- 2013-04-27 07:28
- その他
ゴールデンウィークが明ければ、春の鉄観音の季節がやってきます♪
でもその前に。
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今年、10数年ぶりに、日本で春を過ごしました。
東山おとんの碧螺春、ついに今年、行くことができませんでした。
昨春作った茶葉がほとんど換金しなかったので、製茶資金がありませんでした。
久しぶりに日本で見た桜は、、、涙桜でした。
あの奇跡のような感動の緑茶は、もう作れない、、、あの素晴らしいおいしさの新茶は、もう飲めない。
しばらく、放電状態になっていました。
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すでに2ヶ月近く経過。
碧螺春に行けなかったことは自分で思っていた以上にショックが大きかったようで、
ひな祭りの品茶会のぶろぐ記事を書こうとしても、お茶のことに触れると気持ちが塞いでしまい、進まず仕舞い。
とりあえずお茶のことはおいといて、淡々と日常の仕事をこなしていました。
実は、品茶会直後の5日に東山おとんから電話が来て、今春は歴史上ないほど早く、3月7日に初摘みが来た。
行けないのは昨年からわかっていたことなのに、時間をかけて納得してきたはずなのに、
誰かに『今年は行かないの?』と聞かれ、答えようと口を開けばぶわっと涙が吹く始末。
茶摘みが現在進行している期間中、何を見ても何も聞いても、すべてが東山に、すべてがおとんとおかんに、
すべてが碧螺春につながってしまう。
花を見ればおかんが頷き、筍と聞けばおとんが笑い、風が吹けば茶樹が揺れ、光が差せば太湖が広がる。
昼のうちは茶摘みする果樹の森の香りが心に充満し、夜になれば薪の香りと炒りたての茶葉を夢に見る。
朝が来て、火傷の跡も高温の痛みもどこにもない自分の手のひらを、見ている。
おとんと出会い、10年かけておとんとおかんと一緒に、伝承の技術を実践理論両方面から復活させ
(おとんと出会った頃、すでに産地全体で製茶技術の現代化が進められ、伝統法はほぼ消えていたから)、
その価値を感じ一緒に飲んでくれる仲間を集め、物価や人件費が急騰を続けても、細々とでいいから
少しでいいから継続したいと努力してきましたが、とうとう続かなくなり、終わってしまいました。
もう二度と「あの新茶」が飲めない、そう思うと、心が失われたようになり、
もう二度と「あの炒茶」ができない、そう思うと、感覚がなくなったようになる。
生きているうちに、おとんとおかんと一緒に碧螺春を作る日々はもう二度とない、そう思うと、感情が消えていく。
考えても今どうすることもできないことを考えたところで本当にどうしようもないから、
とりあえず考えるのをこっちに置くよう努め、淡々とした日常に没頭、、、。
多分、この2ヶ月近く、ものすごい喪失感とともに過ごしていた。
10数年越しです、、、すこし時間がかかりました。
「碧螺春にハートブレイク」、、、「碧螺春ロス症候群」、かな。
息はしているけど自分で生きている感じがない。
そんな13春天でした。
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一方、東山のおとんとおかんは、と言うと。。。
私が来ないので、東山のおとんも、今春は一度も炒っていません。
冒頭でも書きましたが、昨春の茶葉がほとんど換金しなかったので、私は今春の資金を準備できませんでした。
ここ数年はそういう状況が続いていて、足りない製茶資金を自分の収入でカバーするのも限界があって、
わずかな希望にかけ昨年福州で臨んだ品茶会でも、碧螺春の中国茶友を見つけられるまでに至ることはできず、
「今年こそ茶友は増える」と信じて奮起できたのも、昨年が最後になりました。
この春は、過去にないほど早く茶摘みが始まりました。(初摘み3月7日)
急激な暑さや寒さを繰り返したジグザク気候の影響で、一日の収穫量は少ないものの茶摘み期間は非常に長く、
おとんとおかんは毎日、摘んだ「生葉」を「とある場所」に売りに行き、僅かなレートで換金していました。
もう何年も前から、碧螺春の継承農家さんたちは、そうやって生計を立てるようになっています。
混ざりっけなしの100%本物の洞庭碧螺春は、現在の流通市場では高価すぎて買い手が見つからず、
作ったところで換金できないからです。
一般的に、農家さんは現代の消費者とは接点がなく、販売力のある業者に持ち込むしか今では換金ルートがなく、
しかし現在そういった市場で求められているのは、『高名かつ高値で知られる銘茶に似た安く量産できる茶葉』で、
本物であるとか高品質であること等は要求されていない。(鉄観音もまたしかり。)
つまり、碧螺春農家さんが炒って仕上げてしまうと売れない、いつまでも「茶葉」のまま、『腹の足しにもならない』。
けれど、摘んだ状態の「原料=生葉」なら売れる、どんなに低いレートでも、『収入ゼロよりはまし』。
以前は「洞庭碧螺春」だったからこそ換金できていたのに、今は「洞庭碧螺春」だから換金できない。
でも「生葉」なら、ここ10年程で参入してきた工場や店舗等に持ち込めば、商用の洞庭碧螺春を作る
原料の一部として買い取ってもらえる。特に、おとんやおかんのような高齢の農家さんにとっては、
果樹園の収穫以外に収入源がないので、たとえ足元を見られたような価格でも、他に選択肢がないのが現状。
碧螺春の茶葉が換金しないという現実は、代々洞庭碧螺春を継承してきた農家さんたちにとって死活問題で、
若者は跡を継がず(親も継がせたがらない)、果樹園を放置して一家総出で街に出る人が年々増えています。
昔ながらの碧螺春農家の集落で最後まで製茶を続けていたおとんも、今年は私が来ないので炒茶しなくなり・・・。
こんな風に多くの伝統茶が、その名声さを「表舞台」に広げていくも、事実上は絶えていく。
今春、おとんが茶摘みしながら山で毎日おかんに聞くそうです、同じことを、、、わかっているのに。
「愛子はどうして今年は来ないんだ。」
そんな話を電話でおかんから聞くと、自分の無力さに、脱力。
行きたくて、炒りたくて、会いたくて、、、でも行けなくて。
碧螺春は、他の茶種(龍井等)とは違い、一緒に飲んでくれる仲間が集まればまだ作ることが可能なだけに、
心の底は未練タラタラです、、、。
おとん、おかん、今頃どうしているだろう。。。
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この期間、数名の茶友が、12秋おとん鉄観音の追加や単品の希望メールくださったりして、
そのおかげでどうにか支えられていました。本当にありがたかった。どうもありがとうございました。
涙桜も風に去り、陽光が次の季節の到来を知らせてくれています。
ここにきて、ようやく気持ちが動き始めています。
日に日に暖かさと強さを増す太陽に、心も次第に膨らんでいきます、不思議なものですね。
茶樹もこんな感じなのかな。(笑笑)
今思うのは、鉄観音まで失いたくない!!!、ということ。
最後に残った鉄観音まで、同じ理由で「作れない状態」になってしまったら・・・。
碧螺春と同じ想いはしたくない。
そうならないよう、今日できること、ひとつひとつ、また頑張りたくなってきましたっ☆
今なら、放電期間十分で、空き容量MAX! たっぷり「製茶充電」可能ですっ♪(笑笑)
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もうすぐ春の鉄観音ですっ♪
祥華の山々は、長雨が続いた昨春とは違い、今春は気候安定し例年通りだろう、とおとんの予想☆
そこにもうひとつ、おとんの努力により、この春はすごく嬉しい感動的な予感がある。
でもそれが実現するかどうか、は、まだ分からない。
その前に。
今手元にある素晴らしい茶葉を、少しでも換金しなくっちゃーーーっっ!!!
でないと、碧螺春の二の舞になってまうっっっ。
茶友のみなさま&これから茶友のみなさま!
少しでもいいので飲んでいただけませんか、どうぞよろしくお願いいたしますっ♪
今のお勧めは、12秋おとん鉄観音、
各セット☆
まだまだ《心の隊員》大募集しています、よろしくお願いいたしますっ♪
それから、昨春の素晴らしい碧螺春、12春《碧の宝茶箱》
☆
飲むのに非常に好い状態で、今とこれからの季節、超お勧めですー♪
それからそれから。
12秋鉄観音の《心の隊員》のみなさまへ!
お待たせいたしました、「隊員御用達茶」準備完了~☆
12秋は、【全韵集合】【熟香梗】【妖怪ティーパック】。(別記事で募集しますね)
同時に追加(セット・単品・キープ予約、等)もご検討いただけますよう、よろしくお願いいたしまーすっっ♪
そうだわ。
他にも、現在お分けできるお勧め茶葉も、書いたほうがいいかしら?!
んーー、でも今日明日は詰まっているので、、、書くなら御用達茶の記事が優先ですね。
その後余裕があれば。。。ということで、また改めて~。
みなさま素敵なゴールデンウィークを♪ 私は特に何もなし、春鉄実現するまで、淡々と日常です。(笑笑)
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