- 2012-05-31 13:30
- 12春天♪鉄観音
(おじいに会いたいの続きです)
昔、まだ電気がなかった頃(このあたりに最初に電気が来たのは90年代前半)、
おじいとおとんは、毎年春と秋の製茶が終わると老茶の炭焙に取り掛かったそうな。(ちょうど今の時期ね♪)
おとんはそれを10歳(日本で言う9歳)くらいから手伝っていたそうだ。
ちなみに、茶摘みは5歳くらいからで、物心ついた時にはおじいやひいおじいたちと一緒に森林に入り、
茶葉や薬草など採っていたそうだ。その頃の茶葉は全て天然野生樹で、今のような茶園などどこにもない。
このあたりは全て森林で、虎もいて何人か食べられたそうでとても怖くて忘れられないそうだ。
それから30年ほどして、電気がやってくる。
「電気がない時代の炭焙」をおとんがしていたのは40歳代まで。
いつも横には師匠、おじいがいた。
おじいはその頃には70歳に近く、電気の無い時代の製茶経験すでに60年以上。
ちなみに、おとんは電気の時代になっても、数年前(確か06年)までは好茶は炭焙で仕上げている。
炭が手に入りにくくなり粗悪品も多くなり茶葉に影響し始めたので、徐々に電焙に変えていった。
ちょっと余談、いつかちょろっと書いた事があったけど。。。
おとんの家は代々『薬用茶
(伝統紅芽鉄観音の老茶)』の製茶技術が伝承されてきた家系。
それでかどうかは知らないが、長寿の家系みたい。
おじいは90歳14日前、おじいのおとんは93歳、なんとおじいのおじいはその時代に97歳だって、ひぃ~!!!
みんな旅立つ直前まで、自分の足で森林を歩いて茶葉や薬草などを採ったり、自分にできる仕事をしていたそうだ。
おじいも旅立ちの直前まで、杖付きながら山を自由に行き来し、自分の身の回りのことは掃除も洗濯もし、
時間通りにきちんとご飯を食べ、時に茶摘みの籠を修理したり、晒青の手伝いをしようとしてくれたり、
特別な発酵香がする茶葉があると私を呼んでタイミングを逃さないように教えてくれたりした。
そんなおじいとおとんの時代に、国が大きく変わった。
そして電気も来た。
国が変わり、森林が伐採され、木炭が減り、茶園が増え。。。環境も大きく変化していく。
電力が普及すると人々の生活はさらに大きく変わり、製茶の方法も著しく変化していく。
(昔と今の違いへ続く)
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