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2012年05月

炭焙研究♪始まってまーす!

ひいおじい直伝の、おじい直伝の、おとん直伝の、伝承人による伝承の伝統鉄観音の炭焙☆
始まってまーすっ♪

「茶色い茶葉」を想像しないでね、商売用茶葉の焙煎とは違うよ。
今は無き、代々この地方に伝わっていた『薬用茶(天然野生紅芽鉄観音の老茶)』の炭焙法☆

今日明日、老茶開始前に、まず実験。
研究用茶葉使い、火坑3箇所、木炭2種、それぞれの特性や違いを知るため、比較研究。

おじいやおとんが炭焙していた頃と、違いがある。
大きいのは、その時代は全て「手揉」、今は「機械揉」。

昔と今の違いを計算し、想像、実験、確認。
疑問点、確認したい箇所、一点ずつ詰めて、比較、品茶、繰り返す。

研究用茶葉が必要、いきなり私たちの伝統茶は使えない。
おとんが叫ぶ、ダメダメダメー、金より価値がある茶葉、もし失敗したら取り返しがつかない。
老茶を始める前に、研究用茶葉が必要、しかたなくうぇいうぇいから、原料はおとんのだから。
しかしコスト上昇でどんな仕上がりでも本物の鉄観音だから高価、少しも無駄にできない。
純粋な木炭、今はお金があっても手に入らない、非常なる貴重品、でも使なければわからない。
実験、でも本番。

昨年ふいみんとした炭焙研究が活きている。
あれから1年、あの時の茶葉の経過品茶、その結果、そこから考えた事、仮説。
おとんの記憶と付け合せ、意見交換。
さあ、始めよう。

本日は、まずはおとんの思う方法で、私は看学メイン。
昨年はおとん会議で山をおりて家にいなかった、今年はやる気満々。
おおおーーー、すごい!!!
頭で忘れていてもやり始めると思い出すみたい、体感で覚えているんだ、身に染み付いているんだね。
おとん、すごいや、さすがだなあ。。。

ああ、今おじいもいたらなあ。。。

やっとやっと茶葉に触れられたー♪ あーん、気持ち好い~~~♪

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春の秋空

午後から気候が変わった、まるで秋。
今夜の星星の輝きも、秋そっくり。

午後、芋植えているとき、起風、冷空気、気圧が変わった、気候が変わる、明日から晴れる?
夕方、上空に鰯雲。。。この空気は、秋だよお~~~。
低空、雲の流れ早い。
涼しい、少し寒い、分厚いフリース出す。

11夜の月が輝く、虫の音が響く。
蛙の声が消えた?
この時期に蛙の代わりに秋の虫が鳴いているよーーー。秋にタイムスリップしたみたい!!!

『変だなー、春なのに、まるで秋だ。』byおとん

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昔と今の違い

電気のない時代の最後の作り手の続きです)

おじいの時代と現在の茶葉とでは、違う点がいくつもある。
なので、当時の方法そのまま真似したってダメだ。

どうする?

道具や場所の条件が違うという問題ではなく、もしも炭焙の環境をまったく同じに整えられたとしても、
対象となる原料、つまり茶葉の状態が違う。
原料の条件が違うので、いろいろ勘案する必要がある。

おじいやおとんが炭焙していたのは、電力が無い時代の伝統茶葉。
現在の茶葉は、製茶時に電力を利用している、電力のある時代の伝統茶葉だ。

非常に大きい違いは2点、これは見てすぐ分かる。
ひとつは誰が見ても一目瞭然「外形」、それから飲めば明白「鮮度」。
「外形」は包揉が違うから。当時は「手揉」、現在は「機械揉」。
「鮮度」は保存が違うから。当時は「茶甕」、現在は「真空(脱酸素)」。
どちらも見てすぐ分かる大きな違い。
そしてこの2点の違いは、茶葉の内品質に非常に大きく影響する。
茶葉を見て技法を変えるのは、時代関係ない、製茶の基本中の基本だ。

もうひとつ大きいのは「原料」の違い、しかしこれは一般的には見てもわからない。
当時は森林に自生する「天然野生」、現在は茶園の「天然野生2代目」。
本物の「天然野生」は、それを飲んでいた人間にしか解り得ない。
その内質の違いは非常に大きいが、炭焙時の影響は先の2点とは違う視点になる。
ので、とりあえず置いておこう。。。ひとつひとつ詰めていこう。


さまざまな違いがあるので、当時のやり方そのままではやっぱりダメだね。
しかし、まず当時のやり方を知らなければ始まらない。

そうか、方法ではなく、まずその目的を理解しないと。
おじいたちが炭焙していた目的、それを理解できたら次に進める。
今の茶葉をその目的地に連れていけばいいんだから。
模索しながら新しい方法を自分たちで発見するしかない。
そうだよ、道が違っても同じ目的地へ向かえばいいんだっ☆

それにはやっぱりまず歩き方を覚えないとっ!
木炭、火坑、焙籠。。。道具を自在に使えるようにならないとお話にならないわね。
私の場合はまずそこからだ。

昨年は、とりあえず自分なりに考察してふいみんと一緒に実践してみた。
今年は、まずおじいのやり方でおとんにやってもらおう、おじいに習う、初日の私は観察だ。
おとんも忘れていることがある、でもおとんの場合は天然だからやればきっと思い出す。
やらせて思い出させないとね。。。にやり。(笑笑)

当時の目的を理解し、現在の茶葉をその目的地に導く、か。。。
ぅぅ~ん、できるかなぁ。。。

じっくり違いを勘案し、仮説をたてて実際に検証を繰り返し、考察を重ねるしかないね。
よし、やるぞ☆
伝承の炭焙に向かって出発だーーー、おうっ♪


おっと~ん、思い出してきた?
細かいところが『もやもや』している?
大丈~~夫、やれば思い出すさ。
90年代に入っても実際にこの家で日常だったことなんだから、つい最近じゃない!
さあ、やろうっ♪

電気のない時代の最後の作り手

おじいに会いたいの続きです)

昔、まだ電気がなかった頃(このあたりに最初に電気が来たのは90年代前半)、
おじいとおとんは、毎年春と秋の製茶が終わると老茶の炭焙に取り掛かったそうな。(ちょうど今の時期ね♪)
おとんはそれを10歳(日本で言う9歳)くらいから手伝っていたそうだ。
ちなみに、茶摘みは5歳くらいからで、物心ついた時にはおじいやひいおじいたちと一緒に森林に入り、
茶葉や薬草など採っていたそうだ。その頃の茶葉は全て天然野生樹で、今のような茶園などどこにもない。
このあたりは全て森林で、虎もいて何人か食べられたそうでとても怖くて忘れられないそうだ。

それから30年ほどして、電気がやってくる。
「電気がない時代の炭焙」をおとんがしていたのは40歳代まで。
いつも横には師匠、おじいがいた。
おじいはその頃には70歳に近く、電気の無い時代の製茶経験すでに60年以上。

ちなみに、おとんは電気の時代になっても、数年前(確か06年)までは好茶は炭焙で仕上げている。
炭が手に入りにくくなり粗悪品も多くなり茶葉に影響し始めたので、徐々に電焙に変えていった。

ちょっと余談、いつかちょろっと書いた事があったけど。。。
おとんの家は代々『薬用茶 (伝統紅芽鉄観音の老茶)』の製茶技術が伝承されてきた家系。
それでかどうかは知らないが、長寿の家系みたい。
おじいは90歳14日前、おじいのおとんは93歳、なんとおじいのおじいはその時代に97歳だって、ひぃ~!!!
みんな旅立つ直前まで、自分の足で森林を歩いて茶葉や薬草などを採ったり、自分にできる仕事をしていたそうだ。
おじいも旅立ちの直前まで、杖付きながら山を自由に行き来し、自分の身の回りのことは掃除も洗濯もし、
時間通りにきちんとご飯を食べ、時に茶摘みの籠を修理したり、晒青の手伝いをしようとしてくれたり、
特別な発酵香がする茶葉があると私を呼んでタイミングを逃さないように教えてくれたりした。

そんなおじいとおとんの時代に、国が大きく変わった。

そして電気も来た。

国が変わり、森林が伐採され、木炭が減り、茶園が増え。。。環境も大きく変化していく。
電力が普及すると人々の生活はさらに大きく変わり、製茶の方法も著しく変化していく。

昔と今の違いへ続く)

おじいに会いたい

伝承の薬用茶の条件の続きです)

おじいがいた頃に一緒にしなかったことが、本当に悔やまれる。
製茶人生70年以上ほとんどを、電力がない時代に製茶してきた最後の作り手だ。
きっとたくさんのことを教わることができただろう。

でもしかたがない、その頃の私には伝統茶(伝承の薬用茶の原料) の製茶ができるようになることが最優先だった。
伝統茶を作れなければ伝統茶が何なのかも解らないし、伝統茶が解らなければ伝統茶の炭焙の意義も解らない。
伝統茶を一番理解しているのはやっぱりそれを作る人間で、伝統茶の製茶ができないと伝統茶の炭焙もできない。
(碧螺春の手炒ができる人間でないと碧螺春の焼火ができない道理と、共通するものがある。)

教わりたいことがいっぱいあるよ。。。あーん、おじい~~~っっっ。

でも、私たちにはおとんがいるっ☆

おじいが電力がない時代の最後の作り手なら、おとんはどちらの時代も経験している最初で最後の作り手。
唯一その両方を知っているのがおとんだ。。。おおーー、おとんすごい、文化遺産じゃないか!!!
おじいから直伝されたおとん、本物の伝統茶最後の伝承人だ☆

おとん、がんばれっっ、思い出すんだ、若かりし日々(笑笑)をーーーっっっ♪

電気のない時代の最後の作り手へ続く)

伝承の薬用茶の条件

鉄観音ロードの続きです)

おとんと出会って、たぶん11年目。
(※たぶんと言うのは、どこで出会ったのかどこで知り合ったのか、なぜかお互いの記憶にないから。)
知りたいこと、疑問点、少しずつ整理されてきた。

この地に伝承される『薬用茶』の条件は、
 ・【天然野生種の紅芽鉄観音】(純粋な紅芽鉄観音のみ、色種が少しでも混ざったらダメ)
 ・【伝統茶】(伝統的な発酵技術で仕上げた茶葉、仕上がりが悪いのはダメ)
 ・【老茶】(製茶後3年以上≒1000天以上経過、途中保存が悪いのはダメ)
まずこの3点は絶対、そうでなければ『薬用茶』とは呼ばないそうだ。

特に重要なのは【天然野生種の紅芽鉄観音】であること、この原料の効能効果が薬用として伝承されてきた。
他の薬草類と違いそのまま干してもだめで、効果あるものに変化させるための特殊な加工技術(製茶)が必要。
さらに、仕上げたものを壊さず更なる効果あるものに変化させるための長期保存技術が欠かせない。

こうして整理してみるに、原料・技術・保存。。。基本だわね。

伝統茶の作り手が自ら製茶し、保存し、適切な年月ごとに再加工(炭焙)し、そうやって『老茶』を育て、
『薬用茶』になる。
古くなればなるほど万能薬として効果があると伝承され、飲めば格別なおいしさで毎日飲まずにはいられない。
その価値以上に、口福で幸福。。。そりゃー例え効能なんかなくても体に好いはずだよ!!!(笑笑)
それ飲みたいっ、それ作りたいっっ♪

条件は揃っている、私たちは作ることができるっ☆
ただし、新茶を飲んでくれる人がいないと作れない、現在の大問題はそこだ。
お願い仲間集まって、飲みたい人お願い飲んで、だれか茶友になってお願いーーーーーーっっっ!!!
11秋 《心の隊員セット》ご紹介♪ (ご連絡お待ちしていますっ☆)

おじいに会いたいに続く)

鉄観音ロード

伝承の炭焙をやりたいの続きです)

私の鉄観音の原点伝承の『薬用茶』
03年秋、体調を壊した私におとんが届けてくれたその茶葉を飲んで、ここまで来ることになるのだが、
当時、その茶葉を一緒に作る(飲む)仲間を一生懸命探したが、なかなか見つからなかった。
そうこうしているうちに、あっという間に次の年には飲めなくなった。

茶園開発が激進し山が焼かれ、天然野生の『紅芽』がほぼ絶滅した。


◆原料(天然野生紅芽)の危機

『紅芽=鉄観音=薬用茶』、つまり私が飲みたい茶葉の原料がなくなったのだ。

本来、鉄観音とは『紅芽』のことを指しており、もともと他の野生種に比べて非常に希少種だそうだ。
だが、似ている茶樹は森林の中にたくさん自生していて(野生茶樹は少なくとも60種類以上あったそうだ)、
農民の中にそれを見分けられる人はとても少なかったそうだ。
現在も安渓内の多くの農民が、紅芽でない品種を鉄観音として栽培している。

また、この地方には『○○鉄観音』と呼ばれる品種が他にも10数種類(確か13種類ほど)あるが、
おとんたちによると、『それらは名前に「鉄観音」が使われているが、「鉄観音(紅芽)」ではなく
「紅芽(薬用茶)」の効果とは完全に異なる』とのことで、薬用茶(紅芽)の技法が伝承されている家では、
それらの品種を昔から『色種(その他の種)』と呼び、茶葉ではあるが『鉄観音』としては扱っておらず、
製茶することはもとより山で収穫することもよっぽどのことがない限りまずなかったそうだ。

もちろん『色種』でも『老茶』は作れる、だが『薬用茶』にはならない。(『効果が違う』byおとん)
『薬用茶』になるのは『紅芽=鉄観音』のみ、と伝承されている。

効果はさておき、飲めば確かに分かる、味がまったく違う。(「野生茶」飲んだ茶友は知っているはず。)
しかし、現在は『色種』でさえ野生樹はほぼ絶滅状態・・・。(野生茶、飲みたいなぁ。)

とにかく天然野生紅芽がない・・・原料がないのよ、だから、いくら飲みたくてもう飲めない。


◆奇跡の原料(天然野生紅芽2代目)

だが、おとんの家にはその分身たちがいたあああーーー☆

おとんの茶樹は、すべて純粋な天然野生紅芽の2代目!!!
(天然野生紅芽の好芽を摘んで茶苗を育て、茶園で育てている茶樹)。

おとんにとって『本物の鉄観音』とは『100%紅芽=薬用茶』のこと。
だから、『紅芽』しか育てていないの。
出会った頃は3代目等もいたが研究の結果『だんだん原味野味が薄くなる』とのことで、今は2代目のみ。

天然野生には及ばないが薬用茶の原料は、ここにある!!!

しかしいくら原料があっても、技術がなければ作れない・・・次は、技術の危機だ。


◆技術(伝統法)の危機

伝統技術の危機が来たッッッ。

90年代に入ると電気が普及し、効率好く量産できる機械が次々に導入され、製茶技術は改良され変化していく。
2000年代に入ると、国の発展とともに需要は増え、嗜好が変わり流行が変わり市場の要求も変わり、
伝統茶の需要は減り、伝統茶を作る人はいなくなっていった。

それでも伝統茶にこだわり作り続けていたおとんだが、時代の流れには逆らえなかった。
07年頃には、この山の家にも現代法を取り入れなければならない時代がやってきた。
製茶工人たちは他の工場で現代法に慣れていき、次第に伝統加工法ができなくなっていく。

おとんの作り方が、現代法の影響に押されてきているのを、私は感じていた・・・伝統技術の危機だ。

私が飲みたいお茶はおとんが届けてくれた「あの鉄観音」、「伝承の薬用茶」 だ。
薬用茶の原料といえば、伝承の技法で製茶した紅芽、伝統法の鉄観音のこと。
現代法の鉄観音ではない。

製茶はひとりではできない、おとんも年をとっていく、伝統法で作れる人がいなくなっていく。

そうか、自分が作れればいいんだっ☆

ということで、単独で伝統法製茶ができるようになるまで事実上おとんに弟子入りし、
毎期懸命に仲間《心の隊員》を募集しながら、何年も前から伝統法による伝統茶を研究製茶してきた。

そして、昨秋、11秋天。
すべての茶葉の審評結果を受けて、伝統鉄観音製茶技術伝承人のおとんから「お墨付き」を頂戴した☆
うおおおーーー♪
よし、伝統茶の技術はつながった、おとんが動けるうちはふたりで作れるぞ!

・・・今度はなんだ。

「伝統茶」の危機だ・・・。
技術はあっても「茶葉」を作ることができない・・・これは今、現在、本当に大きな危機を迎えている。

 

◆薬用茶の原料(伝統茶)の危機

茶葉、「伝統茶=薬用茶の原料」なら、ここにわずかにある☆
最初の頃に作ったのがすでに1000天を超えて『老茶』の仲間入りをし、ついに最初の炭焙の時期を迎えている。
やったあー♪

だが・・・、しかし・・・、今春は作れなかった・・・。
昨秋の影響が大きい、作っても飲む人がいなかったから(※非常に少ない、の意)、資金がなくて作れなかった。
製茶コストの上昇が、もう半端じゃない。

でも新茶を作らなければ「将来の老茶」がない・・・このままでは伝統茶=「薬用茶の原料」がなくなる。

現在優先して考えなければいけないのは、ここだ。
伝統茶を飲んでくれる仲間を探さなければ。
せっかく「おとんお墨付き」の伝統茶作れるようになったのに・・・ぅぅぅ。
なんとかしたい。

まだあるのか・・・次はなんだ・・・「薬用茶の技術」の危機だ。

 

◆薬用茶の技術(伝承の炭焙)の危機

茶葉(薬用茶の原料)なら少しはある、が、しかしその「薬用茶の技術(伝承の炭焙)」がないッッ。

危機というか、これはもうとっくの昔に誰もやっていない。
誰もできない、誰もわからない、その多くがおじいの年代で・・・(おじいは90歳14日前だった)。
それに、当時と今の茶葉は違うので、昔の方法そのままではダメなのだ。

これも自分でできるようになるしかないっ!

でも大丈~~夫。。。私たちには「おとん」がいるのだーーーっ☆

「伝承の炭焙」への旅が始まりますっ!!! 現在、出発~~~っ♪ (みんな着いてきてね~~~☆)

伝承の薬用茶の条件へ続く)

伝承の炭焙をやりたい

今春、新茶の製茶はできない。
でも、私たちには老茶がある☆
そうだよ、今が炭焙研究のチャンスだ、おうっ♪(笑笑)

この地に代々伝わってきた「伝承の薬用茶(天然野生紅芽鉄観音の老茶)」の炭焙法、私はそれがやりたいっ☆
茶葉を買付(あるいは製茶)して焙煎加工する『商用茶』の炭焙法、ではない。
伝承の鉄観音の作り手が自ら炭焙する『老茶』。。。伝承の『薬用茶』、またあれを飲みたいっ♪

思えばそれが私をここまで連れてきた。。。そうかっ、私の鉄観音の原点だっ!

鉄観音ロードへ続く)

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決めた

審評を重ね、おとんと話し合い、考えに考えて。。。決めたっ!行ってみようっ☆

ああー、でも本当にいいかなぁ。。。とことこ。。。(さわやかさんから帰ってくるところ)

虹が出たーーー♪吉兆だ~~!!(笑笑)
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おとんも虹見ている?

もう夕暮れ時。

ごはんの準備。新じゃがおいしいー♪
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どれで行くか、決定しましたっ☆
RIMG0144 再度確認中~。

しかし・・・下から届いた研究用茶(左:手に持っている縦一列)、本当に『別の飲み物』(byおとん)みたい。
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湯色も、別のお茶みたい。

今春来たら、大門と勝手口に自動電灯(時間が来ると点灯するやつ)が点いていた。
RIMG0148 明るい~~、星が見えにくい・・・。
でも、おとんがいないとこの家真っ暗で、この山に明かりがないと留守にしてるのばれるから。
誰もいないと思われると・・・本当に今、物騒なの。

候補老茶選び

出たあー☆
今回炭焙しようと考えている候補の老茶たち、のサンプル、08秋&09春たち☆

↓全種類7g各1袋。。。きゃー、全部飲みたーい♪
RIMG0103  みんなすっかり1000天以上経っているのね。
さーて、どれにしようかな。。。全部飲みたいけれど、そういうわけにはいかない。
そんなことしたら、おとんとふたり品茶会が始まっちゃうよ、あははー。

まず、今春の目的と目標を考えて、各シーズン候補茶3種まで絞ろう。
当時の製茶ノートを見ながら、全種の個性や等級等確認。
これ選ぶの大変だ。
どれもこれも個性が違うし、当時等級が一番下になった種類でも今や非常に希少な茶葉だし、
失敗したらそれらが消えてしまうし、審評前に真剣に要検討。

わーぷ。。。

決まった!
RIMG0109 見覚えある袋、ありますかー♪
(やっぱり色が変?と思ったら、撮影モードが動いていた。あちゃー、失礼。)

白羽の矢が当たった6種♪
09春は最近老茶の仲間入りしたばかり、「新米の老茶」だね!(笑笑)
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もしもこの6種の中に、あなたの大好きな茶葉が入っていたら、至急単品キープメールください☆
二度と飲めなくなる可能性がありますので、、、にゃはは、、、。

おとんがね、もうずーーーっと横で、にやにや、にやにや、しているの。
早く♪早く♪、って言葉は出さないけれど、顔がさ、あはは、嬉しそお~~~。
そーりゃそうだよね、自分たちでもこんな老茶いっぱい飲める機会、なかなか作れないもん。
うわぁ、おとん、またいっぱいお湯汲んできたことーーー。(笑笑)

おとんは、お湯当番。
RIMG0125 最初はかなりお湯を使う。
審評の時は、お湯が途中で切れると条件が変わって一からやり直しになるから、たっぷり準備。

それでは、エントリー選手のご紹介、じゃじゃーん☆ どれも保存状態がとても好い♪

08秋天より。【11号】【12号】【20号】
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09春天より。【29号】【30号】【31号】
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(あとで気が付いた・・・ふたりとも興奮しすぎで審査中の画像が一枚も無いヨオーーーッッッ)

おとんが喜んだ喜んだ。
私も炭焙のことなんかどうでもよくなっちゃった。(笑笑)

これは大変なことになったぞ。考えなければ。どうするべきか。
進むべきか、進まざるべきか。
一応、当時の等級が一番下だったグループから選んだんだけどなあ。。。いやいや、参ったなあー♪

さきに飲んだ下の製茶所のとは、完全に『ベツモノ』。
おとんは自分で老茶を取って置くことはほとんど無いから(飲むのと作るのが好きで、あると飲んじゃう)、
ここまでのお茶になるとは分かっていなかったみたいで、『すごい♪すごい』『ふわあ♪ふわあ』
『おいしい♪おいしい』『んふっ♪んふっ』、でなんのための審評かすっかりぶっ飛んでいる様子!!!

え?

これに炭焙?しちゃうの?私?

うわぁ~~~ッッ、嘘でしょ~~~ッ、まさに運命の分かれ道だよ~~~。

考え込む。
おとんも考え込む。

(同じ茶葉を手元に持っている茶友のみなさま!ぜひ飲んでみてーーー♪)

炭焙研究用茶葉

山の下のうぇいうぇいに頼んでおいた、炭焙研究用茶葉候補のサンプル、届く。

昨秋、11秋の茶葉。(あり?なんか画像の色がおかしい・・・)
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いきなり貴重な伝統茶を使うわけにいかないから。。。

私は最初から自分たちの伝統茶使おうかと思っていたんだけど、おとんが猛烈に反対。
「でも、うぇいうぇいから実験用茶葉買い取るにも、自分達で作るのと変わらないくらいお金かかるし、、、」、
『それもそうだ、、、ぅぅ~む、』とおとんも頭を抱え、ふたりで考え込み・・・。

『しかし、いきなり伝統茶使って失敗したら、二度と取り戻せない。』
『伝統茶が10年20年経ったら、とんでもない茶葉になる、宝だ、しかも世の中で他には誰も持っていないんだ。』
『ダメだダメだ、伝統茶に何かあったら浪費だ、もったいなさすぎる。』byおとん

ということで、じゃあどのくらいの量にしようか。。。あーだのこーだの、でもこーだのあーだの。。。
うーん、とりあえずサンプル飲んでみよう、そのほうが話が早そうだ、ということになった。

今春の茶葉は気候の影響で全体的に品質が低く、それでいて昨秋よりコストが高い。
昨秋もご存知のとおりのコスト高だが、全体的に原料が素晴らしく品質が高く、好茶が多い。
なので、候補茶は11秋の茶葉。
山の下の製茶所はうぇいうぇいの担当だが、原料はすべておとんの茶樹、なので天然紅芽鉄観音の2代目。
実験用といえども本物の鉄観音、なので高価、なので真剣です。

さっそく審評。。。うん、なかなか、さすが『11秋茶』☆

でも、「老茶」じゃないから標準がなあ、、、いやいや、その前に体感だ。
よし、まず一回分わけてもらおう、それが終わってからまた考えよう。

炭焙研究は始まったばかり、おとんと違い、私にはまだ体感がない。
道具類とも木炭ともまだ友達になっていない、まだそれぞれの個性を知らない、まだ加減が分からない。
道具は手足のような感覚で使いこなせなければ話にならない。
体感は、繰り返し実践することでしか身に付かない。
が、そこに伝統茶を使うわけには、やっぱりいかない。
伝統茶の老茶は本当に少ない、失敗すれば二度と自分も飲むことができなくなる。

おとんにも、未知の分野がある。
40歳代までおとんは伝承の炭焙法ですべての茶葉を仕上げていた。
だが、当時と現在では、茶葉の状態に違いがある。
その違いがどう影響するのか、実験を繰り返し、考察し、ひとつひとつ詰めて、探っていくしかない。

決定!うぇいうぇい、分けてーー。

さあーて、次はいよいよ飲むぞ、むふふ。。。出るよ出るよ~~、何かな~♪

起きたらお茶を飲む!

おとんの山の家で、起きたらまずすることは?

はい正解!お茶を飲む~♪                7号☆「たったひとつの12春鉄
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春らしい回甘に変わる苦味を含んだとても深いこくのある甘~いお茶。
10煎淹れても姿勢の変わらないやわらかで自然体の茶湯。
春鉄観音の特徴が、この一杯に凝縮されている☆

ふふ、濃いなあ~♪
RIMG0084 この色!!!
昨今、市場ではお目にかかれない伝統鉄観音の湯色、暖かみのある橙黄色(オレンジ色の一種)。
「鉄観音」でないと出せない湯色。
おじいが最初に「黄色い湯色の鉄観音」を飲んだとき、どんな表情を浮かべたことだろう。

右においてあるのは、昨日飲んでいた同じく7号の葉底(湯で開かせた状態の茶葉)。

葉底を見るのはとても重要。
原料、技術、環境、製茶日の加工の様子まで、葉底は嘘をつかない、いろんなことを語っている。
RIMG0085 そうね、葉が薄いが確かに成熟している。
茎が長いがとても柔らかく、山は水を含み気温は高く、発芽から成熟までの生長スピードが速かったことが分かる。

おひさま出たー。山ご飯、気持ちいい~♪
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おとんが晒青用の竹竿撤収してる・・・。
RIMG0098 今春はもう作れないから、用済み。
あと一回作れると思ったから、準備しておいたんだけど、さ・・・ハァァ。

しょんぼり・・・とぼとぼ・・・。(さわやかさんから帰ってくるところ)

終わった

起きたー♪

下に降りた、おとんが悲しそうな顔でため息つきながら私を見つめている。。。どーしたの?
『終わった・・・。』
「は?」
『ぜーんぶ、無い・・・。』

「ハ、、、うそー、マジーーーッッッ。」
『明け方のあの風で晴れるの分かったから、今日作ろうと思って、起きてすぐ行ってみたんだ。
でも、ぜーんぶ老掉了、はぁぁ、嫌、本当にもう嫌・・・。』
「ガァァァ~~~。」

今春私が製茶できるたった一度のチャンス、おとんとうぇいうぇいが残しておいてくれた高山の遅発芽の茶樹たち。
最後の望みが、絶たれた。

昨日の「おじいの樹」の様子でなんとなく覚悟はしていたけれど・・・かなりショック。
終わりが例年よりかなり早くなるだろうことは、5月始めには、茶樹の様子を見たおとんから聞いていた。
でも、どの道今春は資金が無くて私は作れなかったし、まずは仕事を詰め、それから碧螺春の作業を優先した。
今回は作るのが目的ではないが、月末に来られれば何かしらできるのではないかと、かすかに期待していた。
しかし、私に12春鉄は来なかった。

12春鉄、本当に終わった。

安渓異常事態

突然きた。

この春、安渓全体、異常事態。
物価も人件費も当然のように上がって、製茶コストは昨年より上がっている。
なのに、茶葉、鉄観音の取引価格は大暴落中。

作れば作るほど原価が大きく割れ、多くの作り手が作っていない。
うぇいうぇいもシーズン途中で作るのをやめた。

(この春は、東山の村の中でもほとんど炒っている人を見かけなかった、碧螺春に炒ってしまったら今の商人には売れない、飲む人・ 買う人(旅行者等)は村まで入ってこない・・・原料としてならある種の商人(『碧螺春』の名声を利用して商売をしている人たち)に売れる、 非常に廉価な取引だが、炒ってしまってまったく売れないよりは少しでも現金になるから、碧螺春の作り手たちは泣く泣く売る。 足元見られている状況、だが、仕方がない、農民の立場は弱い、碧螺春の農民がごはん食べるには売るしかない。このままでは、 あと数年もしないうちに、本物の碧螺春炒れる人、伝承人は完全にいなくなるだろう。)

ここの祥華のおとんは、この春1日しか作っていない。
本来は私がいなくても2~3日は作る予定だった、シーズン前にそう打ち合わせしていた。
しかしこの春は原料があまりよくない上に人件費の高騰がひどく、しかも突然予想もしなかったことが起こった。
鉄観音の卸市場が大暴落したのだ・・・。
おとんはその急激な変化の現実に驚き、そして落胆し、気持ちが落ち込みすぎて、作る気力が失われた様子。
現状をもっと知るために山を下り2週間ほど安渓にいて、さらに気持ちが落ち込んでしまった模様。

安渓の卸市場ではどんなに安くしても「鉄観音」が売れない状況?
卸市場で商人たちから求められているのは、数元~10数元、の鉄観音?!?!
なんだよそれ。ありえない。
そんな茶葉、鉄観音じゃなくても作れるワケガナイッッッ。
工人ひとりの1時間の時給もまかなえない、まかない用の青菜炒め一皿も作れない。
1斤の茶葉作るのにいったいどれだけの人手がかかると思っているんだッッッ。

でも!!!
しかし!!!
あるんだ、これが・・・。
それも、山のように・・・。
「鉄観音」の卸市場に、数元~数十元取引の『鉄観音』と呼ばれるものが!!!
それが取引の中心になっている?
そうでない茶葉は売れない?

一体どうやったら作れるんだ、どこから来るんだ。
どう考えてもおかしいでしょ。

どうすればそのコストで『鉄観音』を作れるか、逆に考えれば答えは簡単に出てくる。
それ飲みたいか?自分の体の中に入れたいか?

でも、世の中はそれで『好』とされている、それで進んでいる。
それが数百斤単位で全国各地の商人たちに買われていく。
彼らが求めているのは、そういう茶葉。

「鉄観音」は必要とされていない。
原価でいいから、原価以下でもいいから、と「鉄観音」の作り手たちが言っても誰も買わない。
彼らにとって必要なのは『鉄観音』であって、「鉄観音」ではない。
「鉄観音」は、『鉄観音』商売の原料として高すぎるのだ。

数元~数十元で材料仕入れて、数千元~数万元のものとして売る。
たとえ数百元で売ったって。。。

「鉄観音」、このままでは本当になくなる。
伝統茶どころか、現代法で作った「鉄観音」すらなくなる。

「鉄観音」の皮を被った『なにか』に、「鉄観音」の市場はすでに占領されてしまっている様子。

こうやって、なくなっていくんだ。
こうやって、だれも作らなくなるんだ。
買う人がいない。
分かる人がいない。
飲む人がいない。
必要とする人がいない。
作る意味がない、作らなくなる、当たりまえだ。

こうやって、全国各地から伝統的なものが失われていくのか。

 

祥華のおとんが今春作った1種?
うわ、これうまいよおおおーーーーっっっ♪
こんなの、今、探そうったって探せない。
この状況で、この1種が飲めただけで、私感動して泣けてくる。

しかし、おとんがこのお茶を安渓に持っていったら(私と一緒に伝統茶を作り続けるために、伝統茶に興味ある人を
中国国内で探すために)、ある商人からものすごくばかにされてひどい罵声を浴びたらしい。
おとんの人生全否定されるようなひどい言われようだ、ここに書けないくらいひどい内容だ。
それもひとりやふたりではない。おとんはその晩から数晩寝られなかったそうだ。私、聞いているだけで涙が溢れた。
私からすると、その商人たちの言動が異常だ、心が壊れている、でも今の中国ではそういう人がとても多く目立つ、
卸市場ではそっちの考えが常識として通っている。

全国各地の今の多くの中国人、ちょっとおかしくなっている、年々エスカレートしていく、年々増えていく。
私が長く付き合ってきた中国各地の各方面の多くの好き友人たち、その中にも変わってしまった人は多い。
昔のように一緒に心から笑うことができない、もう会話が成立しない、顔も目つきも以前とは違う。
彼らの中でもう何かが変わってしまった、だが、彼らにはまるでその自覚がない。
そうでない人も当然いる、おとんたちのように。だが、変わってしまった人が非常に多くて目立つのだ。
人が「そっちの方」に変わっていく様を見るのは、はっきり言ってつらい。


こうやって、、、きっとこうやって、歴史から素晴らしいものが姿を消していくんだ。

私、今、その瞬間に立っている。

夕餉の頃

おとんが夕食の準備を開始。
RIMG0068 野草~。

おー! おっきいハート♪    この下のお芋どれだけおっきいんだろう!
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なんか吊るしてある?おかんがなにか掘ってきてくれたんだ!新じゃがだ☆おいしそーーー♪
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霧が登ってきた。また雨が来る。
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たったひとつの12春鉄

うぇいうぇいが山を登って来たー!

山の下の製茶所にいるうぇいうぇいに、おとんが預けていた、今春おとんが作った唯一の茶葉。
それを持ってきてくれた。
家を留守にするとき、この家には大切なものを置いておけない。
例え誰かがいるときでも、家の中にうっかり物を出してはおけない。
毛抜きひとつ、石鹸ひとつでも、気が付くとなくなっている。
現在、こんな山奥までも、本当に物騒な世の中になっている。

この家で作る茶葉は、現在、本当に貴重なもの。
家を留守にするときは、おとんは直接息子に預ける。
うぇいうぇいは、誰にも触らせず直接自分で持ってくる。
RIMG0055 本物の手作りの伝承の伝統鉄観音。
今春はこの一種のみ。

飲むうううーーーー!!!

今日も天に感謝し、地に感謝して。。。いただきます♪ 
RIMG0058 作ってくれた人にも感謝、おとん、ありがとう。
山山、いつもありがとう~~~♪

 

んあ? なんだよこれ、ひじきかよーーー?!(笑笑)
RIMG0059 おとん。これどしたの?小さくない?未成熟で摘んだの?

『そうじゃない。小さいんじゃない、薄いんだ、淹れれば分かる、成熟している、今春は葉が非常に薄いんだよ。』
「うっそー、こんなに?えー、なんで?」

『今春は原料があまりよくない。1月(農暦)からずっと雨で、数ヶ月間ほとんど晴れ間がなかった、葉が厚くならない。』
「春節のあとずっと?春茶のシーズン前だけじゃなかったんだぁ。4ヶ月?うわぁぁぁ、そりゃ厚みが出ないわ。」

春節過ぎからずっと雨とか曇りとかすっきりしない気候が続いて、ほとんど晴れ間が出なかったそうだ。
(そういえば、ふいみんが今年は香港もずっとそんな感じだって言っていた。)
約4ヶ月間ほとんど陽光が無かったら、ぺらんぺらんで、もやしっ子みたいになるよねぇ。
山は水気たっぷりだし、そこに4月の陽光が来たら、薄い葉は一気に成熟してすぐに「老」になっちゃうわ。
しかも、シーズン始まってやっと素晴らしい気候が来たと思ったら数日で終了して、また雨が始まったし。

なるほどね。
今春の安渓全体の原料品質が記憶にないくらい好くないのと、「老掉」が異様に早かったのは、そういうことか。

私たちが今春作れなかったのは気候とは関係ないけれど、結果としては不幸中の幸いだったのかもしれない。
だって、コストがこれだけ上昇しているのに、人が努力できない気候の影響で品質が低かったら・・・たまらないよ。
作れないのはすごくつらいけれど、今春はそういう「めぐり合わせ」なのかもしれない。
そう受け止めよう。

さて、飲もう飲もうーー!!
今春の数少ない貴重な晴天日に作ったおとんの茶葉だよ♪
たったひとつの今春の伝統茶だよ、やったーーー☆

確かに。。。
RIMG0060 これは難しかっただろうなあ。。。
しかし、さすがおとんだ、与えられた条件下できちんと仕上げてある。 

RIMG0063 ふうおおーーー♪ これはすごい!!甘香~~。
RIMG0066 あははっ♪こいつはすげーーーやっっ☆
うはは、濃厚~~~☆ この色!鉄観音はこうでなくっちゃ!!!

うわああーーーい、おとん、これおいしい~~~♪
すごいなー、すごいなー、おとん、すごいなー。今のこの状況で、こんなお茶が作れるなんて。

しかし、こういう特別な仕上がりの伝統茶をわかる人が、今の卸市場の取引の現場に存在しないなんて・・・。
まるで道理に合わない茶葉が、現在の鉄観音の取引の中心になっているなんて・・・。
目的が変わってしまったんだろうなぁ・・・。

おとーーーん、おいしいよお~~~♪
でも、なんでもう2~3種作らなかったのよおっ、もっと私おとんのお茶飲みたいよーーーっっ。

『もちろんその予定だったよ、あと数日は作るつもりだった、当然作りたかったさ。
でも工人が見つからなかったんだ、日当要求も高すぎる。コストがかかりすぎるから考えてやめた、
今春は昨秋みたいな特別好い原料なわけじゃないし、それで作ったら愛子に悪いと思ったんだ。
それに伝統茶飲みたい人が見つかるどころか、今春の茶葉市場が突然おかしなことになっていて、、、。』

そうだよね・・・。
自分だって来られなかったんだし、今春こんなお茶が一種飲めただけでも、なんか涙あふれてくる。
ほんと嬉しい、ありがとう、おとん。

すってけてん

生態茶園の入り口から家を眺めたところ。もうぜーーんぶ、きれいに剪定済み。
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生態茶の樹たちも、このとーり!すってけてん。。。ぁぁ、やっぱり間に合わなかった。
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おー☆ おじいの苗が剪定されていないじゃん♪おとん、樹下は摘まないで取っておく、って言っていた!
RIMG0040 行ってみようっ♪

うわーん・・・だめだ、もう「老掉」了・・・。収穫期を過ぎて硬くなっている、これは摘んでも茶葉にはならない。
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RIMG0046 ぅぅぅ・・・おじい~~~っっっ・・・うわーん。

この様子だと、最後のチャンスの「あそこ」も、「老掉」の可能性大・・・本当に今春はもう作れないかも・・・。
そんなぁぁぁーーーー。

すってけてん。。。茶葉がなーーーいッッッ。
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おとんがまた何か出してきた。

あら、おとんの嫌いな(私は大好きな)みかんだ♪ どうしたの?いただきもの?
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ありゃ、2種類混ざっている。早速お味見。

うわーーーんッッ、どっちもおいしくないヨオオーーーッッッ。イヤアーーー。

命をつなぐ

おかんの声だ。ごはんだ!

はーい。。。ごっはん~、ごっはん~。。。きゃあーー、おいしそーー♪

鶏さん、ありがとう、あなたの命、私につなげます。
命、いただきます。
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血、金柑、肝臓、心臓、脾臓、砂肝、腿、胸、脚、脳、首、冠、、、ぜーんぶ、いっただっきまーーすっ♪ 

昨秋私がいた頃に収穫したサツマイモ、3種。            オレンジ芋。
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これは野生の野菜。おとんが山から採ってきて畑に植えた。 紫芋&黄芋。
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おかんが何か掘ってきた。百合根だ♪ ん・・・だめだ・・・匂いがもう。残念、中が傷んでいる。
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『あーダメダメ、それは食べられない、腐っている、毒がある。死んだものは絶対に食べたらダメ。』 byおとん  

おとん愛子会議

お茶も作りたいが、今回はそれ以外に優先すべきことが、ある。

ゆっくり寝た、本当にすっきりした、おとんもすっきりした様子。
なので、早速ふたりミーティング開始。

議題は、伝統鉄観音の今とこれから。
伝統鉄観音を作り続けるためにどうしたらよいのか。
はっきり言うと、現在、もう作れなくなっている、作っても飲んでくれる人がいない。(※少ない、の意)
伝承の鉄観音を、おとんと私が作り続けるために、今何が必要か、今優先してすべきことはなにか。
現在大きな問題になっていること、今後確実視されるさらに大きくなっていく問題点、他の懸念事項、
そういった状況の中で細々とでいいから毎年継続するためにはいったいどうしたらよいのか、なにか方法はないか、自分たちに何ができるか、等々。

その前に、突然やってきた今春の卸市場の異常さについて。
・・・この春、安渓鉄観音の卸市場は本当に異常事態になっている・・・。

さて、ミーティングティーは昨秋のうぇいうぇいの空調茶。おかんが持ってきてくれたお菓子、中身は・・・ウーン。
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だって、今春は茶葉がないんだもん。
おとんが作った1種は、山の下の製茶所の、一番安全な場所に保管してある。
今となってはその1種、本当に貴重な茶葉となった。
なので、この家には他に飲む茶葉がないのよ~。

『そうだ!』と言って、おとんが部屋から何か出してきた。

すご~~い立派な手提げ箱!磁石内蔵の蓋付きボックスだよ。
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中身これだけ。。。あはは。            あれ☆ おいしい♪
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これ、どっちも野生種だ!おとんが山から採ってきて作るのと同じ!
どっちも野生系金柑、小さいの&大きいの。香りが強い、個性強い、これ好きー♪
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へええーーー、原料が金柑と塩を砂糖だけだ、いまどき珍しい~~。

おかんが外で鶏の処理してくれている、手間かかるんだよなぁ、ありがとうおかん。
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まだまだミーティングは続く。

今春は老掉が早い

もう時期は終わっている。

お茶は作れない。けど、つい習慣で確認してしまう。
RIMG0020 はぁ・・・お茶作りたい。
今日の気候はちょっと不向きだけど。

製茶のチャンスは一回分ある?
あーーー♪茶樹の調整しておいてくれたんだ、ありがとうおとん。
え、でも一回だけ?老茶樹もだめ?生態茶も?
とっくに「老掉(茶葉になる収穫時期を過ぎて硬い葉になってしまった状態)」?ぅぅ・・・。
もしもそこもすでに「老」になっていたら、もうアウトだ、今春私は一回も作れない。
ああ、どうか。。。どうか。。。

今春の茶樹の生長は、例年に比べて早い。
始まったと思ったら、途中で雨が降って、晴れたと思ったら、あっという間に「老掉」。
例年なら、この時期でも、高山にまだいくつか製茶する茶樹が残っている。
昨年も一昨年も、6月初め(陽暦)まで作っていた。
なのに今春は、もうどこにも原料(収穫できる状態)が残っていない。
いつも最後に摘む生態茶、せめてそれだけでも期待していたのだが、とっくに収穫時期は過ぎ、すでに剪定済み。
老茶樹も同じく、とっくに「老掉」で、剪定済み。

原因はいくつか考えられるが、閏年であることと、春節以降の気候が大きく関係している。
雨の期間が非常に長く、晴れがほとんど無かった、約4ヶ月間。

今年、おとんの家でも多くの茶樹が摘まれずに収穫時期を過ぎて硬くなり、茶葉になることなく剪定された。
しかし、その原因は気候以外のことなのだが、そのことでおとんが街に下りていたのだが。。。この話はまた改めて。

あー、作りたい、作りたい、お茶作りたい。
この家にいるのにお茶作れないなんて、あー、なんか変な感じだよ。。。うろうろ。
明日、雨が上がったら、あそこまで登って見てみよう。。。どうか。。。どうか。。。

命をもらう

あー、よく寝た。きれいに生き返った感じ。山、自然、ありがとう♪

おとんもゆっくり起きた、街で『毒気』に当たって相当疲れたらしい・・・。
夕べとは表情が違う!おとんも生き返った!!(笑笑)よかったー♪

おとんが2週間安渓に行っていたから、その間この山の家にはだれもいなかった。
鶏たちも山の下の製茶所に預けていたので、山の家には一羽もいない。
なので、おかんが一羽持って山を登ってきた。わーい、地鶏だ地鶏だ、おかんありがとー♪
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あれ、黒鶏じゃないや・・・って、こらッ、私!おとんのお蔭ですっかり贅沢になっちゃってる・・・はは。
この地鶏だって高級種なんだよ。
しかし、おとんの家で殺鶏するたびに、日本では生まれたときから意識せずに食べてきた肉類、
本当はこうやって命をもらっているんだよなあ、そうやって私は生きているんだよなあ、と実感する。

本日は閏4月7日

今年は4月が2回ある。

今年は農暦の閏年、今年は春節が早かった、4月が閏月。
陽暦5月20日に農暦の4月が終わり、21日から2回目の4月が始まった。
ということで、本日5月27日は、農暦では閏4月7日。

安渓で市場の様子を見に来ていたおとんと落ち合い、山に向かった。
途中標高600メートルあたり、行けども行けども真っ白な霧の世界。
900メートルを超えおとんの山が近づく頃に、霧は切れて今度は雨の世界。
山の下の製茶所でしばし雨宿りし小降りになるのを待ってから、山の上の家まで荷物担いで雨の中の登山。
家に着いたら本降り。


お知らせしたいこと、いろいろ。
ほたかげさん非常感謝、kimiいつもありがとう。
お蔭さまで昨日までに《12碧の宝茶箱》用の5g小分け包装まで終了できた。
今年頑張っているでしょ!
本当は、今日出発するまでに今春の東山おとんの碧螺春の募集記事、書きたかった、書く予定だった、けど無理だった。
ここ鉄観音の山で書いて、ここから碧螺春のご紹介&募集しよう!(笑笑)
でもとにかく眠い眠い、毎度。まず寝ます。

そういえば、ここにいると何かスポットに入ったような感覚になる。
さっき外のいつもの場所で顔と足洗っているとき、たぶんしばらく意識なかった。
すぐ目の前には植物たち、流れる山泉水、おとんの家の蛙たちの声、雨、土、山の大気の香り。。。
皮膚が呼吸している、体中の細胞で呼吸しているような感覚。
気持ち好い。
そうだ、この家ではまるで存在が消えたように眠れるの。
不思議なんだけど、すこんと消えて無になって、生まれたようにすっと目が覚める。

雨。明日は茶摘みできない。もう茶葉ないけど。どちらにしても寝られる。やった、寝る寝るー☆
では消えます(笑笑)、また明日。晩安~☆

ただいま山の家♪

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パエリアだって!サフランの香り~。今回のご飯、好い感じ♪
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安渓でおとんと落ち合い、山へ向かう。

今春、安渓全体、茶葉市場、ちょっと異常な事態になっている。
おとん、調査のために2週間ほど安渓にいた。
おとんは、茶葉は1日しか作っていない、シーズン前に相談して、私が来なくても3日ほどは作る予定だったのに。
うぇいうぇいは、シーズン途中で製茶をやめた。
詳しくは、また。

数時間後、山の下の製茶所、到着。雨が少やむまで、ここでご飯食べながら待機。
茎を取り除く作業中。そのうち、安渓ではどこでも当たり前のこんな光景も、見られなくなるかもしれない。
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小鳳が作ってくれたご飯、久しぶり♪   おお、豪快、丸ごと!
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『これは味が出ていない、うちの土鍋で作ったほうがおいしい。』byおとん 

苦竹。これおいしい、肉が柔らかい、『少し苦い』byおとん   &鶏血のにんにく炒め。
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豚の足。うわん♪ぷるぷる&香~♪豚肉もまた値上がりしている。 香陽瓜、もう出たの?
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                          『ちー、この香陽瓜、炒めすぎだ』byおとん(・・・おとぉーん)

じんじん&でぃでぃペア(小絹の弟達)。
RIMG2508 あー、もー、大変大変。(笑笑)

横で茎取りしているうぇいうぇいの茶葉から、一杯もらって、食後の鉄観音、春の新茶♪
薄ーっっっ、なんじゃこりゃ、これ途中の工程省きまくりじゃん、ぜんぜん味出てない。
こらーッ、うぇいうぇい、何やってるだッ!!!え、これが市場の要求???マジ?世も末だ・・・。
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おとんの原料が・・・、天然の紅芽の2代目が・・・、なんてもったいないことに・・・。
ため息つく私の横で、子供達が珍しく静か、何かを夢中で見ている。
え、もしかしておとんの数々の賞状に見入っているわけ?いやいや、そんなわけない。
ネットから無料でダウンロードした動画?テレビに映しているから?これが大好き?なるほど。。。
『これネットで流している人、めちゃくちゃ儲かっているんだって。』byうぇいうぇい
へえ~~、中国の子供多いからねぇ。。。って、これ日本のじゃーーーーん!!!
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RIMG2514 うわぁ・・・どっかで見たことあるような・・・。

雨が少し小降りになった、行こう、夜の山の登山。

到着。おとんの山の家、ただいまただいま~♪
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行ってきますっ!

えー、毎度おなじみ(笑笑)。。。突然ですが、行って参りまーすっ♪
3日前にチケット取りました。はぁぁ、やっとここに漕ぎ着けた、という感じ。

製茶にはもう遅いんだけど、、、。
でも、それは昨秋から覚悟していたことで、この先コスト的に製茶が困難極まるだろうことは。
でも、もしかしたら研究茶がいくつか、できる、、、かな、できるといいな。
そのために成長遅い樹を少し残してもらっているんだけど、でも今年閏月入っているからなあ、
成長早くてやっぱりもう茶葉にするのは無理かも、、、うーん、1回でもできるといいなあーーーっっっ。

しかし、今回は作るためではなく、この先少しでも作り続けるため、に、行ってきます。
本物の伝統茶、飲んでくれる人を探さなければならない。
市場からも現場からも無くなってしまった伝承の伝統茶、飲んでくれる人を探さなければ、この先作れない。
そのためにどうすればいいのか、私に何ができるのか。
飲んでくれる人はどこにいるんだろう、こういう茶葉に興味を持っている人は絶対にいるはず。
そういう人たちとどこで繋がれるんだろう。
信頼できる各方面の人たちと相談してきます。

それから、炭焙の研究ーーーーっっっ♪
こんな日が来るとわかっていた、だからここまで必死で作ってきた茶葉がある。
作れないときは、そうだよ、これまで作ってきたビンテージ茶、老茶の炭焙のチャンスと心得る☆

搭乗の時間です、夜またおとんの山の家から!

 

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