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柴鍋

『柴鍋ってな~に?』と、いくつかメールで共通のご質問をいただいたので!
【梅おじの茶片末ティーパック】のところでも書いた「柴鍋」ね。
ちょいと柴鍋おしゃべりなど~♪


『おじいさんは山へ柴刈りへ~』でも登場する柴♪
炒茶鍋の場合は小枝だけでなく、様々な状態の枝や幹から作った薪を使い分けます。
柴鍋=薪鍋(薪を焚いて使う鍋、釜)のことです。

炒茶鍋は、現在は電気とかガスとかが主流。
原料となる柴が少なくなってきたという環境の問題や、地域の安全問題や、
扱える技術をもった人が少なくなってきたりと、他にもいろいろなことが原因で
「柴鍋」はどんどん少なくなってきています。

翁家山のおじちゃんももともと柴鍋愛用でしたが、地域の決まりで大分前に
村で柴鍋が使えなったので現在は電気鍋。
梅家塢は、龍井の産地の中では比較的柴鍋が多く残っているエリアなのですが、
最近はちょっと事情が変わってきた・・・。
その中で、梅の紅おじちゃんは山側に住んでいるので今でも柴鍋利用が可能♪
梅のおじちゃんも数年前から生産する龍井は青鍋は機械炒りになりましたが、
けれど私たちのオーダー分だけは青鍋も回鍋も今でも全工程手工の伝統法、
しかも柴鍋ーーー♪
もうそれだけで現在の龍井では貴重なことで嬉しい~☆


でも、勘違いしないでねっっっ!
「電気鍋より柴鍋の茶葉の方が好い」と言っているわけでありませーーーんっっっ。
そりゃ~~~~~~
「柴鍋を使いこなせる人が、柴鍋を使える環境にいるなら、柴鍋の茶葉の方が理想♪」

白ご飯と少し似ているかな~♪
薪で上手に焚かれた白ご飯のおいしさは、炊飯ジャーやガス焚きでは作れないでしょう。
でも、薪で上手に焚くことができない人なら、炊飯ジャーの方がおいしく焚けるはず。
あはは、当たり前よね。いきなり薪で焚けって言われても普通は焦がすか生焼けか。(笑笑)

電気やガスの方が火の調整が簡単なので
炒茶人の多くは
「柴鍋を上手に使いこなせるなら、電気鍋も上手に使いこなせる♪」
しかし・・・
「柴鍋を上手に使いこなせないなら、電気鍋使った方が好い・・・。」
だが実はっっっ
「柴鍋を上手に使いこなせなければ、電気鍋も上手に使いこなせなーーーい!」


炒茶鍋を「薪」で使いこなす技術って、とーーーっっっても難しいのです。
非常に高度な技術です。
「ただ燃やせばいい」って~~~もんじゃーーーないっっっ!!(笑笑)
炒茶の火は、ご飯とかお風呂を焚く場合の火の調整とも違うので、50年以上毎日
薪でお料理し続けているおかんだからといって炒茶の火が作れるわけではありません。

「龍井」の青鍋の火の調整は、回鍋よりも難しい。
けれど、更に高度な技術を要求されるのが「碧螺春」の火。
碧螺春は「一鍋一本勝負~☆」の茶葉だから。
その碧螺春の火を扱う人は「焼火師」と呼ばれます。

碧螺春は、「炒茶」と「焼火」する人がふたり一組が理想。
「碧螺春の炒茶」ができなければ「碧螺春の焼火」もできない。
「碧螺春の焼火」ができなければ「碧螺春の炒茶」もできない。

一鍋仕上がるまでの準備を含めた約1時間、火の状態はどこを切り取っても違います。
「炒茶」する人は一度始まれば途中でその手を茶葉から離す事はできず、
「焼火」する人は鍋の中の茶葉状態をみながら先の先まで読んだ柴調整をする。
火はすぐに鍋に反映されない。
火と鍋には時差がある。
お互いの状況と要求を伝え合いながら、ふたりでひとつの鍋を仕上げていくのです♪

数種の樹の特性を知った上でそれらの柴を使い分け、
茶葉状態と炒茶工程に応じて火と鍋温の調整をします。
時に数秒単位で微妙な火の調整を必要とするので、
「炒茶」と「焼火」のふたりどちらが欠けても決して好い鍋にはなりません。

ひとりでの炒茶も可能と言えば可能ですが(実際はそのパターンがほとんど)、
一見同じような外形に仕上げることは可能ですが、その品質は明らかに違ってくる。
碧螺春は、ふたり揃って「炒茶」と「焼火」のどちらもできる技術がなければ
好い鍋(茶葉)には仕上がりませ~~~ん。

樹の種類によって火の様も変わり、また「柴」は生き物で節の状態や年輪やその日の
気候によって予想外の炎の動きをすることがあり、けれど「焼火師」はどのような場合でも
一瞬でその火を理想の炎に起こしたり寝かせたり安定させたりしなければならない。
火を意思通りに動かす。。。火を扱う。。。

まずは火とお友達になるのだあああーーー♪(笑笑)


梅のおじちゃんは、時期になれば山へ柴刈りに~☆
東のおとんは、数種の果樹柴を一年かけて全部自分で準備していま~す☆

炒茶用の柴を、料理用の柴鍋で使ったら、おとんにものすっっっごく叱られるよぉ・・・。
柴は柴でも違うのよぉ~、炒茶用柴は特別仕様なの。気をつけてね!(笑笑)

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