あーーー、そうだよ、おとんが話す度に香りが来る!!!
薬飲んだら審評できないじゃん、、、。まあ、体調優先だから仕方ないけど、大丈夫なの?
このあたりから、いよいよ元気が無くなった。

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18時にはバイクで迎えに来てもらい、製茶所から車で安渓へ。
そして、山の家には私ひとりだけ。
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中国の高山の家でひとり、お茶作っています。。。ははは、なんだこの展開。
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明日は炒茶がある、採茶はどうしようかなぁ。。。

とにかくおとん、大事でありませんように、早く戻れますように。。。

Comments:2

smash 2014-10-13 (月) 21:09

愛子さん、おとんの体調、心配ですね。
愛子さんと一緒に製茶することをどんなに楽しみにしていたか・・・。
今も心は山の上でしょう。
一日も早く、そっと山の上に戻れますように。
(静かに戻れば、客人が来ないかもしれない?!)

その時まで、一人って寂しいでしょうけど、隊員みんなで応援しています!!

愛子 2014-10-26 (日) 01:34

smashさーん!
製茶中の初コメント、ありがとうございまーーす。嬉しかったです~♪
おかげ様で、最後まで頑張れましたよおおおー☆

そうなんですぅ、、、おとん、まだ帰ってきていません。帰りたがってはいるのですが。
結局、製茶は最後までひとりでした。
しかし皮肉なことに、それが結果好い方向に?!?!、、、なっているといいなあ~☆(笑笑)

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