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2007年03月

夜は深けていく

お腹がいっぱい。夜はちょっと肌寒いくらい涼しいなあ。

船おじちゃん、自分の部屋に電源があってパソコンが使えるからって部屋を譲ってくれた。
歌おばちゃん、こんなに忙しいのにわざわざベッドに新しいシーツと布団カバーを変えてくれた。
愛子曰く『私ひとりのときとは待遇が違う~!(笑)』

みんなやさしいなあ。明日もお手伝い頑張らなくちゃ。
「お手伝い」が逆に「足手惑い」にならないように。

 私たちの部屋から。
普段ならもう静まっている頃だろうな。

 
今年は炒茶の明り以外に機械の音があちこちから聞こえてくる。

 後片付け。夜も大量。
茶摘み娘たちはお休みモードに入っている(顔と足を洗っている)。

 おじちゃんは再びお仕事モード。

 アブラムシ発見。
ここまで暑くなると虫が出るのも自然か。

 
おじちゃんと愛子、機械で炒った茶葉をチェック。

 左:愛子の手。右:私の手。
左:青鍋終了    右:回鍋終了

 夜が深けていく。
まだまだ炒茶待機中の鮮葉がたくさん。今夜は何時に眠れるんだろう? [女尼]

これなに?

 私たちもご飯♪

 
なに? 貝?の酒付け?名前忘れちゃった。        食べたらこんな感じ。

[女尼]

お疲れ様

先に帰ってきたおばちゃんと私たちがご飯の支度を終えた頃、
茶摘み娘たちが帰ってきた。

 早朝からお疲れ様です。

 みんなおいしそうに食べている。
愛子が言うには、こんなにいろいろなおかずを用意する農家さんは多くはないんだって。

おじちゃん、おばちゃん、やさしいからな。 [女尼]

暇?

  午後第1便

 ほう~♪

 凍死影響がまだ残っている。

 愛子、炒茶の出番なし?
あ~あ、鍋が物置に。お茶でも飲もうかな。  [女尼]

回家了。

 愛子はもうすっかり慣れてるな。

うう、ちゃんと立って摘みたいけれど、寒くて茶樹の中から出たくない。


鮮葉が集まったところで愛子と先にお家に届けに帰る。
私が鼻水とくしゃみしていたからおばちゃんが気を使ってくれたんだ。ありがとう。
これ以上だと本当に風邪引きそうだから助かった。

 私が茶葉を持つと、こけてバサッて茶葉をばら撒いて
収穫が台無し、みんなの汗もパーになってしまうといけないから、とおばちゃんと愛子が
全部持っていった。

   まってー。 [女尼]

冷えてきた

なんかさっきまで気持ちいいと思っていたら風がだんだん冷たく感じてきた。
うう。ずっと風にあたっているから寒い。
しかもたっぷり汗かいてまだ乾いていないから余計に寒いなあ。


愛子に言われていたのに。
おばちゃんの家で暑くても山では全然違うとブログにも書いてあるのに。
今日は暑いから上着をおばちゃんの家に置いてきちゃった。
こんなに違うとは思わなかった。どうしよう。

愛『どっちかを選ぶなら「持ってくればよかった」より「持ってこなくてもよかった」でしょ?
暑ければ脱げばいいけれど、寒くて着るものがないのが最悪。
山で寒いと感じたときにはもう遅い。
あー私も半袖一枚じゃちょっと涼しいかも。もうすぐ帰るからいいけど、
やっぱり「持ってくればよかった」だね。(笑)』

鼻水が止まらなくなってきた、、、まさか、4年前のときと同じ??
それだけは勘弁してーー。

愛『ここは風が強いからそっちの茶樹の中にしゃがんで摘んで。少しは楽になるから。』

「はい、うう。さむっ。でも樹の中だと直接風が当たらないからだいぶいい。」

愛『風邪薬持ってきてるから後で飲んでおいて。』

はい、ありがとう。これから気をつけます。 [女尼]

茶摘みに入ります。

 愛子がおばちゃんの籠から取ってきた本日の標準。
うん、これくらいの長さね。わかった。 さあ、頑張ろう。

 早速どこかの世界へ行ってしまう人。
大声で呼んだらやっと振り向いた。

 気温が上がっているから?一斉に発芽。
  きれーい。
これでは10人も間に合わないかもしれない。

暑いけど風があって気持ちいい~♪ 
ここはよく覚えている。03年初めて大陸に来たときに来た茶畑だ。忘れやしない。
なぜなら「洗礼」を受けて熱を出して途中一人で踏ん張って帰って
その後熱が下がっても下痢が止まらず1週間ほどホテルで缶詰状態になったから。
あのときは本当に愛子にお世話になりました。そして迷惑もかけました。すみませんでした。
これからもここに来るたびに思い出しては苦笑いするだろうな。

あれ?愛子はどこ? 「愛子ーーーーー!」

 いたいた。 [女尼]

野外授業その1

着いたと思ったら、愛子『ふいみんちょっと来て来てーーー。』と野外授業開始?

 愛『あっちが梅家塢だよ。
それからあそこの峰がね・・・(中略)・・・梅家塢の高山に登って摘んだところだよ。』

うんうん、風が強いなぁ。

 愛『で、そこからずっとあっちに登ると・・・(略)』 

ここまで登ると強風。先生、帽子飛んでますよ。
 愛『こっちは今日は霞んでいて見えないけど、
あの辺が龍井村ね・・・(中略)・・・ あっちがほら、あの御茶樹があるところ。(中略)
それから、あそこからもあの山に行けなくはないんだけど・・・(略)』

ここだと確かに見晴らしがよくてわかりやすい。霞んでいて山々はシルエットしか
見えなくて残念。水分量が高いからなんだって。気候が変わるだろう、と愛子。

それにしても風が、わっ、先生!髪もぼさぼさですよ。 って、全然気づいてないみたい。
愛子、強風の中で話し続けている。

熱血先生!ありがとうございました!
今日はこの辺の地理や位置関係についての説明でした。
もう頭の中に地図が入ってるんですね。さすが私の先生。(笑)

愛『ふいみーん、茶摘みに行くよー』 「はーい!」[女尼]

いよいよ

茶摘みだー、出発!

 さて、今日はどこへ行くのかな?

 
新開発の茶苗畑

 ここまで来た。でもまだまだ登りまーす。汗だく~。
今日は暑い。おばちゃん途中上着を脱いだ。

 まだ登ります。道は譲り合いましょう。
おばあちゃん『通れる?』
愛『はい、どうぞ~。』 [女尼]

愛子、頑張ってます!

炒茶じゃなくて、家事のお手伝い。

茶摘み娘たちは食後すぐに出発したけれど、
おばちゃんと愛子は後片付けと夕飯の準備をしてからみんなと合流。

 食後20人分の食器洗い。
愛子が洗ってるのは、タライではなくて、炊飯器の中の釜なの。

今日は本当に暑ーい。30度超えてるんだって!愛子は皿洗いでもう汗ダラダラ。

   その間、おばちゃん何かを始めた。

 おば『夕飯用の野菜の下ごしらえを手伝って』
愛『はーい♪』

 外で野菜の皮を剥いたり洗ったりしたあと、キッチンで切る。

 このぷにぷに、なに?初めて見た。ねえ愛子教えて。

 山盛りの野菜を切り終えた愛子。おじちゃんの出来立てのお茶で一休み。
お疲れ様。
 さっきの火鉢?に鍋が。おばちゃん、これを仕込んでいたのか。
豚のばら肉と油揚げ。いいにおい、おいしそう♪

  
さらに味を仕込みませるために別の鍋へ。
こりゃ夕飯楽しみやな~♪

 おばちゃん、次は大急ぎで米をとぐ。これ何合入ってるのだろう?
あの大きい炊飯器にセットし、これで夕飯の下準備は完了。次は、茶摘みだ!

私たちも準備しなくっちゃ!急げ! [女尼]

お昼ごはん♪

 茶摘み娘のみなさん、食欲旺盛です。

 私たちも♪
普段あまりたくさん食べられないのにおじちゃんのところとか、おとんのところだとご飯をお代わりするくらい食べられる。不思議。 でも食べるのが遅いから忙しいのに周りに待ってもらったりして申し訳なく思っています。すみません。

ちなみに愛子は私の倍の速さで1.5倍くらい食べています(そりゃ違う人間だから必要とするエネルギーが違って当然)。  [女尼]

みんなが帰ってきた

 お昼、茶摘み娘たちが帰ってきた。
今年10人もいるの?

 早速愛子チェッーーク。

 うわ~♪きれい!おいしそう。

 んん?
なんか茶摘み娘が多いとばらつきが出やすくなるのかな?
人数が多くなるとさすがにおばちゃんもチェックしきれないかもしれないな。 [女尼]

ごしごし

ご飯の準備が終わったら次はお洗濯か。忙しー。

 
こうして石の洗濯台の上で石鹸をつけてごしごしするのか。ふむふむ。覚えた。

おばちゃんの家には洗濯機があるけれど、茶畑で茶摘みをすると服はすぐに真っ黒になるので、 汚れがひどいものはまず下洗いをしてから洗濯機に入れるんだって。おばちゃん、茶摘み用のデニムのズボンを特に念入りにごしごししていた。

 これは洗濯用。また大きいー!

『なんかテレビのコントとかに出てくるやつみたいー。』愛子大爆笑。
「ほんとー、上から落ちてがちゃーんぼわわわ~~んのあれね、きゃはは♪」  [女尼]

昼ご飯準備

茶摘み娘たちが帰ってくるまでにおばちゃんのご飯準備のお手伝い。

 
愛子、つまみ食いしてる。   冷凍の塩付けの菜の花だって。硬そう。

『それ、食堂に持っていって。』おばちゃん、テキパキ料理しながら指示を出す。

愛『次は?』
おば『キュウリを剥いて切って砂糖を入れて混ぜて。』
    

愛『はい、次は?』
おば『鴨の卵を炊飯器から取って水で冷ましといて』
 わっ!こんな大きな炊飯器。見たことがない。
二層になっていて、おかずなども同時に蒸したり温められたりできるようになっている。

  
炊飯器の中から、鴨卵の塩付けを蒸したのが出てきた。冷めたら半分に切る。

 これで準備OK。家族の分も含めなんと20人分!すごーい。

おばちゃん、春茶季節中毎日茶摘に買い物に食事作りに大変だな。[女尼]

来た、龍井だ♪

昨日は高速の渋滞がひどかったけど無事愛子と合流。やっと来られた。

今日は朝から2年ぶりに歌おじちゃんのところへ。楽しみ!

なんか朝から暑いぞ?前のブログの「ただいまの服装」を見て急いで厚手の下着を用意したのに。
なんだ。半袖で十分じゃん。

『おう、愛子~。ふいみん連れて来たかー。お茶お茶ー。』

おじちゃん茶庫に入っていった。小さな袋を持って出てきた。
『愛子だからなー、こっちは出せないよなー、やっぱりこっちだよなー。だろ!へっへ。』

こっち?こっち?なんだなんだ?おじちゃんも愛子もうれしそう。
 ウェルカムティー、いっただきまーす。
ズズズ、、、ふう~おいしっ♪

なんだろう?老蓬?43号?機器炒?手炒?いつの?
ぜんっぜんわかんないよぉ、うう。

歌おじちゃんは、2年前とちっとも変わっていない。
変わっているのは、やたらと音がうるさい? 炒茶機の音か。

 
おじちゃんの家にも機械があるなんて。
話は愛子から聞いていたけれど、やっぱりびっくり。

「機械で炒茶するときも油を使うの?」

『もちろん使うよ。これだよ。』
どれどれ?なんか洗剤みたい。どうやって使うんだろ?ほー、よく熱した機械に入れたら一瞬で溶けるんだ。 もっとゆっくりじわ~ってなるんかと思った。何の油だろう?愛子に聞いてみよう。

あ、愛子はもうおじちゃんの回鍋に釘付け。

あのウェルカムティー、愛子が『すごいよーこれ!ふいみん写真写真!』と興奮していたわけをあとで教えてもらった。
なんと28日摘みのおじちゃんの全手工の老蓬(愛子が注文したもの)だった。おいしーってボケーッと飲んでいた。
しまった、もっと香気や滋味をよく覚えておくんだった。[女尼]

龍井入っています!

翁家山の歌おじちゃん&おばちゃんの家でーす♪
昨夜遅くに着きました。。。おとぉ~ん、ふいみん連れて帰るから待っててねぇ~。

ネット回線昨夜はなし、ただいまちょっと借りています。
画像送信できない。この文章も送れるか?

今日の最高気温、30.6度。夏日。
一斉に発芽している。忙しい。

お気に入りの4箇所、第一蓬、第二蓬、すでに終了。キーーープ!! る~ん♪

歌おじちゃん、今春全手工で作った龍井茶は、私のキープ分のみ!
大変だあーーー。今や全手工の龍井は幻になってしまった・・・。


私のキープ分以外、他は全て機械で青鍋。
機械炒りはおじちゃんの家のみならず、他の家も同じ。
全手工の需要が全くない。機械の方が見栄えがきれいに仕上がるから。
全手工の龍井を選ぶ人が市場にいない。龍井茶の全手工全く売れない。
他の家も全て機械で炒っている。その方が人間も楽だ。一石二鳥。
一家、二家、まだ機械がない農家がある、まだ機械を買う資金がないから。

本当だった・・・。
おじちゃん&おばちゃんの話は本当だった・・・。
昨春の私のいやな予感が的中してしまった・・・。
あぁぁぁ・・・龍井が、龍井が、大きく変わっていく・・・。

今の私に機械炒りの龍井は興味なし。新品種興味なし。
機械炒りも新品種も、この先いつだって飲むことは可能だ。
現在でも、飲みたければいつでも飲める、どこでだって手に入る。

私は全手工の老品種の龍井が好きだあーーー♪
香気が違う! 味わいが違う!! 

手作りの龍井が機械炒りの龍井より外形の美しさに負けても、
東山のおとんの言葉を借りるなら、それが本来の龍井の『自然美』だ。
歌おじちゃん曰く、『龍井は伝統工芸品。手工でなければいけない。こんなのは本当はおかしい。』
でも、売れないものは仕方ないから機械で炒るしかない。

機械炒りが常識となった現在、伝統ある全手工の好い技術がある炒茶師は、
今の代が最後になってしまうのだろうか・・・。


国家標準、名優緑茶のひとつである龍井茶。
その概念は、原産地の厳選された好い原料+伝統の精巧な手工技術。
このふたつが揃うことが大前提。


小[女尼]子が着きます!
山を降ります。杭州まで迎えに行ってきまーーーす♪

炒茶の手、出番なし・・・。

機械鍋の中をずーっと見てたら目が回ってきた。
ので、品茶ターイム♪(笑笑)

さっき品茶していた老蓬の初釜、どう変化したかなー!
 左:手工 右:機械
更にはっきり香気と滋味の違いがでてきた。

おおー、そうだ! 
ここに最近の終わりの方の新蓬を加えてみよ、っと。
発芽の遅い小さめ茶葉を選べば、多分見た目は変わらないはず。。。ひひ。
左:老蓬手工 中:老蓬機械 右:新蓬
初摘み老蓬vsほぼ終わりの新蓬

新蓬は、当然機械。
遠くからぱっと見ると、大きさは大して変わらないように見える。

機械同士の条件で。
 左:老蓬初釜 右:新蓬終わりの方
新蓬、終わりの方でも美しいなぁ・・・。

だがよく見れば、そして品茶してみれば、はっきり違いがわかる。
その差は大きく明確だ。完全に違~う。

おじちゃんが呼んでいる。
「はーい、来了~。」

機械炒り、手伝いますっ!
 一鍋あがり~。どんどん行くよ!
 どおどお!? 上手でしょー♪
でも、出番がなくてさみしいなぁ・・・手が。ははは。

茶摘娘たちが帰ってきた。おかえりなさーい! 

本日最後の鮮葉も届いたぞーーー♪
 新蓬 本日の標準
 大きい芽がいっぱい混ざっている。
理想の大きさの時に茶摘みが間に合わなかったの・・・。

機械炒りがひと段落ついたら、おじちゃんと一緒にごはん♪
  白酒飲め? 
いらないっ! 飲まないっ!

付き合え? わかった。じゃあ、ビールをちょっとだけ。
 一本だけね・・・。

食後。
 約20人分の食器を洗って。
片付け終わりました!

杭州まで出ます。
小[女尼]子が大陸に着いたの。わーーーい、合流だ!! 
ちょっと迎えに行ってくるねー♪

機械炒のお手伝い

大漁だあーーー♪(笑笑)
 ばさ~。
                           摘みたて。好香!

このままでは水分が高くて炒茶できないので、涼干します。
 地点ごとに分けて涼干。


上ふたつは第4蓬。
でもこのふたつの地点のは私はいらない。おじちゃんも勧めない。

下は第3蓬。
第5の候補地点。畑B(とサイトでは紹介してきた地点)と環境が似ている。
この第5候補地点も好い品質で、気候によっては他のお気に入りの4つの地点を抜くこともある。
ので、おじちゃん&おばちゃんと私でチェックチェーック!
好ー♪ けど、今年はいらないね。
他の4箇所の方が今年も総合的に優っている。うんうん、と3人でうなずく。

ということで、機械くん、GO~!
 
おおーーーっ、早い早~い。    ぱちぱちぱち~♪

おじちゃんとふたり、機械の鍋の中の茶葉を見続ける。
茶葉の様子が変化するごとに操作の変化も加えていく。

機械使うのも炒茶の技術が必要です。炒茶できなきゃ使えない。
また、使う人によってまったく仕上がりが違ってくる。
おじちゃん。。。うまい。。。一瞬手工かと見間違えるくらいだよ。。ひひひ。

その後。
 
おじちゃん鍋、回鍋進む。         愛子鍋、本日も物置・・・はぁ~。

私は機械くんのお手伝い? はい、がんばりまぁ~す。

老蓬初釜!

でたーーーっ、老蓬の初釜!!

オーダー茶葉なのでもちろん全手工よ。きゃ~~~もちろん飲む~♪
 おじちゃん、相変わらず丁寧!
性格がでるなぁ~♪
 
その茶葉の地点やその日の気温・天気などのメモも、茶葉と一緒にしてくれている。
これは最初の頃から始まったふたりの間での約束ごと。
それから毎年毎年、おじちゃんは電話連絡と同時に記録もメモも忘れずにしてくれている。

予約しているお気に入り地点の中で、今年最初にきた地点の一番摘み。
それが、この今年の老蓬の初釜茶葉!

今年は2箇所が同日に初摘み初釜タイミングがきた。
午前と午後。
午前に摘んだほうが好い芽は、午前に摘んだ。
午後に摘んだようが好い芽は、午後に摘んだ。
これは、その地点の環境やその日の気候や茶芽の様子等を見て、おばちゃんが判断する。

でたあーーー!!
 うっひーーー。うっつくしぃ~♪
いやいや。おじちゃん、やるなーーーっ!
これ見ただけでバリバリ気合感じるよ。非常感謝♪

ところで、横においてある筒の中身はなんでしょ~?
へっへっへぇ~。この中には、同じ原料の機械炒りが入っているのでーす!
言うの忘れていたんだけど、言わなくても比較用の機械炒りも取っておいてくれた。
付き合い長いだけあってわかってるぅ~。一本取られたな・・・へへ。

私の希望は、原料条件と技術条件が揃うこと。
おじちゃんは、摘まれた鮮葉を見てその状態を確認してから最終判断してくれる。
いくらお気に入りの好い地点であっても、気候などの影響で予想に反することもあるから。

技術条件は、まず全ての工程が伝統法の好い手炒であること。

今年は気候の影響で、この初摘みの収穫量が例年より多かった。
電話で聞いたその全部は必要ないので、伝えた希望分だけ先に選別して手炒してくれて、
後は機械で炒茶。
全部は買えないよぉ・・・老蓬の初釜だよーーー!! 
オーダーした中で一番高価な茶葉。予算というものがある。あっはっは~。

 左:手工 右:機械

おじちゃんも横で興味深深。最初から一緒に観察。

 → 
え?                           ええーーー?
 
 →  
うっわぁ。。。                       そして一時間後:おおお。

違う・・・。違う違う。 うわ、違う。
ええーーー、予想はしていたけれど、ここまで違うの?!?!

お湯を差してすぐに違いは出た。
すぐに、おじちゃんとおばちゃんは早口の杭州語で話しだした。
私は、どこが違うかその原因はなにか、なんてことをひとりでしゃべり出した。

おじ『ひゃー。愛子! 杭州語わかるのか?』
愛 「わかるわけないじゃん。なんで?」
おば『今同じことをおじちゃんが言った。』
愛 「ほんと?あはは、当たってた?嬉しいな~♪」
おじ『だから愛子には嘘つけないよ。ひゃひゃっひゃー。』
愛 『炒茶する人間ならきっと誰でもわかるってば~。』

観察&品茶、続ける。

おじ『味はどお?どっちが好き?』
愛 「手炒。 来年以降もよろしくね。ひっひっひ。」
  『やだよ。もう来年からは頼まれてもやらな~い!』
  「ほんとに?」
  『もう俺は定年だー、退職だー!』
  「それ毎年言ってるじゃん。あはは。」

  『愛子、内質ではどこが違うかあとで紙に書いてくれる?』
  「いいよ。そしたら来年も手炒してくれる?ふっふっふ。」

やっぱり手工が好きっ!
 一時間経つとその違いは更にはっきりした。
しかーーーし。どちらもうまい。あはは♪

もお~~~それは間違いないねっ! 
比べるには原料が好すぎるよーーー。
機械もあっぱれ、新しい機械だしね。見事なものです、ちょっと見直した♪(笑笑)

夕食の準備が始まりました。
 お手伝い開始!
と思ったら、鮮葉が届いた?

おば『見ておいで。』
 「うん!すぐ戻るねーーー。」 

青鍋機登場

先ほどの老蓬の第三蓬、炒茶にはいりまーす♪

昨日も本日も気温が真夏日のように高いので鮮葉の内水分も低め、
また第三蓬の老蓬なので今の新蓬みたいに大きくはない、
ので涼干に時間はかからない。

この地点の茶葉は私はキープしません。
同じ「老蓬の第三蓬」という条件でも、地点によって原料の質が大きく違うんだも~ん。

じゃじゃーん!
 青鍋機登場~♪

手工予約者がいないので(笑笑)、全部機械で炒る。

 →  
                                    青鍋終了。

きれいにまっすぐ揃っている。すごーい。ぱちぱちぱち♪
ここまでお膳立てしてくれるなら、こりゃ確かに回鍋がしやすくて楽だわっ!
人間が手工で炒ったら、こうはならないよ・・・。
 
青鍋終了した茶葉がある程度増えたら、おじちゃんが回鍋していく。
回鍋は手工炒。
回鍋の機械も存在するけれど、まだ技術的に『使えない』そうだ。
 → 
                                    回鍋終了。
おおーーー。さすがおじちゃん!! 美しい仕上がり~♪

さあ、飲もう飲もう! だって手が暇なんだもん・・・。ははは。

『愛子、これ飲まないであっち飲んでみろ。今出してやるから。これが済むまでちょっと待ってろ。』
「後でいいよ。。。今いいの?大丈夫? やったあーーー♪」

朝から龍井~♪

翁家山の歌おじちゃん&おばちゃんの家でーす♪
 

朝から龍井~♪ それしかないもんね、ここには。当たり前。あはは!
 香~♪

おじちゃんが回鍋している鍋の中から抜き取ってきた。
炒り中ほこほこ。好香~!

これは、時期最後の方の新蓬=龍井43号。
当然、青鍋は機械炒り。

一般的に、市場に出すのは大部分がこの改良品種の龍井43号。
収穫時期の長いこの龍井43号でも、ここにきてほとんど終了。
おじちゃんの家では明日から順番に剪定が始まる。
まだ清明節まで一週間ほどあるので、これも明前茶といえばばっちり明前茶だが・・・。
龍井43号とはそういう品種。

『外形ひどくても味がなくてもいいから、事務所用のとにかく非常に安い茶葉が欲しい』
という知り合い用に、剪定直前の43号の茶樹を摘んで製茶。
すでに葉は大きく芽も少ないが、龍井の加工をすれば形は龍井になる。
しかし龍井43号の好い香気や滋味はもうほとんどない。でも飲めないわけではない。
炒りたての茶葉の香りはどんな茶種のどんな等級でも格別に素晴らしい。

龍井43号は歌おじちゃんの畑では3月12日に一番摘みが始まった。
気温が20度を超えたのだ。しかしその直後に気温は氷点下まで下がり、
多くの新蓬の第一蓬が凍死した。
すでに始まって20日くらい?  
老蓬に比べ、時期も長く収穫量も多い。


回鍋するおじちゃんの近くで、青鍋機がまわっている。
昨日最後に山から下りてきたこの新蓬を殺青している。
一晩置いたので涼干も済み、朝一からその炒茶に入っているのです!

「これ全部機械だよね?」
『当然だろ~。』
「おっきいしね。」
『もし新蓬が小さかったとしても、特別な予約注文がない限りもう手工で青鍋することはないよ。』
「うっそぉ~ん・・・。」

『特にこの時期の新蓬はな。そうだろ?機械があるのにこれを手工なんかしないよ。
これなんか機械で炒ってもそこにかかった労働力に相応する収入にもなりゃしない。
今日のこれくらいになると、機械使ってもやるのもいやになってくる。
工人代と電気代とかの必要経費払ったらあとはおじちゃんおばちゃんふたりの
3日分の米にもならないよ~。ま、知り合い用だからいいだけどな。へっへっへ。』

大きい葉の炒茶はとても難しい。そして、熱い。
比べると明前前半の頃の小さい茶葉はとても炒りやすい。
これは龍井でも碧螺春でも同じこと。

しかし暑くなってきた。。夏みたい。今日も30度越える?

こちらは、本日の朝一に山から下りてきた鮮葉、涼干に入ります。
 
老蓬の第三蓬!  香~~~♪

 左:新蓬 右:老蓬

老蓬がきたぞー。さあ、炒茶だ炒茶だー!!

歌おじ『愛子、何の準備しているんだ?』
愛   「青鍋~♪」

『今日は出番なしだ。へっへっへ。』
「うっそぉ~ん・・・。老蓬も?」
『愛子が飲みたいならその分だけ手工で炒るけど?』
「老蓬は老蓬でも、これって・・・あそこのでしょ?」
『へっへっへ。そうだ。止めとけ止めとけ。これは必要ない。』
「うん。」
『じゃ、全部機械だな。機械は上手だぞー。はっはっはー。』
「はぁ。」

それにしても、龍井飲めば龍井がうまい♪
碧螺春飲めば碧螺春がうまい♪  ああー、困った困った。(笑笑)

東山から翁家山へ

菜の花のお見送りだわ~。行ってくるね♪
 次に会うときまだ咲いているかな? 

うわあああ~~~♪ 
 
ふわぁ。。。どこまでも菜の花だ。。。

く・くさい! なんだこの匂い?
 火事だ。
あの煙とこの匂いは、農家さんだ。あいよぉ・・・。


寝た。

着いた。杭州だあーーー♪

歌おじちゃん&おばちゃんの家に行く前に、まず食べる!
疲れたぁ~。お腹空いたぁ~。

何にしようかな。旬の野菜がいっぱい出ている♪
 
 鶏脚だ。食べたいっ!

ふと、にぎやかな食堂の片隅でひとり鶏脚を食べている自分の姿を想像してみた。
山盛りの鶏脚を延々と無言で夢中でむしゃむしゃ食べ続ける女ひとり。
やばい。。。想像笑いが止まらなくなってきた。。。鶏脚はやめておこう。

しかし、ひとりご飯はさみしいなぁ・・・。

さあーーーて、っと!
龍井だ龍井だ龍井だあーーー。わ~~~い♪

敵情視察?!

ちょっとご近所さんへ! 敵情視察?(笑笑)

「こんにちはー♪」
『そっちはどお? え?今日行っちゃうの?』
「うん。またすぐ帰ってくるけどね~。」
 うん。好い茶摘だねー!
このお家のおばあちゃんは83歳。
ひと芽ひと芽、ゆっくり丁寧に楝葉している。

 2家分なので茶摘娘も多い。

「おじちゃーん、また来たよ~。」
『おとんとおかん忙しいだろ?手伝わなくていいのか?』
「へへ、出張で数日留守にするから(笑笑)、今の状態をよく見ておけってさ。」
『そうかそうか~。どこまで行くんだ?』

炒茶するおじちゃんと並んで、鍋の前でおしゃべり~。
2家分なのでおとんの家より産量が多いため、また楝葉する人数も多いので、
昼間でも楝葉できたものから炒茶に入っていまーす。

このおじちゃんは、おとんと同級生。
炒茶の基本的な工程は同じだが、細かく言うとおとんとは違う。
鍋の特徴は作り手ひとりひとりにある。
 団に入っています!
できた~香~♪ 
 きれいな色~♪
やっぱり昼間は撮影しやすいなぁ~。
おとんのも昼間に撮ってあげたいなぁ~。いつも夜だものね・・・。仕方ないけど。(苦笑)

さて、おとんの茶葉との違いがわかりますか?

とか聞いといて、答えはここでは言わない。あはは!
品茶会の時とかで、ね。(笑笑)
おじちゃんだって、素晴らしい技術を持った碧螺春の作り手さんだもの♪
 出来立て。好香~♪

早速次の鍋!
 
殺青。                          カーン。

人の鍋見ると勉強になるなぁ~。

「ん???」
『どうした?』
「いや。。。あ。やっぱりそうだ! おとんの声だ。」

『愛子ーーー。』
「おとーん、ここーーー。」
『おお、そこの家か。老四が来たぞー。』
「はーい。今行くー。」

「おじちゃん、行くね。どうもありがとう♪」
『ああ、気をつけてね。」

『またおいでよ~。』byおばあちゃん


老四が東山まで一緒に荷物を持って送ってくれるために来てくれた。
東山のバス駅までは距離があります。荷物持って歩いたら1時間でも着かないかな。
老四のバイク車(画像出したことあったようななかったような。。。)でそこまで出て、
そこからまずは蘇州に向かいます。東山から蘇州までは乗ってから1時間半くらい。

「行ってきますっ!」
『お茶持ったか?気をつけてな。ほら早く行け。加油~!』byおとん
『愛子ーーー、牛乳飲んでいきなさーい、ほらほら~。』byおかん
「いいってば。。。(笑笑) じゃ、行くね。」
 
碧螺春~、ちょっと行ってくるね♪

30度超え

今夜の炒茶は手伝えないけれど、時間が許す限り茶摘を手伝うぞ、おぅ!

楊梅の花が太陽に紅く輝いている。美しい~♪
 いっぱい開花している!


おとんの苗だ。
 
                        か~わいい~♪

こっちも!              げー。なんじゃこりゃー。変な色の芽が・・・。
 
あ・・・違った・・・これ(右)は茶樹じゃないや。びっくりしたぁ~。はは。

「おとーん、来たよー、今日はどんな感じー?」
『出発の準備はできたのか?』
「うん。」
 
                           『ビスケット食べるか?』ごそごそ。

さあがんばるぞー!
 うわうわぁ、大きいのが一斉に発芽している。
初摘みの樹、第一蓬ばかり♪

「おとーーーん、これなんで摘まないのおーーー?」
『よく見てみろーーー。』
「ん?。。。あ。。。わかったあーーー!」
 
この樹は今摘まない。もう少ししたら。
この老品種は、開いたばかりの外側の葉が硬いのです。
2枚ほど開くとやわらかい芽が出てきます。
そうしたら摘みます。この樹はそういう特徴の子なの♪


今日は本当に暑い。風と木陰のある高山の果樹園の中にいても暑い。
何度まで上がるんだろう。。。風が気持ちよい。ふぅ~。

1時半。
芽はまだあるが引き上げる時間。
 帰りまーす。

みんな腹ぺこ~。

最高気温、30、6度?   
うっっっそおーー。30度越えたの? 夏じゃん! そりゃ暑いはずだわ。
 
ということは? 
茶葉の生長スピードがまた早くなる・・・。碧螺春も、龍井も。
あぁ。。。春風のように山から山へと飛べる翼が欲しい。

バトンタッチ

今日も碧螺春の朝がやってきた♪
 また暑くなりそうだ。。。

急いで家事。
 
これはおかんからのメッセージ。 んん。。。スープにしろってことかな?
きっとそうだろう! スープにしちゃえ~。ぐつぐつ~♪

 お昼準備できた。籠をかぶせて。。。出発!

といきたいところだが、今日はいつもとちょっと違う。
茶摘に行く前に、自分の身支度をする。

出発します。
今晩から翁家山の龍井に入りまーーーす!

これから製茶が忙しくなるのでちょっと心配だけど・・・。
なーんて、大丈夫大丈夫。
おとんもおかんも何十年もやってきたことだもの。私ごときの心配なんてご無用さ。はは。

碧螺春が忙しいということは、龍井も忙しい!
体はひとつしかない、どちらも同時にいることはできない。
ごめん、おとん&おかん、行ってくる。

おとん『行って来い。当然行くべきだ。心配するな。たくさん見てたくさん教わってこい。』
おかん『出張だね。加油~! で?いつ帰ってくるの?』
愛   「あはは、出張か~。一番忙しくなる清明節前には帰りたい、と思っている、けどぉ・・・。』
おとん『おお、出張だ出張だ。今決めなくて好い。茶葉のことは先がわからない。気候が関係する。
     それはどこでも同じだ。帰る日が決まったら電話すれば好い。』
愛   「うん♪」


翁家山の歌おじちゃん&おばちゃんは、連日のようにおとんの家に電話をくれる。
おとんもおかんも何度も電話を受けている。

歌おじちゃんは、気候や茶樹や産地全体の状況などを詳細に教えてくれる。
言わなくてもわかってくれている。私の要求はすでに十分理解してくれている。

これまでにもサイトで何度も書いてきたが、あちらこちらに点在している歌おじちゃん一族の
茶園の中でも、特に私がお気に入りなのは4ヶ所の地点から生まれる老蓬の龍井♪
土壌・水質・陽光等々環境がとても好く、4ヶ所それぞれに特徴があり、
4ヶ所それぞれが秀でた香りと味わいの龍井になる。素晴らしいっ!
当然、おじちゃんもおばちゃんも大切にしている地点だ。

そこの第一蓬&第2蓬の摘み日がきた当日には、朝昼晩何度も電話がきた。
『畑A、今日摘みに行くぞ、いいか今日で?わかった。鮮葉届いたらまた電話するな。』
『鮮葉がきたぞ、状態は非常に好い(中略)。。。こんな風だ。どういう茶葉に仕上げる?』
『各場所の芽の状態はおばちゃんの方が詳しい、ちょっと待ってな、代わるな。』

何度も何度も横でそのやりとりを聞いていたおとんは、その誠意と丁寧さに非常に感心していた。
そして『加油ーーー!』と自分が燃えていた。(笑笑)

明日が来る前に

ご飯を食べたら、すぐに品茶&反省会~!
 今夜は4鍋分あるからね、急ごう。
眠る時間がなくなる。
ここからは4鍋の日が多くなるだろうな。
いや、気温が上がればあっという間に5鍋になるかもしれない。

左:1 右:2                        左:3 右:4
 
『太漂亮~~~!』
ううぅ。。。感動だ♪

グラスがたりない。ま、これでいいか。
 
左から:1 2 3 4

ぎょーーー、更に濃くなっている~ん。 う・ま・い~♪
すごいなぁ、すごいなぁ、気候と同じように茶葉の味も日に日に変化しているよ~!!
本当に4鍋ともとても平均している!

しかし。
さあ、厳しい目で見ていこう。

第4鍋。やはり気になる。
カーン終了直後の途中起鍋での鍋底の高温、影響がある?
うん、ある。焦味とは呼ばない。この時期の通常の現象。
だが、他の三鍋が非常に好い濃度が平均してクリアーに出ているのに対して、
第4鍋はそこに+させているものをかすかに感じる。
第4鍋、これは一緒にしてはだめだ。メモメモ。。。っと。
おとんも横でメモしている。

これからどんどん忙しくなるだろう。
でもどんなに忙しくなっても、その夜のうちに詳細に記録する。
明日になれば明日の鍋がくる。今日よりもっと忙しくなる。
どの鍋がどうだったか間違えやすくなる。

おとんは自分のノートに、私も自分のノートに。
その日の気候から始まり毛茶の収穫量から出来上がりの味わいまでの記録を記しながら、
互いに何か忘れていないか記憶を付き合わせる。

今夜の炒茶中、柴調整をしながらおとんは特に嬉しそうだった。
『もう理解できたぞ。お前の細かい癖までわかったからな。もう安心しろ!』
って、困子鍋に嬉しそうに話しかけていたよ♪(笑笑)

炒緑色

今日は昨日より多くなった。4鍋きたーーー!!

揀葉が4分の3程進んだら、残りはおかんと茶摘娘のふたりに任せ、
おとんと私は炒茶に入る。
 愛子鍋出動ーーー。
今日は4鍋分だよ。嬉しいでしょ~♪

開始。

「あれ、昨日と違う。蒸気の上がり方も違う。水分量が違うね。」
『気候を見てみろ。気温が上がっているから当然だろ。人間だって汗のかき方が違うだろ?』
「そうか!」
 
「さ。4鍋がんばろうー。いくよっ!」
『誰に話しているんだ?』
「鍋~♪」

第一鍋終了。 

と、ここで、茶葉が見やすいように、鍋上の電球をおとんが大きいワット数に変えてくれた。

 『うほーーー♪』

『美しいーーー。見てみろーーー。』
「うわ~、よく見える! 色もきれいな緑だ~。」
『これが碧螺春の碧の色だ。うわ~!」

「よっしゃ、もっと褒めてあげなくちゃ。」
『鍋を褒めるのか?わっはっはー。』
「そりゃそうだよ。樹だって鍋だって、褒めてもらった方が嬉しいじゃん。」
『そうか?』

「果樹でも茶樹でも花でも、おとんの家にはいっぱいあるんだから実験してみたらわかるよ!」
『どうやって?』
「同じ環境にある2本に、一方は毎日毎日きれいだね~かわいいね~なんて美しいんだ~
とってもおいしいよ~、って話しかけてあげるの。もう一本には、けー、ぶっ細工な奴、お前はまずい、
どうしてそんなに出来損ないなんだー、ってさ。はは。一年経ったらきっと香りも味も違うはずだよ。」

『おお、それは道理だな。好い香りの花が咲く琵琶や蜜柑の樹の傍の茶樹は好い香りがするしな。
やっぱりその花の香りを吸っているからかな。それが茶樹に関係あると愛子は思うか?』
「私は関係すると思うよ。好い花の香りの傍にいれば、人間だって気持ちが好いじゃん。
きっと茶樹だって気持ち好いはずだよ!」

『そうだな。よし、茶葉にも鍋にももっと話しかけてあげよう。わっはっは~!』
「そうだそうしよう。あははー!」

第二鍋開始。

殺青終了。カーンに入る。
 『おおーーー、正好。今だ、軍手外せ。』

殺青用の軍手を外すために私が茶葉から手を離すと同時におとんの手が入る。
おとんの手でカーンが進んでいる。
炒茶終了するまで茶葉が鍋の中に入っている時間は、今の時期で一鍋40~45分。
その間、茶葉の動きを止めてはいけない。

カーンも重要な工程。
カーンの良し悪しが、香りと味わいに大きく影響する。
碧螺春の緑色も更に発色させてその色を安定させ、余分な茶汁を出して逆に香りと旨みを引き出す。
カーンに入ると技術とともに力も必要で、一気に汗が出てくる。

『炒緑色~、炒緑色~、炒緑色~。』
おとん、カーンしながら早速話しかけている。ふふふ。楽しそうだね~。

『ほら!茶葉がそう言っているように聞こえないか!』
「本とだ。聞こえる! 炒緑色~、炒緑色~、炒緑色~、ったら炒緑色~!』
『きっとこの鍋はうまいぞーーー。炒緑色~、炒緑色~♪』
「あはは~♪」

『交代。』
「はい!」

第二鍋終了。                    好いぞーーー!!
 
電球が明るくなったから白毛もよく見える~。

第三鍋開始。

「今日の愛子鍋、調子好いね~。きっと楽しくて楽しくてしょうがないんだよ。好かったー♪」
『だめだ。好くない。そんなに喜ばせてはいかん。喜ばせすぎるのも問題だ。』
「なんでよ?」
『血圧が上がるだろ。』 おとん、にやり。
「ひぃーーー。ぎゃはははーーーーーー♪」
『高血圧は体によくないからなーーー!!』
ふたり大笑。

第三鍋終了。                       うわーーー♪ 
 

好いぞ好いぞ、この調子だあーーー!!

第四鍋終了。
 
終わった~。

第四鍋の途中起鍋の時、鍋底の温度が少し高めだった。
確かに鍋にも高血圧はよくないらしい。(笑笑)

しかし。。。ん~ん、満意なり♪

 今夜もふたりで晩ご飯~。

選別・ご飯・揀葉

好い芽ばかりだ~♪

選別開始ーーー。 

 芽尖がまだいっぱい!
 本日の標準~!

 茶片・老葉・茶子など、さようなら~。

ご・ごはん・・・。はらヘッタァ~。
 うわーん。おいしいよおーーー♪

急いでいっぱい食べたら、すぐに揀葉開始。
 茎が伸びてきたのも増えてきた。
中央の二芽。

気候の変化とともに、芽の状態も少しずつ変わってきている。
中央の二芽のように、茎が伸びて越冬の茶片と新芽が離れている芽も増えてきた。
こうなると好揀~。前に比べて揀葉がしやすい!

開いた芽

「おとぉ~ん、芽が開いちゃって大きくなってるのは、どうするぅ~?」
  
                           あいやぁ・・・。開いちゃってるぅ・・・。

『摘まなくて好い。大きすぎるのには構うな。捨て置けーーー!』
「も・もったいなぃ・・・。」

『それは間に合わなかったんだから仕方がない、そういう時はあきらめるんだ。
今の時期の碧螺春にそういう開いた芽を混ぜてはいけない。
見てみろ、摘み頃の好い芽が他にたくさん発芽している、それを摘むんだ。
これも今日摘み終わらないだろう、摘み残せばまたそうなってしまう芽が増えるだけだ。
わかったか?好い状態の芽からどんどん摘んでいくんだ。ほら加油ー!』
「はいっ!」

  左:摘む 右:摘まない
左3芽:摘み頃=今日の標準:摘む
右3芽:開きすぎ=間に合わなかった:摘まない

実は、故意に右くらいの大きさになるまで摘まないで生長させている農家もある。
一家二家ではない。

最初は、きっと忙しくて茶摘が間に合わなかったのだろうと思っていた。
そんな芽を見ながらそんなことをつぶやいていたら、おとんが一言。
『そこはわざとだよ。』

「なんでえーーー?」
『そりゃーーー、これからの収穫量を多くするためさ。』
「ああ~ああ~。・・・なるほど。」
『もちろん、全家じゃないぞ。間に合わない樹はどこの家でもある。だがそこの家は違う。』
「うん。」

そういうことか。
右の状態で摘んだほうが、左の状態で摘むのと同じ作業量でより多くの産量を作れるからだ。


清明節前後の10日間くらいに仕上がった等級茶葉が、一番需要が多い。
製茶の時期だけでなく、夏になっても秋になっても、年間通して需要がある。

ちょうど今頃から、急激に需要が伸びるその期間に入っていく。
味わいも濃くなってきて飲み応えがあり、価格も出始めより手頃になっているので、
贈り物として使う用にも自分で飲む用にもまとまった量で購入する人が多い。
それより前の分前茶や出始めの明前茶は、貴重品で高価なので贈り物用にも自分用にするにも、
需要は限られる。
それより後の炒青は、ごくごく飲む地元の茶好きには重宝されるが、贈り物にするにはちょっと・・・。

作り手にとって、一番需要の多いその時期の産量が多いのは一番確実な収入となる。
一家の果樹園の広さや茶樹の本数は基本的に毎年変わらない。
変わらない条件内でその期間の産量を多くするためには、その期間の摘む重量を多くすればいい。
手っ取り早いのは、株を大きくする・芽の数を増やす・芽の大きさを大きくする。
同じ芽の数なら小さい芽より大きい芽の方が、同じ手間でも産量は増える。

芽は、摘まなければ数日で右のように大きくなり一摘みの重量が増える。
逆に、左の小さな芽の状態で日々摘んでいれば、需要の一番多い時期だからといっても
自然現象以外に極端に産量が多くなることはない。

芽の状態が大きかろうとその日の相場で取引される。
もちろん芽の大きさで価格の違いはあるが、大きくは変わらない。
需要少なめの頃に高価な茶葉を作って万が一手元に残ってしまうくらいなら、
客層広く売れるときまで摘まずに芽を大きくして大量に出荷したほうが確実だ。


おとんとおかんはそういうことはしない。というよりも、できない。
年齢を重ねた近隣の作り手さんの多くもまた同じ。
昔から作っている人にとってはすでに習慣になっているから、小さい芽が発芽すれば反応してしまう。
碧螺春というものはそういうものだというのが、小さな頃から体に染み込んでいるから。
収穫時期を逃した大きくなった芽を見ると、逆にプレッシャーを感じている。
腰が痛くても目がかすんでもどんなに疲労が溜まっていても、体が、手が、自然に反応する。

しかし、代が変われば考え方も変わるのも自然な流れ・・・。

 撤収。時間的に限界。

気温が25度まで上がっている。生長が早い。
引き上げの時間も遅くなってきた。
それでも完全に摘み終わることはできない。
でも、いつまでも摘んでいるわけにもいかない。
すでに摘み終わった好い原料を活かすために、急いで次の工程に進まなければ碧螺春にはならない。

 急げーーー。

村まで降りてきました。
 

あれ。。。ほうれん草がいっぱい混ざっている~!
 『人の家のだ、取っちゃだめだぞ~。』
「はーい。」

村の中。。。てくてく。。。
 
ん~ん。あったか~い♪

ただいまー。玄関前の白果。芽がーーー♪
 

おとんの茶樹vsお隣さんの茶樹

おとん                            お隣       
 
どちらも、それぞれの家ですっきりしている樹を探しました。
すっきり度が違う。あはは。

 ←これはお隣さん、ほとんどはこんな感じ・・・。

発芽タイミングが同時期の茶樹の上部を比べてみよう!

おとん                              お隣
 
明るい                              暗い

え?写真撮るときの方向や陽光条件が違うからそう見えるだけ?そ~お?
じゃ、これならどうかな。

おとん                      お隣
 
おとんのは果樹の陰になった枝。お隣のは果樹がなく陽光燦燦の枝。

おとんは、木漏れ日でも発芽が上部に多いから明るく見え、枝の高さが揃っているので
各枝に陽光がある。
お隣は、上部に集中せず枝の下まで平均点在して発芽、各枝の高さもばらばらなので
枝同士で日陰を作り陽光を少なくしてしまっている。

おとん 
 ね。上部に集中しているでしょー!

お隣さんは・・・。
               そういう枝が見つからない・・・。

上から見た感じ。                     
おとん                              お隣
 
枝の間から地面が見える。                   見えない。
 

横から見た感じ。
おとん                               お隣
 
明るい                          暗い

おとんの茶樹は、栄養を蓄えるためにも伐採時に背をとても低くするので、
横写真でも納まる。老葉が少なく新しい芽に当たる陽光を邪魔していない。
お隣は、おとんの茶樹を撮ったときと同じ距離離れて撮ろうとすると、
茶樹が広がりすぎているので横写真でも株全体が収まらない。
おとんの茶樹を撮ったときよりも二歩離れて、縦写真にしても上部まで収まらない。
新しい枝や芽よりも、老葉や老枝の割合の方が多いので更に暗く見える。

以上、発芽タイミング同時期の茶樹です。

次は果樹園全体を見てみましょ~う!

斜面の下から上を見る。
おとん                               お隣
 
茶樹同士も離れてすっきりした感じ。             ジャングル~。

え?特に場所を選んで撮っているわけじゃないよおーーー!!
ほら、お隣さんの特にすっきり・・・した場所を探しても、こっちも、こっちも・・・。
  
ジャングルジャングル~~~。・・・でしょ。 

おとん                               お隣
 
茶樹点在                             茶樹密集
かくれんぼできない                 かくれんぼできる

わざとじゃないよおーーー。
果樹や茶樹が密集してしすぎていて、お隣さんは地面が見えないんだってばぁ・・・。
 ほら、こっちも・・・。 

次に、おとんとお隣さんの境界線に立ち、斜面の上から下を見る。

おとん                                お隣
 
もういい?・・・あはは。

じゃ、最後にもうひとつ!(笑笑)

おとん                               お隣
 
お隣さんの樹を真横から撮影しようとすると、横の茶樹に私は埋もれてしましい、
手でその枝をどけないと全体像が撮れない茶樹ばかり。

 これもお隣

はい、もうおしまーい♪

お隣さんが管理していないわけではありません。
特にひどいわけでもなく、こういう果樹園はたくさんある。
もっとジャングルになっている場所もあります。
同じように、おとんと同じような管理をしている場所もたくさんあります!
でも、おとんのはちょっと特別かな、だって果樹園管理はおとんの趣味なんだもん。(笑笑)

果樹園管理が碧螺春原料にどう影響するか、その一例でした。
同じ東山の山の果樹園、その同じ斜面の碧螺春でも、果樹園管理の違いで原料も大きく違います。
たとえ原料の違いがあっても、同じ日の碧螺春は同じ相場価格で取引されます。
どうして私がおとんの碧螺春を飲みたいのか、なんとなく伝わったら嬉しいなぁ~!

ではでは、籠に半分摘まないとご飯抜きなので(笑笑)、茶摘に戻りまーす♪

果樹園授業

『愛子来たか~。おいでおいで。ほら見てみろ、昨年の剪定を覚えているか?
ああいう剪定をすると、茶樹はこんな風に生長するんだ!』

今日も果樹園授業が始まる。
こういうとき、何も質問しなくてもおとんは延々に意気揚々と説明する。

『ほら、ここをこうしたからこうなっただろ(中略)、するとここがこうなるからこっちもこうなる!
でもって、ここをこうしたいからこうしただろ(中略)、そしたらこうだ!(中略)
茶樹はこうじゃなくっちゃ。どうだ気持ちよさそうだろ。。。ん~ん♪』
なにか質問するともっとノリノリになる。止まらない。(笑笑)

 株の下は風通しよく、すかすかに。
余分な枝は剪定で切り落とし、好い大枝の数本のみ絞る。その一本一本の風通しを好くする。
落ち葉が痛んだり湿ったりしたら、一度全て取り除き根元一本一本をきれいにして風を通し、
また乾いた落ち葉で根元を覆ってあげる。これは剪定から次の春がくるまで年間通して行う。
そうすれば害虫もわきにくく、発生してもすぐに気が付いて処理ができる。

『ほら、中の枝はそれぞれ離れて余裕があるから、枝一本一本全部に風が通るだろ。』

『それからな、すごいのはここだ!芽が陽光が当たる上の方だけに集中して発芽している。
これはちょ~~~っと難しい技術なんだぞ。ほら全枝がそうだ。どうだ美しいだろーーー!!
日が当たるところに芽を発芽させなきゃ好い芽にならないだろ?果物と同じだ。
ほらほら、株の中や下には芽がほとんどない。少量でも質の好い芽だけを発芽させるんだ。
それに上だけにあれば摘む人も摘みやすい。摘む手も服も汚れないから茶葉も衛生的だ。
どうだすごいだろおー。わっはっは~!』

ふふふ。おとん、とっても楽しそうですねぇ~~~。(笑笑)

上の方だけに集中している。
 この写真じゃちょっとわかりにくかな・・・。

はーい、みなさん寄ってくださ~い。
                               強引に集める。(笑笑)
 陽光のある上部にふっくらした好芽の発芽が集中。

 横から見た感じ。美しいーーー♪
三段階、三色になっている。

風通しの好い株元の茶色。中間の老葉は少なく濃い緑色。上部に新しく柔らかい黄緑色。
新しい枝と新しい芽は全て上に向かって真っ直ぐ伸びています!
離れて全体を眺めると、おとんの果樹園は黄緑が多く明るく見える。のですぐにわかる♪
比べると、ご近所さんの果樹園は、うっそうと暗い感じがする。

例えば、すぐお隣さん。・・・例えに出しちゃってごめんなさいね。(苦笑)
 株元。細い枝も密集。剪定技術の違い。
落ち葉も変えていない。それに・・・シダ?湿気た場所に生える草が生えている。

あぁぁぁ・・・。
           株が広がるように石で強引にぃぃぃ・・・。

 株の外側でも芽が細い。
日が当たらない株の中や枝の下の方まで発芽している。発芽量は多いが・・・。

んん・・・。もうちょっと詳しく比べてみましょうか!


あ、その前に! 琵琶の間引き手伝おう。約束したものね♪(笑笑)
っと思ったら、おとんがすでにやっていた。。。いつのまに。
 
ふたつ残す。おいしくな~れ。                   楊梅花~。

まだまだ第一蓬

登る。。。暑い。。。
 大汗かかないように一歩ずつ。

小道には小さな春のお花たちがいっぱい~♪
 

上の方まで登ってきて、一息。
 風が~ああ春風が~~~♪

ここから中に入って行きます。
 ジャングル抜けて・・・。
ちなみにおとんの果樹園ではない。絶対ありえない。

おとんの果樹園が近くなってきた。

茶苗がいた。おとんのです!
 
これは摘んではいけません。もっと大きくなってから!

おとんの果樹園はこっち。
 この辺りだな。。。どこにいる? 
おかんの籠発見! 

摘んだ分から、風通しの好い日陰につるしておく。
こんなに天気の好い日にずっと摘む籠の中に入れておいたら、鮮葉の温度が上がってしまう。
蒸れる。鮮度が落ちる。
4月に入って時期後半の気温が高い頃に籠の中にいれっぱなしにすると、
茶芽は自然醗酵してしまう。 

 第一蓬がいっぱいだ~♪
分前より芽は大きいもの、まだまだ連日初摘み茶葉でーす。
茶樹それぞれの発芽する日が違うだけ!

春分前に早めに発芽する樹の第一蓬は分前茶になり、
春分後の遅めに発芽する樹の第一蓬は明前茶になる。
もっと遅く清明節頃にやっと発芽するねぼすけの樹(笑笑)だってあるんだよ~!

本日も晴天なり

6時半に目が覚める。おとんとおかんより1時間半遅れ。
すでに出発しているのは当たり前。6時前には家を出たはず。
まずは顔洗って。。。急いで家事始める。

急に陽光が差してきた。。。。暑い。もっと暑くなりそう。大変だ。急げーーーっ!
 のどが乾く。ごくごく~♪
夕べ品茶した2杯分。昨夜からずっと飲んでいる。まだまだうま~い。

お・おかん・・・。
 [喜喜]蛋がいっぱい・・・。
残り全部茹でてしまった。
だれがこんなにたくさん食べるんだーーー!!

急いで家事をこなす。動きまわっている時は半そでで丁度好い。体が軽い♪
 下ごしらえ終了。
今日は、後で老四が来て調理してくれる。 

 
こっちは多分夕食用だな。おかんが何か作る予定なんだろう。たけのこーーー♪

 食器を洗って。

お米をといで。。。いたら、老四が来た。あとよろしくーーーっ!
行ってきま~す♪

自然美3鍋

『愛子ーーーっ。美しすぎる!見ろー。うわ~。きれいだ!!』

「うわ、どれも同じだ、すごいなぁ~。」
『自然美!』
「ん?」
『色も形も碧螺春本来の自然美だ。3鍋ともだ。うわあ~。』
「ほんと?わーい♪」
『飲もう。外質好くても内質悪けりゃダメだからな。悪いわけないのはわかっているけどな、はは!』

今日は3鍋ともすごい。美しい。平均。
順位をつけるのが難しい。強いて言うなら3が少しの差で第一位間違いない。
続いて・・・2、1、かな。
しかし、うううう・・・。これに順番をつけるのは非常に辛い。

おとん素晴らしい焼火師だー! 愛子鍋も素晴らしいーーーっ。ぱちぱちぱち♪
 手前:3 右:2 左:1

第3鍋                      第2鍋
  

第1鍋
 暗くてピントが合わない・・・しゅん。

「今日はよく笑っていたね。」
『嬉しくて仕方がない様子だったなー。本当に困子鍋だなー。わっはは!』

左から、123。
 → 

すげーすげーすげーーーっ。うっま~~~!濃っい~~~!
3鍋ともほぼ変わらない。すげ~~~。

味わいが濃くなってきた。甘みよりも味わいの重さを感じるようになってきた。
非常に飲み応えがある。こりゃ茶好きにはたまらん。好茶だ~♪
今日は気温が25度もあったしな。明日ももっと増えるだろう。

今日は、果樹園でも村でも農家さん同士でも、欲しい人が売ってくれる人を探し回っていた。
昼過ぎに果樹園の入り口まで山を降りると、何度も声をかけられた。
明前後の数日間が始まったのだ、この数日間は一番需要がある時期。
これから日々増えるだろう。
例え農家でも、欲しい客が来ても一家分では少なすぎて客の需要に足りないから、
周りから買い取るしかない。

おとんは絶対に売らない、老四が贈り物用として必要でもその息子にも売らない。
私が選ぶ可能性が高いから。全鍋そのことを前提におとんとおかんは製茶している。
摘茶・揀葉・炒茶等々、全てにおいて特別に神経を使った製茶。

外に売る用は炒茶の方法が違う。ここまでしない。
その前の揀葉でも、ここまでしない。茶摘みからして、また同じ。

『そりゃそうだろ。こりゃ国際面子なんだーーー!!』 だって♪(笑笑)

ふたりで晩ごはん

3鍋+茶片、準備撤収含めて約4時間。
おかんと茶摘娘はすでに休んでいる。

炒茶する人は、これからどんどん寝る時間が遅くなってくる。
おとんと私、ふたりで晩ごはん。そんな頃になってきた。
 
猪油gao、おかんの手作り。       お腹空いた~~~。 

おかん、またいっぱいひよたま茹でている・・・。今夜はいくつ食べたんだろう。はは。

火大笑

今日は3鍋だよーーー♪

うわっ! いきなり大笑いしているーーー!!
 火大笑了~~~。
え。また笑っている。
ええーーー、まただよ。
今日はすこぶる元気、やっぱり炒茶が嬉しいんだ。(笑笑)

第1鍋終了。
途中で火は何度も笑った。その度におとんと私も笑ってしまう。
 最後の起鍋。末子や細かい芽などを取り除く。
普通はここまで丁寧なことはしない。

関係者でも、見たことも聞いたこともないだろう。
よほどひどい仕上がりの鍋なら可能性はあるだろう、末子が大量に発生しずぎているから。
おとんの目的とは違う。

比較的丁寧な炒茶人でも、起鍋時に鍋底に残った末子を手で取り除くくらい。
多くはその末子さえ入れてしまう。その方が仕上がり量が多くなる。

末子が多くなる炒青の頃ならともかく、まだこの時期だ。なおさらする人はいない。
しかし、炒青でもここまで丁寧にする人はいないと思う。

この時期は明前茶なので碧螺春として中級だが、まだまだ茶葉としては高価だ。
需要が一番多い数日間に入る頃でもあり、探している人が多い。
茶摘から帰る途中には欲しい人が何人も待ち構えていて、籠を持っている人を見ては
『売ってくれ』とかたっぱしから声をかけまわっている。そんな時期に入ってきている。
末子は少量でも重量がある。仕上がり量は1gでも多いほうが収入になる。
近所の炒茶人が見ると『うひゃーーー、量が減っちゃうじゃないかーーー。』と言われる。

昨年だったかな。
一緒に炒茶しながら、前の年の碧螺春に対する感想を話していた。
私のある意見を聞いて、おとんはすぐにその鍋からこの方法を始めた。
碧螺春に時々ある、焦味のことだ。

末子が少しもない鍋なんてありえない。
技術の違いで量の差はあっても、正しい工程をしていれば必ず自然に発生する。

おとんはもともと末子を丁寧に取り除く人だ。
ザルで篩い落とす中には、末子以外にも、殺青や団など炒茶工程中に自然発生する
茶芽の端っこなどの細かい部分も含まれている。これが更に細かくなったものも末子になる。
細かくなっても味は同じだから末子までなっていなければ普通はそれも入れるのが常識的。
だが、高価な鍋にそこまで入れるのは外形に影響し誠意に欠ける、とおとんは取り除く。

長年そう心がけて実行しているいるのに、自分の鍋からその意見が出たことを、
おとんのプライドが許さなかった。おとんは子供の頃から何十年も碧螺春を製茶している。
すでに人に教える立場になっている。おとんにも面子がある。
私が手にした茶葉にその味が出たら、私の面子もなくなると言う。
ふたりの面子がかかっている。

しかし、理論的にその可能性が残るのは、炒茶人だからこそわかっている。
だから、次から1%でもその可能性を避けるために必要がないと周りから言われることでも
できることは実行し始めた。こういうところもおとんのすごいところだ。

そのひとつが、この最後の起鍋時の篩を使った篩茶。
細かい部分もこれまで以上にザルで取り除いて、仕上がり茶葉に入れない。
当然、仕上がり量、そして収入は減る。


もうひとつは、カーン終了時の起鍋。
これも、実行している人はいない。この時期の茶葉ならなおさら。

焦味の原因はいくつかあるが、多くはカーン時に出した茶汁がその後の工程中に鍋肌で焼けて、
それが仕上がりの茶葉にも影響するからだ。例え最後に篩い落としても、
付いた香りは二度と取り除けない。

一般的には、焦げがひどくならないように高温を避け、そのまま最後まで仕上げる。
しかし、炒茶には温度が重要。必要なときに必要な高温がなければ好い茶葉にはならない。
『焦げるのを心配してその後の工程で必要な高温を避ければ、外質内質ともに好い碧螺春にはならない、
ただ形を碧螺春の茶葉に仕上げるだけだ。好い碧螺春に仕上げるためにはそれではダメだ、
高価な茶葉ならそれ相応の好い茶葉に仕上げるべきだ。』とおとんは言う。

そして、すぐに実行し始めたのが、カーン終了時の途中起鍋・洗鍋。
これも、炒青の頃ならする人もいるが、おとんは明前茶からひと鍋ひと鍋すべてするようになった。
誰が必要ないと言っても、「焦味がある」と言われる可能性が1%でもあることの方が嫌なのだ。

しかし、本来の碧螺春の概念には、実はこの工程が含まれている。
ただ、現在はそれを実行している人がいないだけ。
面倒だし、時間がかかるし、仕上り茶葉にそれを指摘する人もいない。
おとんと私がこの途中起鍋・洗鍋をしていると、すでに炒茶終了した周辺の炒茶人の多くが
不思議そうにみている。

さて。第1鍋終了。今日は白毛が多い!
 温度工程正好。好炒~! 

 え。。。すごく好い。美しいーーー♪
 
第2鍋準備。
 今日の愛子鍋、大騒ぎだよーーー!
大笑いするやら小笑いするやら火花外まで吹き飛ばすやら。
よほど嬉しいらしい。(笑笑)

第2鍋開始。おとんが消えた。
しばらくして柴の様子を見におとんが戻ってきた。
『師匠の立場は楽だなー。途中でこうやっておやつも食べられるし、お茶も飲める。
弟子は一度始まったら最後までずーっと鍋から離れられないからなー。はっはっはー!』

第2鍋終了。
 

第3鍋開始。おとんが消えた。

戻ってきた。鼻の頭に米粒がついている。。。くっくっく。
「おとん、なに食べたの?」
『んん?なにも食べていないぞ。』
「鼻に米粒が付いているよーーーだ!」
『おっとっと。俺じゃない。これは鼻が食べたんだ。(笑笑)』
「ああ~、鼻がね。ふふ。」

第3鍋終了。

最後の鍋は茶片。昨日と本日、揀葉で取り除いた茶片を1鍋で一緒に炒茶。
 今日の茶片、好いー♪
『今日の茶片は高値で売れそうだなー、愛子、いつもの茶片の袋とは別によけておけ。
好きな人はこの茶片を探して買うんだ。自分で飲むのに一番の茶葉だ。うまいし安い。
原料が好いから味は今日の碧螺春とほとんど変わらないし、ただ格好が悪いだけだからな。』
「売るの?」
『まさか、自分たちで飲むんだよ!』
「売ったら、今日のはいくらで売れるかな~?」
『試しに持っていってみるか?』
「やだ。あははー。」

『茶片は碧螺春のおとん&おかんだな!』
「あははーーーっ!」
『そうだろー。わっはっはーーー。これらに碧螺春の一芽一芽が包まれていたんだからな。』
「そうだそうだ、碧螺春のおとん&おかんだ~♪」

4時間弱で炒茶終了~!
 好い文火。。。焼き芋食べたい。(笑笑)

忙しくなってきたー

ひよたま焼き(笑笑)作って炊飯器のスイッチいれたらダッシュでおとんとおかんを追いかけ、
すぐに茶摘開始。

『愛子、登るときはゆっくり来い、汗かくだろ。
山の上は風が強いから陽光があっても涼しい、来る途中で大汗かいたら簡単に風邪をひく。
登るときはなるべく汗かかないようにゆっくりな。焦る必要はない。』

早朝は茶芽にも茶樹にも朝露がびっしりついていたそうだ。
しかしすぐに気温があがり、昼には25度まで上がった。
春分直前は昼間でも10度。昨日は17~18度。一日に一段階気温が上がった。
茶摘み量が多くなった。

高山の頂上付近の斜面、風が強いので気持ち好い。
数日前までは、この風のお蔭で手がかじかみそうだった。
今日は気温が高いが春風のお蔭でとても爽やか、茶摘中は汗はかかない。
汗をかくのはここに登ってくるとき。本当に風邪をひかないようにしないと・・・。

1時になったら山を降りる。
芽は摘み終わっていない。でも仕方がない。時間的に限界。
この気温だ、明日からはもっと摘み量が多くなる。

全員でただいまー。
 お腹空いたよね。
3人は朝6時から7時間、ずーっと摘んでいたんだもの。

 朝露の影響で内水分が高め。
途中まで選別、芽尖部分はもう少し水分が飛ばないと茶片が離れないので振り選別ができない。
なので、しばらく日陰で広げて自然に水分を飛ばす。

先にごはん。
 おかん。ひよたま焼き、そんなにおいしい?!

ああーーー、でも食べすぎだよぉ・・・。(苦笑)
老四は食べない。『見せないでくれー。俺、ダメ。食欲がなくなる。』だって。おいしいのになぁ。

後片付け中。
 玄関前の今日の白果。
ん・・・この枝は、一番発芽が遅い。他の子はもう開いている。
でも、明日には開くかな、楽しみ♪
 
 おとんの家での愛子デスク~♪
ここは昼間専用デスク。夜は2階の部屋の机に移動する。

食堂の揀葉するテーブルの横に設置。みんなが集まる場所。
昼間はほとんどパソコンを開ける時間の余裕はないけれど、繋がるかどうか時々確認。
昨日は好かったけれど今日はダメ、さっきまで好かったけれど今はダメ、っということも
これに限らずまぁよくあることなので・・・。あはは。

目玉焼き?

うーわ、外が明るい。あったかーーーい!! 
春日和~♪ す~んばらしい晴天です! 

暑くなりそう。茶葉が多くなる。大変だ。早く手伝いに行かなくちゃーーー。
でも、その前に全員の昼の準備をしておかなければ。これも重要な仕事。急げ。

台所の洗い物・洗濯・野菜下ごしらえ・かまどで湯沸かす、移す・米洗う・料理作る。
とりあえず終わった。そこで。

[喜喜]蛋で目玉焼きが作ってみたくなった。
 どうなるんだろう? 
ひよたま~♪

 3個で行ってみよーう!

 イメージと違った・・・。

高山味

品茶&反省会ターイム!

『みろー。好いことこの上ない。外形も差がない。仕上がり量も全く同じだ。おお~♪』
 どれどれ。。。本当だー♪

 
第1鍋                            第2鍋

左:第1鍋 右:第2鍋
 → 

 これは。。。う・うまいぃーーーくぃ~♪

高山の好い特徴がきれいに出ている。
生命力を感じる。
今夜の2鍋とも、素晴らしい明前茶だ。おとんの柴調整が実に素晴らしかった!

言うことな~し♪

[喜喜]蛋

炒茶撤収したら、ごはんごは~ん。
 あ♪
                         [喜喜]蛋だあーーー!!

 ひよたま♪
ピンボケしちゃった・・・孵化直前の卵。

濃くて甘くて食感が好くて。。。んん~おいしい~~~♪ 
栄養も高く、高価な卵でーす。

おかん、うまいうまいってばくばく食べている。ひょ?
一体いくつ食べるのーーー!?
わかるけど、もうそのへんでやめておいたほうが・・・。あ~あ、また開けた。はは。

愛子鍋は困子鍋

さあさあ、今夜は2鍋分の柴を食べさせてあげようねー♪
 おおー、いきなり火笑了~。
なんて単純な子。。。(笑笑)

第1鍋、始まりました。
火力正好。素晴らしい茶葉の音~~~。
最初の柴調整で、カーンの追柴まで全く調整必要なし! おとんすごいっ!! 

 あっと言う間に、起鍋。
好色!

洗鍋&柴調整して。。。回鍋。

「調子好いねー!」
『昨日と違うなー!』

できました~。
 少しだけホン。
紙に水分が含まれているから、それを飛ばします。

いいぞ。この調子で第2鍋準備!
 まーた笑っているよ。まったく。。。(笑笑)
 
始まりました。
素晴らしく順調に進む!

『今日は2鍋ともすごい調子が好いなあー。素晴らしい!』
「愛子鍋、やっぱり炒茶ができて嬉しいんだよ!」

『愛子鍋じゃないな、こりゃ困子鍋だ!』
「困子鍋? なんだそれ? うひゃひゃーーー。」

『炒茶がないと不機嫌になる、炒茶させるととたんにご機嫌だ。
たくさん食べさせてるともっとご機嫌になる。誰かさんとそっくりだ。
困ったちゃんの困子鍋だ!』
「ぎゃははーーーっ。確かに似ている。。。ぶふふ。」

第2鍋も終了~。
 今日は2鍋とも白毛が多い。いいぞ!

『愛子!すごいぞ見てみろ、2鍋とも非常好鍋だーーー。』

明かりの下で並べて確認。
 お~う!ほんとだ♪
2鍋とも素晴らしい仕上がり!

夕べは、炒茶したくて&お腹が空いて不機嫌だったのか。。。本当に困子鍋だわ。(笑笑)

お腹空いたぁ・・・。

誰かさんがスイッチ入れ忘れたから、先に楝葉しながら全員待つ。
『グゥ・・・。』
『キュルキュル~~~。』
『グルグルゥーーー。』
お腹の合唱。・・・すいませぇ~ん。(苦笑)

今日の芽は昨日より小さい。きゃ~♪
 
『今日の芽は第一蓬ばかりだったからなー、見ろ、こんなに小さい。好茶になるぞ!』

ごはんが炊けたーーーっ!!
 お待たせいたしましたーっ。       

 おかんが作った百葉包肉~♪
包丁で荒く叩いたお肉が包まれています。
これ、おいしいのー!

帰るよ~

回家了~♪
 青梅のアーチを抜けて。。。 
巡回しながら帰ります。

山のふもとまで降りてきました。
 
菜花~♪                      蚕豆(ソラマメ)花~♪

 碧螺春~♪
形の好い老品種だ! しかし・・・。

「おとぉ~ん、この辺りの茶樹、密度がすごいね、これじゃ好くないよね?」
『そりゃそうさ。でもいいんだよ、人の家のだから俺には関係ない。』
ごもっともで・・・。ははは。

森林浴

今日は大体のまわる場所を聞いておいたから大丈夫。(笑笑)

茶樹たちとおしゃべりしながらお散歩気分で山登り。森林浴~♪
 あらら、好芽がいっぱい発芽しているのに…。
おとんの茶樹ではありません。ので、ま、いっか~。

ここもそう。もう開いちゃってますよぉー。 
                              第一蓬、凍死影響確認できる。
 ここも。好い摘みごろなのになぁ~。
おとんとおかんなら、放ってはおかないんだけどなぁ~。

登っています。
 楊梅の樹の下は、土もふかふか。
碧螺春の樹も気持ちよさそう~♪

登っています。
 碧螺春も森林浴~! 

まだまだ登ります。
 登ってきた斜面振り返ってひと休み。
腰に手を当て、碧螺春ごくごく~♪ 

更に登ります。
 ここはおとんとおかんが茶苗を育てている場所。
土質・水質・陽光がとても好い場所。
工事している道が遥か下の方に薄茶色く見えるのですが。。。わかるかなぁ~?

 これはおとんの茶樹! このあたりにいる。
みつけたっ!

『おお愛子~、来たか。昼飯の準備したか?』
「うん。ああーーー、炊飯器のスイッチ入れるの忘れたぁ・・・うぇ。」
『日本人は米も生が好きなのか?わっはは~!』

革命だあ~♪

ぱんぱかぱ~~~ん♪
 ふっふっふ、ついに革命の日がきた。どうだーっ! 
拍手~~~!!

ADSL登場ーーー!!  いやっほぉ~~~い♪

碧螺春の産地東山のこの村で初めてのADSLだよーーー!!

はぁ。。。このために連日奔走していたのです。
もちろん、碧螺春の村で高速ネット回線のADSLが使えるのはおとんのこの家だけ。
そして、他に必要な人なんていないから私専用。(笑笑)
革命的でしょーーー♪

村人にはADSLなんて全く意味不明。聞いたことも見たこともない。
東山の中心部であっても「ADSL」の単語を聞いたことがある人を探すことは至難の業。
昨年までは、例え東山の中心部でも東山内である限り不可能なことでした。
まだこの地区には開通していなかったから。
ADSL以外の高速回線はまだここにはありません。

そんな環境の中でこれを実現させるまでのこの数年間、どんなに大変な道のりだったことか。
そこに加え、この方面の私の知識レベルと中国語レベルを知っている人には、
きっとわかってもらえることだろう、どんなにどんなに努力したことか・・・うぅ。
ちょっと大げさ? うふふ。 しかしこれは本当に革命的な瞬間なのだーーー!!

動画だって、リアルタイムに産直で届けることが可能になったんだよーーー♪
茶摘みや炒茶、おとんの声もおかんの声も、冗談交し合う笑い声も。
森に吹く風、鳥達の声、果樹たちの息吹、鍋の中で碧螺春に変身していく茶芽の声もその姿も!
もしかしたら、火が笑う声だって届けられるかもしれない♪
ああ。。。イメージばかり膨らんでいく。私たちが発信しなければ単なる妄想で終わるね。あはは。
動画は小[女尼]子に任せたっ!(笑笑)


中国はどんどん変わっています。
一年単位で、1ヶ月単位で、一週間単位で。。。
昨年不可能だったことも、今年は可能なこともある。
逆に、昨年可能だったことが、今年から不可能ということもたくさんある。
思い込まないこと、過信しないこと、あきらめないこと。

常に調べる、常に聞いてまわる。何度も何度も同じことを、何年も何年も。
あっちでダメならこっちに聞く。こっちがダメなら向こうで聞く。
あっちの方法がダメならこっちの方法で、こっちの方法がダメなら他の道を考え試してみる。
ひとりの意見だけ信じてはダメ、数人同じ答えならそれも参考にする。
ダメだと言われても、あきらめる前に自分で実行してみる。
まずは自分でやってみる。自分の行きたい道は自分で切り拓く~!


このブログを以前から見てくださっている方!
今春何か気が付いたことはありませんか?
そう、毎日画像の多いブログがいくつもアップできています♪
昨日までは、この革命ADSL(笑笑)利用ではありません。
また違う方法です。これもまた昨年では不可能なことでした。

昨年の春天・梅天までは、まだ固定電話回線を使うしかここではネットにつなげる方法がなく、
(ジー、ガシャーン、ザァーーー、っていうやつ!)その電話回線も小さな地区では細いので、
お茶端会議室につなげるだけでも一苦労で睡眠時間は日に日に減り、
ひとりの旅の時は体力的にも時間的にもそれが精一杯の努力でした。

さあ、碧螺春お好きなみなさーん!
楽しみにしていてくださいね~、碧螺春産直情報量が多くなるよーーー♪
なーんて。まずは発信しなくちゃ始まらない・・・よねぇ。へへへ。

作業完了。確認完了。契約完了。これで今夜から送信が少し楽になるぞ、嬉しいーっ!
 おやつのちまき食べて、茶摘みに出発だ~。

 
玄関前の本日の銀杏の芽。
緑の頭が覗いている~♪ 違う枝は発芽した!

いってきまーす。るん♪

品茶vs碧螺春イベント

茶片2日分を1鍋で炒茶して、お片づけ済んだら。。。

品茶しながら本日の反省会~♪
 左:第1鍋 右:第2鍋

 
第1鍋                            第2鍋

どうかなどうかな?
愛子鍋で炒茶した第2鍋。

『影響ないな。2鍋とも好じゃないかー!』
「うーん・・・外形は大きくは変わらないね、でもやや老だよ。それと、ちょっと色が暗い。」
『普通はそんなもんだぞ。いや標準より遥かに上だ。明日近所を見てこい。これより暗い。』
「なんで?」
『そりゃー、熱いのが嫌だからさ。低めにして後は力任せでやっちまう。それでも相場は同じだ。』
「あぁ。。。」

「でも、周りと比較してもしょうがないよ。茶摘からして違うじゃん。今はおとんの家の碧螺春が基準!」
『うはは、厳しいなー。でもそうだな。上を見なければ進歩はしないな。。。どれどれ。』

重要なのは味!!

 入れました。。。どきどき。

と、ここで老四から電話。
『愛子、こないだのイベントの再放送が今始まったところ。テレビつけてみな!』
「やったー。ありがと~。」

18日に東山で、碧螺春の大きなイベントが行われた。
その再放送、三回目くらい。

「おかーん。テレビ見せて~。」
 歌手? 
番組違うんじゃない? これコンサート?

えええーーー、これなの?
すごい人が集まって、歌手の名前書いたうちわ持ってペンライト振って。。。
楽しそうだけれど、今の私には歌はどっちでもいいよぉ・・・。
それに、これさぁ、題名も歌詞も違うけど、日本の歌・・・。

終わった。いよいよか!

また違う歌手?
えええーーー、何人歌うの? 碧螺春はどうしたの?

終わった。
お! あの工場が出たーーー。いよいよか。
 
あいや? 30秒くらいで終わっちゃった。ああ、コマーシャルか。

始まった! ええーーー、また歌手だぁ・・・もういいってばぁ~。
おとんと私、部屋を出る。(苦笑)

さ。品茶の続き♪
 
やり直しやり直し。              開いたら、そこにお湯を差して。。。

湯色:やはり第1鍋の方が濃い、この時期の茶葉として理想的な好い湯色。第2鍋やや帯黄。
香気:第1鍋非常好。第2鍋、比べると弱い+この香りは確か。。。
滋味:第1鍋好。第2鍋、うーん、こうやって並べちゃうとなぁ~。(苦笑)
葉底:第1鍋好。第2鍋緑が鮮やかでやや強め、碧螺春としては暗い。

本日の碧螺春として、どちらも合格なのは間違いない。
ただ、この2鍋を並べてしまうと第2鍋は不満意。

だが!
同じ原料の第2鍋が香気と滋味が弱く出たからこそ、発見したことがある!!
第1鍋にも共通するが、茶葉としての好い香気と滋味の方が強いから気付くのに遅れた。
第2鍋は、それが前面に出ているので最初にすぐに気が付く。

好い土壌の味がするよーーー♪
この香気と滋味は、これまでに何度か出会った。龍井にも時々でる。
特に、高山の好い地質&水の条件で、その上の肥えた土壌にある茶樹に、
この香気と滋味を含むことが多い。ヨードを感じる。

な~る~ほ~ど~♪


テレビ番組は同じ調子で4時間続いたそうだ。。。また次の再放送がくるさ。(笑笑)

おとん鍋と愛子鍋

『今日はどっちで炒る?一鍋ずつ鍋を変えて炒茶して、味を比較してみようか。』
「うん。そうすればあの果蜜味の原因に鍋が関係するのか、っていうのはなんとなく確認できるよね。」
『そうだそうだ、やってみよう。』

「炒茶比賽はまた延期だね~。あはは。」
『あっちとこっちで同時に炒茶するか?』
「えー、ダメだよ。技術の違いが追加されちゃうから、鍋が大きな原因かどうかの確認はできなくなるじゃん。」
『そうだな。よし、ひとつひとつ追求していこう。』

第一鍋は、年季の入ったおとん鍋で炒茶♪
 できたー。香~。

おとん鍋、最初から最後まで火力調整がどんぴしゃ! 
予定通りの柴調整、途中で調整変更なし。
理想の時間で炒りあがる。早い。素晴らしい~。ぱちぱちぱち♪

  おお、今日は白毛が多い!


第二鍋は、新しい愛子鍋で炒茶♪
柴の調整はおとん、炒茶メインは私。第一鍋も同じ。
 まずは大火で鍋底を焼きます。

温度きた!
『愛子、下(茶葉を入れる)ーーー。』
「好ーーー。』

おお~、殺青正好の好い音が茶葉から聞こえる。いいぞ愛子鍋、その調子!

「ん???」
『お???』
音が小さくなってくる。と同時におとんは動く。 

急げーーーーー。理想の火力に足りない。
松葉&柴足しするおとん。来た。来た来た。音来た。温度来た。。。
ふぅ~。数秒間だね、大丈夫かな?

「しかし、なんだ?」
『おかしいなぁ。なんで下がったんだ?鍋までの距離が高いからそれ用に調整してあるんだが。』
「昨日はそれですっごく調子よかったのにねぇ。」

殺青とりあえず終了、カーンに入る。

「あれ???」
『またか???』
「うん、おとん加火ーーー。」
温度が足りない。

急げーーーーー。理想の火力に足りない。
松葉&柴足しするおとん。来た来た。温度来た。蒸気来た。。。
ふぅ~。今夜はどうした愛子鍋?

すぐに安定した。
しかし、おとんは考えている。

「どうしたんだろうね?」
『思ったよりも多めでいいのかもしれないな。』
「でも調整は昨日と同じくらいでしょ?」
『そうだな。風の向きかな。』
「ああ~。それも関係あるか。」
『まあ、これで大体癖は分かった。明日それを計算に入れて確認してみよう!』
「はい!」

鍋の中にはよっつの手。ふたりで団を進める。もうすぐだ。
火はすっかり安定した。

「ねぇねぇ、おと~ん。」
『ん~?』
「愛子鍋さぁ~、きっとやきもち焼いたんだよ。なんで今日は最初から使ってくれないの~、って!」
『そうか、きっとそうだ。すねてたんだなー。』
「お腹空いたよー、私にも柴ちょうだいよー、ってさ!」
『わかった。明日は2鍋分の柴を食べさせてやろう!』
ふたり大笑。

『ホロホロホロ。。。』by火

「お!」
『や!』
おとんと目を合わせる。 『火笑了ーーー♪』
やっぱりやきもち焼いてすねていたんだ。(笑笑)

火が笑うの、今春初めて聞いた~♪
『明日、ふいみん来る日か?』
「いや、もう少し先。誰が来るんだろう、楽しみだね。」

  
できた~。                    うん、大きく影響していない。ほっ♪

ごはーん!
 うわ、いっぱい♪
おかん張り切って作ったねー。

本日の午後、茶摘娘がやってきたのです!!

帰宅後

帰宅して、靴を変え、茶汁で黒くなった手を洗ったら、それぞれすぐに次の仕事にかかる。

おとんは選別作業開始。
 途中まで手伝う。

今度はおかんのお手伝い。お昼の準備。

ニンニクの芽ちぎっていたら、家の中から焦げた香りが溢れてきた。
好い香りだけど、、、ちょっと行きすぎだよおーーーっ。

「おかーん。なんか焦げてるよ~。」
『あちゃーーー、急いで鍋から引き上げてー。』

 菜飯が焦げちゃった!

行きすぎちゃった部分を避ければ大丈~夫。
うまいうまいとおかんと私。
おとんはやっぱり食べない・・・ね。(笑笑)

回家了

12時、茶摘終了。

まだ摘める芽は残っているが、これ以上帰宅が遅れれば楝葉開始時間も遅れ作業時間も長くなり、
炒茶の開始時間も終了時間も遅くなり・・・そして、眠る時間がなくなる。

おかん『愛子、回家了~。ごはんごはーん!』
おとん『愛子はまだダメだよ、籠に半分摘むまで飯抜きって言っただろおーーー。』
愛子「わかったー。じゃ、明日帰るねー。」
3人大笑い~♪

 楊梅の森を抜けて。。。

          回家了~♪   

おとんとおかんはどこいるの?

さーてっと、どこの山に入るか聞くの忘れたから探さなくっちゃ。

まずは大きくふたつ。あっちの山か、こっちの山か。全く逆方面。
んんん。。。きっとあっちだ!。。。てくてく。。。お花畑まで来た。

ここからは、どのあたりの斜面にいるかで全く登る方向が違ってくるぞ。。。さて。

春のお花に聞いてみよう♪
 おとんとおかんはどこいるの?
『朝早く、ここを通っていったよ!』
ありがとう。摘んでお家に飾ってあげるね!。。。てくてく。。。。分かれ道。

みかんの樹に聞いてみよう♪
 おとんとおかんはどこいるの?
『もっと奥に歩いていったよ!』
ありがとう。蕾が開いたら香酔してあげるね!。。。てくてく。。。小道がなくなった。

 さて。どの方角に登っていったんだ?

琵琶の樹に聞いてみよう♪
 おとんとおかんはどこいるの?
『この横を登って行ったよ!』
ありがとう。間引きの時には手伝うね!。。。てくてく。。。さあ、お次はどっちかな。

楊梅の樹に聞いてみよう♪
 おとんとおかんはどこいるの?
『こっちじゃないよ、向こうの斜面を登ったよ!』
ありがとう。あとでてっぺんまで登ってあげるね!。。。てくてく。。。竹の子の山まで来た。

 さて。どっちの高山に向かって行ったのかな?

竹の樹に聞いてみよう♪
 おとんとおかんはどこいるの?
『わたしの子供を蹴ってたよ!』
ありがとう。おいしく湯がいて食べてあげるね!。。。てくてく。。。どっちの頂上方面かな。

杏の花に聞いてみよう♪
 おとんとおかんはどこいるの?
『黒杏の樹の方に登っていったよ!』
ありがとう。実が生ったら太陽に晒してあげるね!。。。てくてく。。。黒杏みつけた。

 おとんとおかんはどこいるの?
『中国語、まだよくわからな~い!』
あ。プルーンだものね、ごめんなさい。新しいお友達、サンキュー!

柿の樹に聞いてみよう♪
 おとんとおかんはどこいるの?
『眠いよ~~~!』
あー起こしちゃってごめんなさい。まだ目覚めたばかりよね。眠いのにありがとう。 

松の樹に聞いてみよう♪
 おとんとおかんはどこいるの?
『茶苗たちを見ながらもっと上に登っていったよ!』
ありがとう。かまどの中で真っ赤な炎にしてあげるね!。。。てくてく。。。さあ、最後の分かれ道。

桃の樹に聞いてみよう♪
 おとんとおかんはどこいるの?
『ふふふ。どうして一番のお友達に聞かないの?』
え?
『とっても仲好しのお友達がそばにたくさんいるじゃない!』
あ!
ありがとう&ありがとう。
 とっても好い香りね♪
昨年は「く・くさい・・・。」なんて言ってごめんなさい。
夏になったら皮ごと桃子を食べてあげるね!

そうね。そうよ。すぐそばにこんなにたくさんいるじゃない。碧螺春の茶樹たちが♪
 碧螺春~♪おとんとおかんはどこいるの?
『くすくす。本当に分からない?枝とこの芽に触れてごらん!』
うん。
『心に想ってごらん。おとんとおかんはどこいるの?』

んん。。。。。。あっちだ♪
ありがとう。鍋の中でおいしい碧螺春茶に変身させてあげるね!

こっちこっち、こっちだよ。
 楊梅の樹をくぐって。。。

ほらいたーーー!! 
  「おとーん♪ おかーん♪」

『ああーーーっ、びっくりしたーーー。』
『よくここにいるのが分かったなーーー。誰かに聞いたのか?』
「うん。樹たちに聞いた!」

おとん&おかん『・・・へ?(ぽか~ん)』

 茶摘みだ茶摘み、わ~い♪

いくつもの春風に乗って、樹の葉の声が幾重にも幾重にも通りすぎていく!
『籠半分摘むまでご飯食べちゃダメだからなーーー。それまで山を降りるなよーーー。』byおとん
風が運び果樹の森にこだまする、3つの大きな大きな笑い声~♪

河が・・・。

家事終了。
革命(!?)準備終了、行動を起こすのは明日。

少し遅れて私も茶摘に出発~♪    

え?                   あぎゃーーー。
 
ぎゃーーー。おかんお気に入りの河がーーー。
昨日まで清水だったのに・・・これじゃ黄河。

 
うわうわ、進入している。こっちももうすぐ黄河になっちゃうよぉ・・・。

工事の影響だ。
もう少し上流は?
  ←少し上流のここも 
更に上流のここも→ 

どこから始まっているのだろう・・・。しばらく河で洗濯できないよ、おかぁ~ん。

朝が早くなってきた

今日から、おとんは5時起きです!
  
 まんとう&ちまき♪

おかんが朝市で買ってきた野菜たち。
 
一緒に行こうと思っていたけど、夜更かししたから起きた頃にはもう間に合わなかった~。
近所の朝市は、5時前には始まり6時を過ぎると好い野菜はほとんどなる。

6時におとんとおかんは茶摘に出発した。
少し家事をしてから、私は追いかける。
あ・・・どこの山に摘みに行くのか聞くの忘れた、あちゃ~。仕方ない。探すしかない。

さあ、どれから下ごしらえしよう!
豆腐皮と大肉は、後でおかんが百葉包肉を作る予定。たぁーのしみぃ~♪

スペシャル品比♪

本日の2鍋。成功了~♪
 左:第1鍋 右:第2鍋

第2鍋の方が若干好い。
 
第1鍋                           第2鍋

毎晩の恒例。本日の鍋品比&反省会!

「あれ?おとん場所変えた?」
『あれ?あー、見た後、逆にしちゃったな。』
 左:第2鍋 右:第1鍋

更なる炒茶を追求し、真剣に炒茶工程の意見交換した後は。。。

今日はスペシャルナイト!
今春の初釜から全日分の茶葉とご対面~。きゃーーー♪

 ←これは3月15日の茶葉
↑今春の初釜、分前碧螺春第一目の茶葉だよーーーっ! 
ピンボケだけど。へへ。

飲んでいい?飲んでいい!飲んでいいの?!
そのために出した? やったあーーー♪

ついでに第二日目の16日のもちょっと取り出して。。。(笑笑)

左:15日 右:16日
 → 
入れた。                            開いた。   

お湯注して。。。飲む。

ん?  んん?  ん?     んんんーーーっ!!  うっきーーーーーーっ♪

って、これは飲んだ人間にしか分かるまい。ふっふっふ。(笑笑)

おとんは、ご近所さんと比べても、毎年2~3日くらいは早く茶摘みに入れる。
年間通して、果樹園全体の果樹&茶樹ひとつひとつの手入れが上手だから。
共生する多種の樹それぞれの、肥料をあげるタイミングも伐採の方法も植え方も接木の方法も。。。
とにかく果樹園管理全般が非常に好いのです。これは果樹園を見れば一目瞭然。
子供の頃からどういうわけか興味があって好きなんだって!
そんなおとんが私は大好きさ~♪(笑笑)

 左から:第2鍋・第1鍋・15日・16日

分前茶は日に1鍋しかありません。ちなみに停止は20日のみ。

 
左:第2鍋 右:第1鍋                 左:15日 右:16日

10日変わると、外形に差が大きくなくても茶汁の量が全く変わる。

こっちはこっちで言うことない、うまい♪ こっちはこっちで、あ~言い表せない♪
あっちだこっちだ、こっちだあっちだ。。。
延々品茶は止まらずまた夜は更ける~。わははー!

雨天の炒茶

雨の影響を受けて濡れた鮮葉は、表面が乾いても晴れの日の鮮葉とは状態が違う。

柴の調整も、いつもとは変えます。
 
                           使う柴の種類も変えます。

雨の日、といってもいろいろある。
摘む前にどのくらいの時間降っていたか、どのくらいの量の雨が降ったかで
鮮葉状態は異なる。摘む前から降っていた時と、摘んだときだけ降っていたのとでも、
一見同じ状態に見えても内質が全く異なる。

鍋の温度・火の調整・柴のブレンド。。。
全ては、炒茶する日の鮮葉の状態を見て決める。

今日は、表面水分はすでにないが内水分は外側まで高め。
こういう原料の殺青は、晴天が続いたときの茶葉よりも時間がやや長めになる。
温度も時間も昨日とは変える。そのためには柴の調整が重要。
一度高温で鍋全体を熱した後は、殺青投入時の鍋温度を昨日より若干低めに設定。
少しだけ遅れて高温にくるように、その温度が昨日の殺青時よりも長く続くように、
そんな柴のブレンド&調整にする!

『テストは明日だ、柴調整が難しいから一緒に炒ろう!』
「はい。今日は雨天の炒茶の勉強、昨年の復習だーっ!」

 → 
鮮葉全体の温度が平均に上がるように。ある時を境に一斉に水蒸気が上がる。
勝負の時!

『交代!』
「はい!」
すばやく鍋に手を入れる。
すばやく柴の調整にまわるおとん。

殺青・カーン、終了。
「おとん、要起鍋ーーー。」
『ほい来た。』

一度洗鍋、柴調整、回鍋。
2人で団、始まる。。。そして。。。
 できたーーー。成功だ~♪

この調子で第2鍋、入ります!

できました~♪
 炒茶直後の手。白毛の浮きは晴天より少なめ。
白毛が見えるかな~?

 おかんがくれたちびちび蜜桔。
おとんとおかんが作ったんだよ。 この子、あんま~い♪

蜜桔で一息ついたら晩ごはーん!

洗飯の中に青[米団]が~♪
 → 
清明節の前、10日以内にこれを食べます。草もちと似ている。おいし~♪

楝葉開始

鮮葉の表面水分は、菜飯を食べている間に乾きが進みすぐに標準状態になってきた。
今日は大雨ではないから早い。
水分が飛んだ鮮葉からすばやく選別をし、楝葉開始ー!
今日は老四も数時間手伝いに来てくれた♪

老眼鏡をかけて、おとんとおかんもがんばっている。
 ひと芽ひと芽、全ての茶芽をチェック。

最初の選別で別にされた芽尖(小芽)部分も、次の選別作業ができる状態まで乾いた。
 部屋の中はまだ扇風機が回っているので、外で!

菜飯

かまどの火担当の私。
調理担当はおかん。
『愛子に菜飯を作ってあげるんだー。』と昨日から張り切っている。
実は、おかんの好物。(笑笑)

おとんは菜飯を食べない。

他になにもなければ食べる、けど、好きではない。
好き嫌いなくなんでも食べるおとんにしては珍しい。
若い頃、『あの時代』に、外地で労働した年月、毎日毎日菜飯だけだったそうだ。
今はお肉も入っているしその当時とは違いおいしいものだけれど、
やはり食べればその時代のことを思い出してしまうそうで、できれば食べたくないそうだ。
・・・納得。

ジャーーーッ。
高温で炒め物をする好い音が壁越しに聞こえてきた。
香りもまわって来た。菜飯に入れる油菜をおかんが炒めている香りだ!
鍋の裏で柴を足しながら聞く。

「火力どお?どのくらいにしておく?」
『正好。ぐぅーぱぁー(方言:おこげ)好き?』
「好きーーー♪」
『わかった!おかんが作ってあげるね~。じゃ高温にして、最後はおき火多めにしておいて!』
「おっけー。」

 
できたーーー。好香~。                ぐぅーばぁー♪

濡れた鮮葉

おかんとおとんが帰ってきたーーー。おつかれさま~♪

夕べ夜半過ぎから早朝まで小雨が降っていたので、鮮葉の表面はしっとりと濡れている。

雨の日でも摘みます。小雨でも、大雨でも。
もしも真冬日のような気温だったら、それはまた別のお話。
しかし、そういう日はこの時期とても少ない。
気温は徐々に上がっていく。

雨の日でも茶芽は生長するので、摘まなければ間に合わなくなる。
一日摘まなければ、その年の碧螺春としての品質や収穫量に次の日から大きく影響する。

その日摘める状態になっている芽を摘まなければ、その芽は一日であっというまに生長する。
好い蕾の状態の日にその芽を摘み残せば、次の日には開いてしまうのだ。
芽が開いてしまえば、芽の一番外側は開きかけの小さな葉になってしまう。
開きかけのその小さな葉は楝葉できれいに取り除くが、炒茶できる全体量が減ることになってしまう。
結果的に芽の巻きは1枚、時には2枚少なくなり、品質全てにも影響するのである。
一日茶摘みを休めば、次の日以降どんどん間に合わなくなるのだ!

そこに高気温の日が一日でもやって来たら大変なことになる。
前日まで動きのなかった芽までが一斉に発芽するので、もっともっと間に合わなくなる!!
そうなったらもう追いつかない。大変だーーーっ。
だから、雨でも摘まねばおいしい碧螺春はできないのであ~る。

さて、ではこういう日はどうするか?

本日は、鮮葉が雨に濡れた日のお勉強~♪
 すぐに広げて。。。

大型扇風機出動ーーー!! さ・さ・寒い・・・。 
 ←天井についている扇風機、回っています。

 この状態では選別作業もできない。

ので、まずは表面の水分を乾かす!

 
茶芽を痛めないように全体をすばやく乾かす。

おかんが呼んでいる。お昼のお手伝いだ。 
はーい♪ おとん、先におかんを手伝ってくるね!

小雨の朝

5時半、起きたら小雨。
朝の準備をしながら様子を見る。
井戸水汲んで、かまどの火を起こして、お湯を沸かして、魔法瓶に移して、
同時に洗飯作って、おとんとおかんに先に食べてもらって。。。

小降りになってきた。もう少ししたら止みそうだね!
 おとん&おかん、出発です。
気温はそんなに低くないが、果樹の森を歩けば服は濡れる、濡れると寒くなる。
風邪をひいたらおしまいだ。
たくさん着込んで、かっぱ着て。。。いってらっしゃーい!

今日は摘める芽が少なめなので、午前の私は居残り家事組。
個人的にも、こういうときにしておきたいことがある、チャンス♪

でも、まずはご飯~。
 おかんが鍋の中に入れといてくれた!
 まんとう。おいしい~♪

台所の洗い物・炒茶鍋や柴の準備・各部屋のお掃除。。。終了。

さあ、すっかり雨もあがっている。やるぞーーー♪
 井戸水を汲んで運んで、汲んで運んで。
たっぷり運ぶ。
どこへ?
さっき、まんとうが入っていた大鍋に!  

次。 その大鍋の裏にまわって。。。
 
火を起こす。
湯を沸かしまーす。 
湯を沸かす時と炒茶の時では、柴の種類もかまどの火の作り方も違う。
ぐらぐら熱湯が沸いたら、またバケツで運びまーす。大きなたらいの中に。

もう分かったかな?
そう! その熱湯を井戸水で割って、体を洗うのでーす♪
昼間に頭や体を洗う、これ常識。
気温が下がる夜に頭や全身を洗うのは、この時期でもまだ自殺行為。
暖房なんてもちろんない。ドライヤーなんて聞いたこともない。
寒ければ着る、動く、寝る、暖かいものを飲む食べる、日向に出る、が常識の生活。
たらいに溜められる熱湯も限定、一度に大鍋ひとつ分+魔法瓶。
おしりまでしかお湯には浸かれない。
それでも、一度にそんなにたくさんの熱湯を使うのはとても贅沢な行為です。

風邪をひかないように急いで要領よく洗う。準備を整えたら。。。
さあ~、よーいどんっ!

入浴シーンは省略ね。(笑笑)
ついでに、そのお湯で頭も洗ってさっぱりさっぱり~。

お次は、洗濯!
おとんとおかんと私の分を、まとめて洗いまーす。
洗濯機なんてもちろんない。手で洗います。茶汁はなかなか落ちない。
ここでも井戸水が大活躍。何度もバケツで汲み上げる。
おかんは洗ったあとの大物は河に行ってすすぐことが多い。
井戸汲みも量が多ければ重労働だし、河には近所の人がいろいろなものを
洗いに集まっているので、どっちかって言うとおしゃべり目的?!あはは~。

洗濯している間に髪の毛も乾きました!

 干したら次。

お昼の準備~♪

水ぶくれ第何号?

本日の手♪
 炒茶初日の昨夜から少しずつ増殖中~。

眠い!
朝は5時30分起床。先に寝る、本日分のブログ後回し。ごめんなさーい。

愛子鍋デビュー。今日の茶葉。びっくりびっくり。
誰かが完熟果物の濃厚な蜜でも混ぜたんじゃないの?!?! ひえーーー♪
なんだなんだ、なんでなんで、どうしてなのーーー♪
気候・原料(場所・土壌・品種、等)、有関係。

翁の龍井、老蓬の第一蓬、本日来た!
4箇所同時に初摘み日。雨の後、今日は21度まで上がったから。
全手工で炒る農家が一件もなくなった?どこでも青鍋は機械利用?・・・げ。
歌おじちゃん分かっている、依頼済み、私の茶葉だけ全手工で別に炒茶。感謝ーーー♪

晩安~☆

蜜味

『すごい! 愛子、ふたつとも茶末がこれしかないぞ!』
「あ。ほんとだ。。。正好の工程だね、すごいや!」
 左:第1鍋 右:第2鍋

『うわーーー、愛子碧螺春はす~んばらしいなーーー!!』
「なに言ってんの! ほとんどふたりで一緒に炒めたじゃん!
重要な工程はおとんが手伝ってくれたからこんな仕上がりになったんでしょ。
全工程をひとりでするのは、やっぱりまだ難しいなぁ・・・。」

『もうできるさ。明日は最初から最後までひとりでやるんだ。テストだテスト。
柴準備も調整も何もかも全部自分でやるんだ、もうできる! 俺は一切手を出さない。
あっちとこっちで別々に炒って、ふたりで炒茶比賽だー!』
「よっしゃ、受けて立とう!」
ふたり大笑~♪

第1鍋                         第2鍋
 
今夜の炒茶も満意なり~♪

お片づけしたらさっそく品茶&反省会。

入りました!                        開きました。お湯を注して、どうぞ~♪
 → 
左:第1鍋 右:第2鍋                     左:第1鍋 右:第2鍋

え? 香気が違う? 湯色、濃い。

うえええーーーーーー。何じゃこりゃ!!
甘い。甘い。蜜のように甘い。う・うまい。。。滋味が濃い~。
まだ一煎目なのにーーー。信じられない。なんでなんで。どうしてどうして?

「ちょっとちょっと、おとん、飲んでみてっ、すごいよ今日の。」
『うまいか?そりゃ好かった。昨日とそんな変わらないだろ?』
「違うってば。昨日のも好いけど、好さが違う、タイプが違うよ。
今日のは蜂蜜みたいに甘い。すごく甘い。濃いよ、湯色も違う。早く早く!」

『どれ。。。確かに濃いな。。。うわ~、甘いな~。』
「でしょ?でしょ?蜂蜜というより果蜜だね、完熟した琵琶とかの。なんで?なんで?」

『カーンの強さじゃないか?』
「それも可能性あるけど、昨日の2鍋もカーンは今日と同じ位の強さだったじゃん。」

『ただ愛子が慣れてきて、昨日とは印象が違うだけじゃないか?昨日も甘かったぞ。』
「そうなんだけど、違うんだってばー。」

『となると原料か。。。ああ、今日は果樹の真下の樹がほとんどだったからな。』
「土壌だ!」
『土壌は大きいからな。そういえば昨日摘んだ場所と今日とは大部分が違うなぁ。』
「昨日のはすごく清高で澄んだ甘み、高山だ! 昨日のも好かったよー!
でも今日の甘みはすごく珍しい!年に数回あるよね、こういうのが。昨日と大きく違うのは原料だけ?」

ふたり飲み続ける。
『やっぱりカーンじゃないか?』
「違うよ、それもあるけど絶対にそれだけじゃないってば~。」

不思議がるおとん。
『昨日のと比べてみよう。』
「うん!」
『どっち?1か?』
「いや、2。カーン強めの方と比較した方が条件が近い。』
『そうだ、そうしよう。』
まだ半信半疑のおとん。

昨夜の第2鍋、急いで追加。
 やっぱり香気のタイプが違うぞーっ!

『おおー♪ ほんとに違うな~。今日の甘さは特徴あるなー!』
「でしょでしょ!なんでなんで?」

『まず気候が違うな。今日は暖かかったからな。湿度も高かった。
原料土壌の違いは大きいな。果樹の真下の土壌は甘いんだ。
昨日の原料は芽も今日より大きめの品種が多かったから、取り除いたやわらかい葉も多かった。
そこに水分も多かった。
今日は昨日と比べるとぱっつりした芽尖状態の品種が多い。芽の内水分量が多い。
それとやはり工程も大きく関係するぞ。』
「だね。」
『あと昨日と大きく違うのはなんだっけ?』

同時に 『愛子鍋ーーー♪』 
ふたり沈黙。

「愛子鍋、きっと蜜が入った鉄なんだ。」
『そうだ。絶対そうに違いない。」  
ふたり真顔。

「おかーんっ! 大変だ大変だ、大問題発生だよーーー♪」
『なに?どうした?どうしたのーーー。』
おかん布団から起き上がる。。。おとんとふたりでにやにや。

「今日のお茶が。。。今日のお茶が。。。」
『失敗した???』

「とってもとってもおいしいの~~~~~♪」

愛子鍋デビュー♪

よく洗って高温で熱して。。。
まずは茶片を炒茶しながら洗鍋。
全鍋肌で強めのカーンしながら、デビューの準備。もう一度洗鍋してすすぎ、
すすいだ水の味を確認。。。もう大丈夫。いけるっ!

愛子鍋、入りまーす♪

愛子鍋、炒茶しやすいーーー!!!
非常に好い鉄鍋だ♪

第一鍋&第二鍋、炒茶完了!

 第二鍋、紙に移した後、最後にちょっとホン干。

 明かりの下で比較。
好炒~~~♪ 
愛子専用鍋、素晴らしい! 茶芽の滑り方が違う! 素晴らしい炒茶心地~!!
早く飲みたい。。。うずうず。

おかん『愛子~。ごはーーーん!』
   「はーい、洗鍋したらすぐ行くーーー。」 

 お・お腹すいたぁ~~~。いただきます!

白果

 その頃、白果(銀杏)の芽は?
あら。今年はまだ発芽していない。
茶摘は始まっているのに、なんで。おとん?

『そんなことはないさ、昨年と同じくらいだろ?今年は茶樹より遅い?
ああー、茶樹の方が暖冬や春の気温変動の影響を受けやすいからな。
白果の樹は大木だろ、自分の中に季節があるんだ。
少しくらいの気候の変動なら、小さい茶樹のように発芽タイミングへの影響はない。
生長のスピードも違うだろ? 茶芽は一日暖かければ一斉に生長してしまう。
しかし、大きく気候が違えば白果自身の季節だって変動するさ。

白果はある日突然、気が付かないうちに花が咲くぞ。(=発芽する。)
昔から、白果の開花を見た人は発財する、って言われているくらいその瞬間を見るのは難しい。
そのくらい、突然開花するんだ。
今日までなんともなかったのに、次の朝見ると一斉に発芽しているんだ。驚くぞ~!』

「じゃ、毎日よく見てみよっと!」
『おお、一日中そこで見張っているといい! わっはは~。』
「本当に発財するかふたりで実験してみなくっちゃ! あっはは~。」
『朝から晩まで見ているだけで発財するなら、そりゃ楽でいいな~。そうしよう!』
ふたり大笑。

「この樹、いくつ?」
『確か90~100歳くらい。俺が子供の頃にはもうこの位(両手で円作る)あったな。』
「うわ~~~。おとんの人生全てを見てきた樹だねー♪」

『愛子、開始炒茶ーーー。』
「好~♪」

楝葉終了

本日の楝葉終了しました。早い!
実は近所の人に手伝ってもらったのだ。へへへ。
おかんが疲れやすくなっているから。病気になったら大変だものね。
これから日に日に忙しくなってくる。今のうちに少しでも休むように、おとんの配慮。
おかんが倒れたらおとんも大変なことになるもの。
 今日はどのくらいの割合かな~。

およ。今日は昨日より無駄がない!
昨日とは、メインで摘んだ場所の芽の状態が違うから。
昨日は高山に大きめの葉が付いた品種が多かったから、それを丁寧に取り除いた。
今日は芽が小さくぱっつり水分が中に閉じ込められている感じの状態の芽が多い。

おかんが奥から何か出してきた。
何やらちゅーちゅー吸いながら。。。今度はなんだ?
 牛乳だ~!

今日は暑かったから飲め? はーい。 ハサミでちょっと切って、ちゅ~。(←吸って飲む)
で、なんでおかんはそんなところ(袋の側面、針みたいに小さい孔)からちゅーちゅー吸っているの?
間違ってハサミで突いて孔が開いて噴出した? あはは。
服にいっぱい垂らしているよーーー。
「おとん! よだれ掛け、早く!」
『でっかい赤ちゃんだなぁーーー。わっはは~。』byおとん

どぅんどぅ~

これは昨秋収穫のみかん。
 この中に5つの品種が混ざっている!
おとんがどれがどの品種でどんな特徴なのか教えてくれる。
さあ、どれが甘いかふたりで品みかん~♪

おかん『愛子、みかん食べたらこっち手伝ってー。』
「はーい!」
お昼ごはんの準備。。。茄子切ってピーマンちぎって。。。かまどの火を起こして。。。

できましたーーー♪
 
東山おかんのどぅんどぅ~は、スープ代わりになるくらいやわらか~く、ね。
今日はお肉入り。

食べたらすぐに楝葉開始ーーー。加油!!

巡回

高山(と呼んでいる場所)は昨日おかんが摘みながら巡回したので、
それ以外の果樹園全体を巡回。
摘み残しがないか、どの樹が明日摘み頃になるか、摘み頃が近日中なのはどの樹か、
などなど、チェックして一本一本の生長具合を頭の中(おとんのね!)に入れる。

果樹園の碧螺春は茶園の茶樹ではないので、龍井のように畑の場所ごとに摘むわけではない。
複合果樹園全体の中に共生している茶樹の、摘み頃の芽だけを摘む。
毎日果樹園のほぼ全体を移動しながらの茶摘となる。
今日はここ、明日はあそこ、ではない。
だからこそ、日によって少しずつ香りや味わいの複雑さが違い、
茶園では作れないような素晴らしい碧螺春が毎日毎日生まれる~♪

『愛子。ちょっと来てごらん。』
「はーい。」

『この樹はすごく好い老品種だ。 見ろ、この芽の形! 美しいだろ~♪』
「ほんとだー。理想的な姿している! これは摘みやすそう。」
『このまま生長しても開かないんだ。隣は味は好いが発芽後すぐに開いちゃうからな。
こいつは好いやつなんだ。味もいいぞ。食べてごらん。ほら。』
「うわ、香り好い。これ、あまいねー。」
『だろ。』

 
『この樹を今年はもう少し大きくして、枝を増やすぞ。
ここ辺りからこうやって地面に埋めて株を大きくして(中略)、そうすれば来年はもっと量が多くなるぞ。
明日くらいから少し摘めるな。』

「あれ?これは?」
『ああ、それが一番早く発芽する新品種だ。全部摘まれてから時間も経っているだろ?』
 
「ほんとだ。葉が違うね。きっと苦いんじゃない?」。。。摘み残し発見、ぷちっ、もぐもぐ。

「あれーーー、苦くないね。どっちかって言うとあまい印象の方が強い。」
『苦くないだろ。それは新品種でも最近の品種、形も味も好いからって、高かったからなぁ。』
「あははー。」

「え・・・。おとん、改良品種作るの?」
『するわけないじゃないかーーー。それも研究用に一株買ってみた。』
「よかった♪」
『心配するな。この村ではな、100%伝統品種だけで製茶している家は俺んとこ一家だけになったんだ。』

「うそおーーー?!」
『誰が嘘つくかよ。自分で見てみればわかるだろ。』
「昨年はまだ何家かいたじゃん。その人たちも?」
『そう、だんだん新品種を増やしている。老品種と半々という家が今はほとんどだ。』

「老(伝統)品種と新(改良)品種と、彼らはちゃんと分けて製茶してる?」
『するもんか。事前にそういう要求がなければその日の分は混ぜて炒るに決まっているだろ?』
「分けないの?」
『そんな面倒なことする家はないよ。碧螺春でそれをするのは現実的に難しいだろ?
それに老品種として全部売ったほうが高値がつくだろ。
100%の老品種なんて量が少なすぎる。
新品種を混ぜたほうが生産量が多くなるし、外形がきれいに見えるから売りやすい。
それにな、混ぜたって飲んでそれを分かる客なんか普通はいないぞ!』
「そうか・・・。そりゃそうだよね。あはは~。』

 これは明日だ!

『愛子~。帰ってご飯食べよー。お腹空いて死にそうだよぉ~~~。』
「好~。回家了~♪」

帰り道。村の中。
軒先で茶苗の準備している人発見。
おとんを呼んでいる。
 好い茶苗の選び方等、伝授中のおとん。

こういうとき、おとんは本当に夢中になって楽しそう~♪
お腹空いて死にそうだったんじゃないのかなぁ~?(笑笑)

なんてこった!

ドカーンドカーーーン、って朝からうるさい。なんだ?

用事ひとまず終了。おとんとおかんを迎えに行く。

比較的村に近い果樹園のど真ん中に、大きな路?!
話は聞いていたが、こんな近いところにーーー、なんてこったーーーっ。

  
観光客の車が入れるようにする?
茶楼や農家飯や季節の果物を売る店をずらりと作る?
旅行地として開発?
    
うぅ・・・・・・。

まるで数年前の龍井の産地を見ているようだ。
農家さんたちの苦労が減り便利になり生活が豊かになる。。。なら素晴らしい。
でも店を開くのは?果たして誰になる??
ここもいつかは梅家塢みたいになってしまうのだろうか・・・。
いや、立地的に見てそこまでにはならないだろう・・・いや、先のことは分からない。

おとんが山から下りてきた。摘んだ茶芽を近所の人に預ける。
ふたりで明日の下見、果樹園巡回。

 なんてこった!

おとんと私が最初に出会った果樹園の蜜柑の樹がーーーっ。・・・ない。ふえぇ~ん。

この場所は売った?
路の隣は汚染されるから? 
指定の場所は全員強制的か。

そうね。
この路の両隣の果樹にはすでに埃が・・・。

『さ。愛子、山に入ろうっ、明日の準備! 巡回巡回~。』
「はい♪」

品比

おとんとふたつの鍋を品茶比較しながら、本日の炒茶反省会。(笑笑)

『非常好ぁ~♪』
「ほんと?ほんとほんと?」
 う・うまい~~~あま~い♪

詳細にチェック。
 
第一鍋                            第二鍋

「やっぱり第2鍋だね。カーンが好かったんだよね?」
『そうだな。このふたつで比べるならな。でもその差は大きくない。見ろ!どちらも非常に美しい。』
「またぁ~。でも明日はもっと注意しよっと。」
『1より2の方が、鍋全体の温度も高温平均取れているからな、2鍋の方が炒茶しやすいだろ。』
「確かにそうだね。そうだ、1鍋と2鍋のカーンする場所も若干変化させた方が好いかも。」

『明日研究してみよう!』
「はーい♪」

炒茶工程話でまたまたおしゃべり延々。夜は更ける。
収穫量が少ない今のうちに少しでも寝ておかなくちゃ!
とは言いつつ話は止まらずすでに真夜中。あはは。

顔洗って、足洗って。星星みながら歯磨きして。。。寒い。

ただいまの服装。
上:雪山登山用の分厚い長袖アンダーシャツ・Tシャツ・スキー用アンダーシャツ
   ・薄手フリース・中手フリース・厚手フリース・おかんから借りた長袖上着
下:雪山登山用のタイツ・厚手のフリースアンダーパンツ・フリース裏付きのパンツ
足:五本指ソックス・おかんが準備してくれた足全体がすっぽり入る綿入りのスリッパ
こんな感じでーす。

明日は雨が降るかも。。。晩安~☆

炒茶

第1鍋、最初から横でただじっと見ているおとん。

き・緊張するってばぁ~。

『最初の殺青の音でもう分かった。これは好い鍋だ。好い茶になる。ちゃんと覚えているんだな~! いいぞ!』

 第1鍋、できたーーー♪

どうよどうよ~。(笑笑)

ん。。。もう少しカーン強めでもいいな。次だ次!

 あ。またおとんが洗鍋・・・すみません。

第2鍋入りまーーーす!

 終了~。本日の手♪

 明かりの下で比較。
右:第2鍋の方がやや好い。カーン強めにして正解♪

洗鍋。。。茶片仕上げて。。。お片づけ。。。本日の炒茶終了!

晩ごはーーーん。 

愛子専用鍋登場ー♪

じゃじゃーーーん!!
 私の身長に合わせた愛子専用鍋でーーーす♪

昨春おとんが私に言ってくれたこと、覚えている方いらっしゃるかしら!?

おとんは約束通り作って待っていてくれました。非常感動了~♪

写真撮っている間に・・・
 ぎゃー、おとんが直前洗鍋してくれている。
やりますやります!!

新しい鉄鍋だからね。まずは茶片を炒茶して、鍋おろし~♪

 殺青&強めのカーンを鍋全体でして。。。
ここで一度、起鍋&洗鍋。

 高温で熱して。。。

茶葉準備!  
             今年の私の初釜は明前茶の第一日目茶葉だ♪

そろそろいいかな~♪ 鍋の中を聞、聞してっと。
ん? ・・・あ、まだダメだ。

「おっとーん、まだ少しにおいが気になるぅ・・・。どうしよう。」
『どれ。。。ああ、ほんの少しあるな、やめておこう。もっと洗って熱してを繰り返してから、
明日もう一度茶片で洗鍋だ! ほれ、あっちの鍋準備だーーー。』
「了解!」

愛子鍋デビューは明日に延期~。
 火、入りました。
「ど~お?」  『正好。間もなく来る。軍手つけろ!』
「了解!」

今年の愛子初釜、現在開始ーーー♪

楝葉

お茶準備して~♪
 → 昨夜の!

 東山の太陽に乾杯~♪

おかんがなんか出してきたぞ。。。
 
菱だ!  昨秋から取っておいてくれたの?   わーいわーい。食べる~♪

楝葉進む。
 → 
楝葉前                       楝葉後(左:碧螺春になる部分&右:茶片)

楝葉できたのはこっちへ入れる!
 
                             せっかく取り除いた茶片はそこに混ぜちゃダメよ~。

4人で5時間。
本日の楝葉終了ーーー。ばんざーい♪

おとんは、よく測量をする。
ここでも測量してから、前後どのくらいの割合になったかを記録。
本日の毛茶=6:4=碧螺春:茶片。
この時期の茶葉として好い成績。無駄のない茶摘み!

今日は正好の2鍋がいけるね♪

ちなみに昨夜から2鍋になった、それまでは日に1鍋、20日だけ茶芽停止で茶摘なし。
昨夜は1鍋では大きすぎたために小鍋×2にしたおとん。
一般の炒茶人なら面倒だから1鍋で炒茶してしまう量。
が、おとんは絶対にそういうことをしない。
1鍋の量が多いと製茶が雑になって好い工程になるわけがなく、
好い炒茶にならなければ好い碧螺春にならないから。
時間が倍かかってもそういう場合は2鍋に分けて丁寧に炒るおとん。

本日は正好の量で2鍋!
これも摘んだ茶葉を果樹園から下ろしてすぐに測量した段階ですでに想定済み。
楝葉後も予定通りの重量。

先摘み&後摘みに分け、調整してきっちり2等分にし、先に2鍋分に分けて炒茶準備するおとん。
ここらへんもおとんの丁寧な性格、製茶に対する意気込みが出る。。。好きーっ♪(笑笑)

一般の炒茶人? 適当に半分にするよぉ・・・。楝葉も・・・。
そうやって仕上げても本日の相場価格で引く手数多の希少な茶葉なんだもん・・・はは。

さて!
 右:2鍋 左:茶片

それ行け、柴の準備だーーー。 炒茶だ炒茶だ、きゃっほ~~~い♪

明前茶第一日目の毛茶

 んん~ん♪
今日は2鍋いけるね!

昼前には本日詰める茶芽は摘み終わり、おとんとおかんが山から下りてきた。
理想的な時間だ。碧螺春だからね、このまま炒茶することは出来ない。
茶摘と楝葉はほぼ同じ時間がかかるから。

午前の私は、老四に頼んで一緒にあることのために奔走していたため、茶摘は明日から。

すぐにみんなで楝葉開始~! と行きたいが、その前に選別作業、これ大事。
この作業も、他の碧螺春の作り手さんたちと比べると、おとんは不思議な存在くらいに非常丁寧。
ここだけ見ても、その作り手の性格や製茶方法がとてもよく分かる。

はーい、手伝いまーす♪

楝葉前の選別中。

進んでいます。
小芽を取り出した後、楝葉がやりやすいように芽の大きさ・摘んだ順番・果樹園の場所ごと等に分ける。
終了真近。

茶葉の選別作業をする場所。
 茶片を落としている。
そっと振り上げて、比重が軽く落下が茶芽より遅れる茶片を、茶芽と分けて下に落とす。
この時の茶片は捨てる。例え家用でもおとんは炒茶しない。
選別で取り除いた雑物が混ざっているし、下に落としたから衛生的でないからね。

 今春は老品種も凍死影響が若干ある。

選別終了!
 小芽:楝葉の必要ない部分
 小芽その2:楝葉必要、楝葉する部分が少ないので早くできる
 楝葉します(みかんメインの果樹園でおとんが摘んだ分)
 楝葉します(高山の楊梅メインの果樹園でおかんが摘んだ分)

 準備好了。
小[女尼]子!
↑が今春の茶葉専用ほうき&ちりとり。来たら間違えないようにね、よろしく~。(笑笑)

お昼ごはーーーん♪

東山ただいま♪

  エンジン全開~!

      まずは食べるべし。 

老四、空港まで迎えに来てくれる。
横にいるのは? いとこ! 始めてだね。
で、どのいとこ? 東山のおかんの妹の息子! よろしく~。

さっそく屋台♪
  
いいねいいね、中国が来たっ、ファイアーーーッ。

おっとーーーん、ただいま~♪
明かりひとつない村の小道をリヤカー押しておとんが迎えに来てくれた。

おっかーーーん、ただいま~♪
布団の中から騒いでいる。はいはい、来たよ。じゃ、おやすみ~。(笑笑)

おとん早速今晩炒りたての碧螺春。
 分前茶~♪

入りました。
 → 
                                     出ました。さあどうぞ!

明日から明前茶。
碧螺春、分前茶囲んでふたりおしゃべり。延々。夜は更ける。

愛子の残り物出発♪

今回は、05碧螺春&05龍井です。

小分け用にすでに包装してしまった分。
グラム分けの大ロットのほうは、2年経っているのに信じられない!うまいっ♪ ・・・のでぇ。
こちらの茶箱はまだ対象外ですぅ~、へへ。

年明けすぐに確認品茶を始めた。
今春出発する前に発送したくて、でも時間が作れなくて、とてもとても気になっていた。
一昨日の夜まではもう無理だとあきらめかけていた。
出国ぎりぎりに実現できたーーーっ!! (小亀が手伝ってくれたお蔭です。非常感謝小亀!)


詳しく文章書いている時間がない。すみません。
お手元に届いて疑問に思われた方、どうぞこちら↓をご覧くださいませ♪
http://www.chinatyparty.com/blog/archives/cat5/index.html
今回は全ガゼットに黄色シールを貼れなかったので、全体にひとつ貼りました。
どうぞご了承くださいませ。

2年前の05年。碧螺春&龍井。
ここにきてどんなに素晴らしい茶葉だったのかがよく分かります。 嬉しぃ。。。
それらの茶葉から教えてもらったこと、更に今春に活かします。
旬に品茶してくださったみなさま!
本当にどうもありがとうございました♪

ついでに私も出発します。(笑笑) ではでは、いってまいりまーす!

 

龍井初釜目前

翁家山の龍井の老蓬(伝統品種)の初釜は、まだです。

あと数日。
3日~5日位で一番早い愛子お気に入りの高山の初摘みがくるだろう、
ただし気温が上がればね、と2日前の翁家山の歌おばちゃん。

明日か明後日くらいかな?
碧螺春とは環境が違うからな。

新蓬(新品種)は10日頃にはすでに始まっている。
しかし15~16日に雨が降ってからは、止んで降って繰り返しているので、
ちょっと摘んでは次の日休みちょっと摘んではまた次の日休み、
の繰り返しだそうだ。

一昨日の昼で10度・・・寒い。
この気温では茶芽は動かない、ほとんど生長しない。
ただし、気温が上がれば芽は一斉に生長する態勢に入っている。

龍井老蓬初釜目前!

初釜は分前茶

15日が初摘&初釜。

はっやーーー。バリバリの分前茶だよーーーっ!!

早摘み改良した新品種ではありません、そちら方面はもうとっくに始まっている。
東山のおとんの碧螺春が! 老品種(伝統品種)が!! です。

結局、東山のおとんが2月に予想した通りだったぁ~。
昨年と同じくらいになるかと思わせる小寒波が3月初めに来たが、
それはほんの数日の出来事で、また気温が上がり始めたそうです。

15日から連日摘んでいるそうだ。
さすがにまだ1日1鍋。 この時期に2鍋もあったら、それこそ恐ろしい異常気象だよ。
このまま行くと、私が到着する頃には2鍋になるか?
え?春分に2鍋?! ・・・早い。・・・今年は本当に早いぞ。

今日はすでに摘み終わったそうだ。
たった今電話して、果樹園から戻ったおかんから聞いたところ♪

このままの気候で進むと、今年は分前茶が???
分前茶が6日もあるーーーっ! ひえ~~~。 
こんなに早かったら相場も上がっているだろう。 うえ~~~。

このまま気候が進んだら、清明節には終わる? うっそ~~~ん。

今考えても仕方ない。
まずは出発できるように、さっさとやることやれーーーっ!!
戻ります。(笑笑)

07碧螺春&龍井品茶会予定♪

帰国後の5月に品茶会予定しています♪

会場の予約ができた週末。
・5月19日(土)&20日(日)
・5月26日(土)&27日(日)

どちらの週末もやるのか、どっちかだけにするのか、
土日両日するのか、どちらかだけになるのか、
いずれにしてもまだ決定はしていません。
5月の自分の予定も、茶葉の予定(まだ摘んでもいないし。)も、
現段階でははっきりしていないので!

しかし、帰国後ではキャンセルは可能だが予約が間に合わないので
とりあえず空いている週末をキープ、どちらかの週末に2回やる、という目標。
もしも、この両週末4日間できるくらいのご希望者がいらっしゃったら嬉しすぎちゃう♪
そうなったら両週末4回やりたい! …経験上そんなことは無いと思うけど。(笑笑)

念のため6月に空いていた週末も仮予約。
・6月 2日(土)& 3日(日)
・6月23日(土)&24日(日)

5月にご都合が合わず6月なら、という方が重なった場合に備えて念のためキープ。
鉄観音の品茶会ご希望者が集まれば、このどこかを鉄観音品茶会にするのも好♪
ここに来て05秋天の鉄観音の「おいしすぎ&すごすぎ」に驚いて嬉しすぎの私。(笑笑)
07碧螺春&龍井品茶会が実現したら、05&06の鉄観音品茶会もやりたかったりする。
他の視点の品茶会にするのも好♪
いずれもご希望者が数名いらっしゃれば、の話!

そこでみなさまにお願い♪
今からご参加希望があってご予定がはっきりしている方はどうかご連絡ください!
ご希望者が多い日を可能な限り優先したい。
または、会場予約日にはご予定入れないでおいてくださ~い。(笑笑)


みなさまへ!
ここからはメール等のお返事が非常に遅れるor用件のみ愛想なし、の可能性大です。
ご了承いただけますようどうぞよろしくお願いいたします。
毎度本当に申し訳ございません。

品茶ご希望茶葉がある方へ!
急ぎご連絡くださいますようお願いいたします♪
大陸にいる間&直前直後はお届けできませんので・・・本当にすみません。


今春は早く帰ってくる予定です。1ヶ月で!
いつもの春より日数が少ないので、絶対に絶対に外せない茶葉だけを更にセレクトして
碧螺春と龍井の産地をハイペースで駆け回ることになるでしょう。
途中から小[女尼]子が合流するので、ブログは昨春より充実する♪。。。はず。(笑笑)

春です♪

炒って参ります♪
出発まで秒読みに入りましたっ!


暖冬だったのは中国大陸も同じ。
碧螺春と龍井の産地もまた同じ。

2月の中旬には、新品種(改良品種)はすでに動きが始まっていた。
同じ頃、伝統品種(在来種)は通常通りまだ動きの気配はない。

毎年行われるようになった碧螺春の通称『炒茶大会』は、3月10日に行われた。
大会で使われる原料は、早摘みできる新品種等を各方面から集めたもの。
最近始まったこの大会の頃、産地の伝統品種はまだ発芽しないので摘めない。
それにしても早い・・・早すぎる。

この大会は、私たちが飲みたい伝統品種の碧螺春の茶摘み開始予想目安にもなる。
04年、特に春が早かったこの年でも確か15日。
しかしその直後に寒波が来て茶摘みは停止状態が続いた。
05年は、非常に春が遅く27日。
3月中旬になっても気温が上がらず、お蔭で私たちは初釜を追いかける旅ができた。
発芽しないので大会も延期し、現地に入ってから地元のテレビで大会の様子を見た。
06年は、東山のおとんが幻の分前茶を製茶できた茶摘早めの年。
早めに始まり気候が理想的に進み終了も早かった。その昨年でも18日。

今春、07年は10日。
しかし、その数日前に雨が降り寒波が来て小停止状態に入った。
そのため、2月の時点では例年より特別早いと予想されたが、少し早めの予想に戻った。
それでも、農暦から読むよりは早く、このままだと昨春とほぼ変わらないだろう。

農暦を見れば、今春は昨春よりも5日ほど遅れた茶摘み開始と予想される。
しかし、暖冬は碧螺春や龍井の茶樹にも影響する。
最近の気候は、その土地に生まれ育ち何十年もその茶を作り続けている茶農家さんでも
読めないことがある。特にこの5~10年、それまでにはなかったような製茶時期の
突然の気候変動が多い。製茶開始の直前直後や数日後や途中や後半にも、
産地の方々が経験したことのないような想定外の真冬日や真夏日がくることもあるのだ。

暖冬の年は、春先になって思い出したような寒波が来ることが多い。
そうでなければ、一度茶摘に入ってから途中で寒波がやってくる。
春先の寒波で雪が降れば、すでに動き始めている新品種には凍死影響が多く出る。
遅れて発芽する伝統品種の茶摘が始まってからの寒波がくれば、
茶摘みの途中で数日間の停止状態がきて、その後一斉に発芽してしまう。


12月末。
この暖かさのまま春になってしまうことはまずないだろう、必ず春先に寒波が来る。
とは思うものの、もしかしたら温暖化の影響でこのまま春になってしまう可能性もある。
どちらにしても例年よりは早いだろうと覚悟し、芽が動き始めたら出発できるよう
1月に入ると急ピッチで仕事等を進め、春に向け準備してきた。

2月中旬、春節18日、東山のおとん。
『今年は早いぞ、暖かい冬だった。
新品種はもう芽が動き出している、雪もないし雨もない。
間もなく新品種は摘みに入るだろう、外地はすでに始まっている場所もある。
寒波が来ずにこのままの気候が進んだら、伝統品種も15日には初釜が来るな。』

伝統品種が15日ーーー?!?!
もしかして今年も清明節頃には終了してしまうのでは?
大変だ・・・かなり焦り始める。ダッシュ・ダッシュ・ダッシュ。

3月中旬、11日、東山のおとん。
『雨が降った後にここ数日は冷え込みが続いている。
発芽スピードも一時停止している。焦らなくて大丈夫だ。
とは言っても、早かった昨年と大きく変わらないくらいになるだろう。
今年も分前茶ができるだろうな。早く来れるなら早くおいで!
しかしもしも初釜に間に合わなくても焦るな、大丈夫だ、俺に任せておけ!』

上半期の展覧会用の作品を全て提出しなければ春の旅には行けない、行かない。
そう自分で決めている。
帰国直後には3年に一度の社中展、これも出発前に提出しないと間に合わない。
今年は多い。まだ仕上がらない。
しかし書いているだけでは食べてはいけない、お茶も飲めない。
仕事もある。書くことや仕事の他にも、生活の中にはたくさんすることがある。
全てやるのだ。
締め切りまであと数日。出発まであと数日。回転が速くなる。焦る。
全てやり遂げろ。


15&16日、出発目前の大きな楽しみにしてきた目標が実現できた。
smashさん上京、会えた、 小亀も一緒に3人でパジャマ品茶会ができた♪
05秋天の祥華おとんの鉄観音を全て飲んだ、 ここに来てなんというおいしさだ!
のーとみさん恵さん とも会えた♪
みんなで同じ時を過ごしいっぱい歩いていっぱいおしゃべりできた。
一緒においしいご飯ここも。 ここも。 ここも。 )も食べられた。
冗談飛ばしてつっこみ入れて他愛無い話題で爆笑しあえば、詰まった心と体にワンクッション。
友人たちから楽しい春の気が舞い込み士気は高揚、頭が切り替わり集中度が増す。
ありがとう&ありがとう。

東山のおとんに確認する。
小[女尼]子にも確認する。

今、決めました。
農暦二月初三、春分。。。公暦3月21日、出発します♪


最終締め切りは、出発日前夜。
次の日の夜には東山のおとんと会える。
今が最後のがんばりどころ。
がんばれ。がんばれ。とにかくやれ。やるのだ。
おいしいお茶が飲みたければやるしかない。やれーーーっ!!(笑笑)

Home > Archives > 2007年03月

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