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2005年04月

ただいまー♪

お蔭様でふたりとも無事に帰国いたしました!
病気も怪我もなく元気元気でーす。
小[女尼]子がラストでちょっと風邪気味・・・かも?私は火傷の跡だらけ?(笑笑)。
そのくらいです!

メールを確認し、ご心配くださっていた方が他にもいらっしゃったことを知りました。
本当にどうもありがとうございました!
いや、、、私たちのまわりでは最後までそんな気配もなくて
(農家さんや街の人たちとおしゃべり中に話題でちょっと出たくらい)、
「デモ?」『なんかあったの?』「どこで?」そんな感じでした。
帰国した今でも本当にそんなことがあったのか信じられないくらいですぅ~。
運が好かっただけなのかな~? 
とにかく、ご心配くださったみなさまには心から感謝し、無事をご報告いたします♪

帰国後、自分のノートパソが自宅のネット回線につなげなくなっていました。
多分、黄山のお宿で設定を変えたため。これを先に修復作業。
サービスセンターと電話しながら5時間かかった~。
日付が変わる頃、無事に使えるようになりました♪

旅中にコメントや書き込みやメールをくださったみなさま!
ブログを見てくださったすべてのみなさま!
改めてまして、本当にどうもありがとうございました♪
あはは、かなり重くなっていますね~。
そのうち管理人@お兄ちゃんがなんとかしてくれることでしょう。(笑笑)

まだまだアップできていない分が多いのでこれからも差し込んでいきます。
「とりあえず画像だけでも~!」と現場から画像のアップだけしていたところに
文章や説明を加えたりもしていきます。
少しずつやっていきますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
どこか説明を加えて欲しい部分があったり、見てみたい画像があったり、
そんなリクエストがあれば教えていただけると嬉しいでーす♪


帰宅し、さっそく自分の仕事に取り組んでいます。小[女尼]子も今日から仕事です。
いつものことですが、留守長かったから溜まっています。(苦笑)

大きな作品の締め切りも迫っています。
今日からしばらくは、まずこれに全力で集中します。
帰国直後の今の心の状態で一文字に全てをぶつけます。
集中して短期間で一気に仕上げたいっ!   無事に提出ができたら。。。

品茶セットの梱包作業に入ります♪
自分たちが旅で飲むために抜き取った茶葉以外は、
全て仕上がり後に酸素が抜いてあるので、梱包作業ができるまでは開けません!
まだ届いていない分もあります。それまでに全部無事に届くかな?

黄山の極品緑茶たちは、製茶後の選別作業とその後の梱包作業が現場であるので、
届くまでにも時間がかかります。

今の黄山は、緑茶が全盛期で一番忙しい。
6代目も量産茶の方を優先して出荷しています。
現場では、この季節だけのお手伝いの人が多く働いているため、
キープした極品茶葉が、慣れていない人によって出しっぱなしにされたり
他の等級と混ざったり選別や梱包が雑になったりするのを防ぐために、
今の状態が落ち着くまで、極品茶葉は表に出さないそうです。
私がキープした茶葉も、すでに黄山のお父さんと6代目の元で別保管されています♪

先に、《碧螺春》と《龍井》たちがお届けになることでしょう♪
こっちの方が種類が多いので(毎日等級が違い、同じ日の中でも更に等級があるので)
梱包も細かくなり、、、黄山緑茶が後になるのは私にとっても好かった~。

梱包作業前に、もうひとつ大きな作業があります!
この春のお茶葉たちでどんな品茶セットができるのか、
ひとつひとつ計算を出してそこから組み立てて。。。

楽しみにして待ってくださっているみなさまにまずはご紹介しなくちゃね~♪
私の希望通りに実際に品茶セットができるのかどうか。。。がんばってみますねーっ!

本日帰国♪ 

ああ~、もう帰国の日が来てしまいましたぁー。
毎日がんばって時間作ろうとしたんだけど、その日に集中していると1日があっと言う間。
一ヶ月ちょっとなんて本当に早い。

帰国日は当初の目安より2日延ばしました。
それでも、茶友のみなさんのサイトやブログに遊びにいく余裕がぜんぜんなかった。
ごめんなさい~。

旅の直前や旅中にコメント&書き込みくださったみなさん、
ありがとうございました♪
現地にいるときにいただくコメントは、いつもに増して本当に嬉しいの!

最後の最後に。。。ようやく杭州で。
コメントくださったサイトをお持ちの茶友のみなさんを旅して参ります。うふふ。
杭州より《茶友サイトの旅》へ出発~♪
みなさんも一緒に追いかけてみてねー。 ワープッ!

みえさん♪
http://chageikan.jugem.jp/?eid=251
ありさん♪
http://6119.teacup.com/ali/bbs
hideさん♪
http://9016.teacup.com/chahuclub/bbs
smashさん♪
http://smash.blog2.fc2.com/blog-entry-85.html#comment
ふじたまさん♪
http://otdi1.jbbs.livedoor.jp/152854/bbs_plain
ひらたさん♪
http://chinatea.blog2.fc2.com/blog-entry-96.html
(株)さん♪
http://shinshu.fm/MHz/55.00/a00665/0000044584.writeback#comments
KIMIKOさん♪
http://ccg.pepper.jp/nc/?itemid=123
dubianさん(&ZhongShanさん)♪
http://hpmboard2.nifty.com/cgi-bin/bbs_by_date.cgi?user_id=ZTC03762

いかがでしたか?!
ツアーから抜かしている方、いらっしゃらないよね???
もしも、通り過ぎていたら『ここにもいるよー!』って教えてくださ~い。


では、梱包作業(お茶葉じゃないよ、身支度)に入ります!

炒龍井の機械

梅家塢の紅おじちゃんのご近所で、おもしろいの見ちゃった~♪
機械が梅家塢の龍井茶を炒っていたっ!

《越州龍井》とか《大仏龍井》とか、《西湖龍井》でも工場とか企業とか茶荘とか
大量に生産している場所では炒龍井の機械が働いているのを見たこともあるけれど
ついに一茶農家さんまで導入され始めたのか。。。ひょー!


今日見たのは、青鍋(殺青)専門の機械。05年の最新モデル。
技術は確実に進化しています。

いや~、こりゃまたすっごく便利な機械だこと~。
もうびっくり! 目は釘付け!
(きっと初めて洗濯機を見た人みたいな目になっていたと思うよ。あはは!)

しかしこの機械、今春はそれはそれは大活躍だっただろうなーっ♪
今年は気候の影響で茶摘みも炒茶も間に合わない日が連続したから
そんな時にこの子がいてどんなに心強かったことでしょう!
いやはや、本当に好いタイミングで買ったもんだ~。

一度にたくさん炒ってくれるし、平均してきれいに仕上げてくれるし、
どんなに忙しくても文句は言わないし、火傷しないから休憩の必要もないし、
ご飯食べなくても働き続けてくれるし、職人さんを雇うより安上がりだし、
下手な人より全然上手だし。。。もう完敗。(笑笑)

さすがに、灰鍋(回鍋)は人の手で仕上げていました♪ 
(ちなみに、灰鍋の機械も存在するよ。)

ああ~、おんっもしろかったーーーっ♪

再会ごはん♪

とってもお世話になっている評茶の先生と再会~♪
(3月27日のブログ参照してね。)

『明日は雲南に出張しちゃうから、今日いらっしゃい!』
うわぁ、出張続きで帰ってきたばっかりなのに、また明日は飛行機で雲南?
この時期は本当に忙しそうだなぁ。申し訳ないなぁ。

「お手伝いに伺います!」
『大丈夫よ!今日は家じゃなくて外でおいしいのをご馳走してあげましょう!』
「(おいしいの?)行きまーーーす♪」

おみやげおみやげ!
私の手が入った今春の緑茶(笑笑)をちょっとずつと、
湖おばちゃんお手製のおいしい~《話梅》を持って。。。

師匠Aと再会! 一緒にごはんごは~ん♪

杭州です!

夕方、黄山から杭州に向かう最終バスに乗り、夜になって着きました。
高速道路が昨年11月に開通したので早い早い。3時間~♪
これまでが嘘みたい。これから楽になるなぁー!

昨夏、杭州から黄山の向かって乗っていたバスが山道で事故を起こし
進むことも戻ることも出来ない数時間、バスの屋根に登って蝶桃をたべながら
ひとり暮れて行く山を眺めていたことを、とても懐かしく思い出しました。
なんども通ったあの細く険しい山道は、もう通ることはないのかな~。
美しい渓流と併走しながら眺める景色がとても好きだった。そう考えるとちょっと淋しい。。。

バスも立派なのが増えていました!
昨春、香尽美とふたりで乗ったバスとはえらい違う。。。(笑笑)
あの時は、屋根から水は落ちてくるは、前の座席が動いて
ブレーキの度に私たちに向かってくるから、7時間くらいふたりの足で押さえ続けた。
最初はカルチャーショックを受けていた香尽美も、
着く頃には『来るな』と思った瞬間に思いっきり前の座席を蹴っ飛ばしていたっけ。あはは♪

ああーーーっ。そうだー。あの山道を通らなくなったということは?
大変だあ~~~。
休憩地点になっていた《山胡桃》の産地に立ち寄ることもなくなった?
うわ~~~。これはショック~~~。《山胡桃》があそこが一番おいしい。
いつも楽しみにしていたのにな。しょぼん。


さて、また龍井に帰ってきました~♪

セレブな黄山高山緑茶ダイジェスト~♪

 なになに?
《セレブ!》で《VIP!》で《プレミア!》の茶葉たちを勢ぞろいさせたですって?
この日に間に合わせたですって?

ひえ~~~、黄山のお父さん&6代目、非常感謝♪

もお~~~、そんな茶葉に囲まれて今夜は目がぐるぐるよおーーー。
気が狂いそうだわ~~~。ああー、もう何を書いているのか意味不明になってきたわぁ~。

本日早朝、製茶したての茶葉たちが各現場を出発しました。
夕方になって届き始め、最後に現在黄山の高山で製茶している
《黄山のお父さん》からの茶葉が届き、夜になってやっと勢ぞろいしました~♪

各種、今春一番の力作の子たち。とりいそぎ画像でご紹介~!
(夜の室内の蛍光灯下で撮影したのできれいに写っていない。画像の色はご参考までに。)

太平猴魁礼茶(例のあれですっ!):選別前

↑これを飲めばあなたも『VIP』?!

高山太平猴魁の礼茶、初摘みの19日に製茶した超級限定茶葉。
まだ選別をしていない状態です。
出来立てを一番乗りで品茶させていただいちゃった♪

 

太平猴魁特一:選別前

↑こちらも19日から製茶が始まりました、高山太平猴魁の特級の一番摘みの子!

 

太平猴魁の天然野生:野生は選別せずこのまま

↑これを飲めばあなたも『プレミア』?!

昨日21日に製茶してくださった天然野生の一番摘み。
茶樹が少ない天然野生の太平猴魁は摘みに行く日も限られていてもともと限定茶葉。
(私はこれは外せないのだー♪)

 

満天香特級

↑高山で18日から始まりました。満天香の特級の初摘みの子です!

 

黄山毛峰特級:選別済み

高山の毛峰、今年は3日から始まりました。これも特級の初摘みの子!

 

黄山毛峰天然野生:野生は選別せずこのまま

↑これを飲めばあなたも『セレブ』?!

昨日21日に製茶してくださった天然野生の一番摘み。
太平猴魁の天然野生茶と同様、黄山毛峰の天然野生茶も茶樹が少ないので
摘む日が限られもともと限定茶葉。
(私はこれも外せないのだーーー♪)

 

 ああーーー、もおーーー、頭おかしくなりそおーーー。(愛)

ブログ差し込んでいま~す♪

黄山のお宿でも、高速回線(それなりに!)が使えるようになりました。
すばらしい~。パチパチ♪

映像の長さや画像の大きさなどの編集ができたものや、
アップするのが追いつかなかった文章などを少しずつ差し込んでいまーす。
龍井も少し追加できました~。てへへ。

アップしても《最近の記事》には表示されないのですが(笑笑)前の方も覗いてみてくださいね♪

では、ちょっと遅くなっちゃったけど行ってきまーす。ごはんごは~ん!

黄山到着!

昨夜23:11、蘇州から火車(列車)に乗り、
今朝08:50、黄山に到着しました。

蘇州と離れるのは・・・ほんとーーーに、辛かった。
もっとやりたかった、もっと知りたかった、もっと一緒にいたかった。
この想い。。。きっと次に繋がる!きっと次に繋げる!
東山のお父さん、西山の湖おじちゃん、待っててねーーーっ、必ず帰ってくる。

しかし。。。あ~~~よく寝たっ♪
中国の火車って昔からよく眠れるのよね~。
あの揺れ具合が揺りかご状態で素晴らしく心地好い。(笑笑)


6代目が駅まで迎えに来てくれていました!
車の運転は素晴らしく上達しているし、とても忙しそうだけど元気元気の笑顔に再会~。

黄山緑茶、新品種などはすっかり始まっていますが
高山での礼茶や特級はまだの様子。でもっ!

今日と明日、高山の山の上で黄山のお父さんが毛峰の野生茶を製茶してくれます!
高山の満天香の特級も製茶に入っています!
太平猴魁の礼茶(あれだよーーー♪)も、
製茶したてが明日の午後に届く予定になっています!

6代目『一気に届くぞ!一番新鮮なのが飲めるぞ!明日の午後だ!』


うひーーーっ、ありがたーーーっ、うれしいーーーっ♪  けど・・・おそろしいぃ~。(苦笑)

芸術茶やキーモンなどの特級は?  まだまだ先?・・・救われたぁ~。

回家る~♪

おばちゃんは炒茶の準備のために先に帰宅。鮮葉を持って、昼ごはんの食器を持って。
鍋まで持って帰れないので私たちがあとから持って帰ることに。

私たちも山を下りる。
愛里が鍋を持ち、途中の果樹園の中を通り抜けて村に向かう。
途中、果樹園の中で私たちより背の高い茶樹の中を進んでいく。
愛里はどこにいるの~。はぐれた?

 

女尼「どこー?」 愛『ここだよー!』←茶樹の中から鍋で合図する人。(鍋、見えるかな?)

 愛『おー、ここにもいい芽がいっぱいある!』

愛『頭ぶつけないように気をつけてね!(ゴンッ)あがっ。』

村が見えてきた!もうすぐだ。あつい~。

今日は芽も葉も大きくて摘みやすいから、出始めの頃と違い少しの時間でも大漁だ~。

炒青の頃

   うわ、おっきい!  

けど、まだ好い芽がいっぱいだ!  これも、おいしそー♪
第一蓬が・・・すでに3葉目が開いてきてしまっているよ。あいやー。もったいない。
東山とは違うなー。でも、まだ好い芽がついている素敵な状態だよ!

 

うわー、もう下の方の芽まで開いてきちゃってるよ~。

 

茶樹の下の方の枝や日当たりの悪い枝で開いてきている葉には、
芽があるにはあるが小さかったり短かったり。
これは今日は摘まない。
こういうのが、本来はまずまずの《炒青》になる。

 いっぱいになっちゃってる~。こりゃ大変だ~。

摘むべしっ!

 

白蛇の泉

山の頂上近くまで登ってきた。

愛『こっちこっち~!』 女尼「どこ~?」

そこが『白蛇の泉』? そのすぐ横の茶樹の中で!

「白蛇、いる?」 『今年はいないなぁ。。。しょぼん。』

本当に泉だ!近くからも水が湧き出ている~。

女尼「ここからもブクブク出ているよ!」

女尼「下にふわふわした緑のがある~、気持ちいい♪ 愛子、これ《海草》?」

 愛『こけーーーっ!』  にわとり?

 愛『違う違う。ここに《海草》は生えません。それは日本語で《苔》と言います!』

そうだった、、、。 ふたりで大爆笑~♪

ご飯お届け♪

午前中摘んだ鮮葉を持って帰ったおじちゃんは、すぐに昼ごはんの支度。
出来上がったら10分で食べて、『白蛇の泉』辺りで摘んでいる
おばちゃんと茶摘み娘たちにご飯を届ける準備。
今は摘むのが間に合わないくらい芽がぐんぐん成長するので、茶摘みメイン班は
ご飯を食べに戻る余裕がない。
こういうときには、ひとりが戻って支度して、お昼を届ける?なるほど~!

お手伝いと品茶を終えた私たちも茶摘みへ出発♪

これで持っていくの?ご飯は鍋ごと!

 

暑いよ~、付いていけない、、、。

 みんなお腹がすいたね。

こらーーー!!(怒)

この春、《碧螺春毛尖》を製茶するのが無理なのは、茶摘み娘たちの問題もある。
おじちゃん&おばちゃん、毎日頭を悩ませている・・・。

今年は4人の茶摘み娘が来た時から、どうしても条件が揃わない。
おばちゃんが『こういうのは摘まないで。』『こういう状態で摘んで。』
『こういう風に揀葉して。』『もっと丁寧にやって。』
『おしゃべりしないで手を動かして。』
毎日毎日何度言っても、ちっともダメだそうだ。


「茶摘みが遅いーーーっ!」

茶摘み量が少なければ仕上がり量も少なくなる。
茶摘み娘が来るということは一番の収穫時期なのに
仕上がり量が少なければ、その収入が少なくなる。
好い状態の芽の時に摘み終わらない芽が続出してしまう。
ただでさえこの気候だから、もっとどんどん成長してしまう。
成長してしまえば等級は落ちる。等級が落ちれば収入が少なくなる。

「茶摘みが雑だーーーっ!」

茶摘みが雑だと揀葉で手間と時間がかかる。いつまでたっても揀葉が終わらない。
今の西山の状況では、揀葉に時間はかけていられない。
芽はどんどん出てきている。なるべく好い条件で摘む方に時間をかけるのが優先だ。
だからと言って、ただ摘めば好いというわけではない。
揀葉で時間と手間がかからないように、ひと芽ひと芽丁寧に摘むことも重要だ。

「揀葉が遅いーーーっ!」

揀葉が遅ければ、いつまでたっても炒茶が始まらない、傷む鮮葉も出てくる。
炒茶が始まる時間が遅くなれば、炒茶できる時間も少なくなる。
おじちゃんとおばちゃんの寝る時間もなくなる。
おいしい茶葉にするために、揀葉が間に合わなくても炒茶に入る釜が出てくる。
傷む前に、好い状態でおいしく炒ることを優先する。
ただでさえ一釜の量が多い時なのに、揀葉が間に合わなければさらに多くなる。
一釜の量が多くなれば、丁寧に炒れなくなる。
丁寧に炒れなければ、外形にも影響するから等級も下がる。

「揀葉が雑だーーーっ!」

揀葉が雑だと、炒茶時に手間も時間もかかるし炒りにくい。
本来揀葉すべき部分が仕上がり茶葉に入っていれば、
味が好くても外形が悪くなるから評価が落ちてまた等級が落ちる。
等級が落ちれば、また収入が少なくなる。

「収入にならないーーーっ!」

茶摘み娘たちの日給は変わらない。
茶摘み娘たちの能力が要求に追いついていなくても、支給額は変わらないのだ。
それなのに、逆におじちゃんとおばちゃんの労働力は増えるばかり。
どんなに大量に仕上がったとしても、こんなことではおじちゃん&おばちゃんの
その原料とその管理とその技術とその労働力と、、、それに見合った収入にならない。


湖おじちゃんもおばちゃんも、今年の茶摘み娘たちが来てから
仕上がり量も少なく等級が下がるのは、すでに諦めモード。
寝る時間もなくて疲れきって、もう怒る気にもならない様子。
それでも摘んで摘んで炒って炒らなければ、少しの収入にもならないから
おじちゃんとおばちゃんは寝る時間を惜しんで働く。
働かなければ、茶摘み娘たちの日給も払えなくなるのだ。


原料はこんなに素晴らしいのに・・・。
もっとおいしく仕上げることが出来るのに・・・。

茶摘み娘たちが大変なのも分かる。暑くて疲れているのも分かる。
眠いのも早く寝たいのも分かる。おしゃべりしたいのも分かる。

でも。
自分の仕事にもっと自覚をもてーーーっ!!(怒)
引き受けたのなら給料分は仕事しろーーーっ!!(怒)

私に出来ること。
睡魔と戦いながら火傷だらけ水ぶくれだらけのすごい手でフーフー息吐きながら
炒り続けているおじちゃんとその手を少しでも休めること。
私の手なんて壊れてもすぐに復活する。たった数日のこと。。。炒ります。

おじちゃん! 《スペシャル炒青》は私がやる。横で見ていてーっ!

揀葉(映像2)

あれ?もう揀葉終わり?速い!

 

before揀葉                   after揀葉

揀葉(映像1)

今日も揀葉しなくっちゃ。東山での特訓があるから前より速くできるはず!

んん?なんか前回と随分違うな。

看学

 

愛里は真剣なまなざしでしっかり看て学んで復習。

おじちゃんは電鍋。おばちゃんは柴鍋。

おばちゃん汗で服がびしょ濡れ、とても暑そう。

スペシャル炒青♪

《スペシャル炒青》が登場だー♪

芽はぐんぐん出てきて葉も開いてきているが、
一気に出てきてここまでに茶摘みが間に合わなかったために
ほとんどの葉にまだ立派な好い芽が付いているよ。すごーい♪
これを使えば碧螺春が作れるのに、《炒青》に近い製茶法になってしまっている。

《炒青》にも等級はあるが、《炒青》にはほとんど芽がない。
あるいは小さい芽や短い芽が付いた状態。
こんなに立派な芽がついた碧螺春の《炒青》なんて普通はない。

この茶葉を《炒青》と呼ぶには、立派過ぎる!
こんな芽を《炒青》にする年なんてこれまでになかったって!
もしこれを《炒青》と呼ぶなら、今年の《炒青》は素晴らしく条件が好くて
おいしいということ? 間違いないね♪

実は、最後の方の等級の碧螺春として市場では取引きされている。
でも、湖おじちゃんと私の気持ちとしては、これを《碧螺春》とは呼びたくない。

《碧螺春毛尖》と言いたいところだか、そこまで丁寧に製茶できてない。
だから、《碧螺春毛尖》とも呼びたくない。

昨春は、湖おじちゃん&おばちゃんと私の3人で、芽の条件を揃えて摘み
揀葉の必要がないように最初から丁寧に摘み、丁寧に炒茶したから白毛も浮かび
《碧螺春毛尖》になった。

しかし、今春のこの状況で《碧螺春毛尖》を製茶するのは無理だ。
でも、芽の条件は《碧螺春毛尖》と同じように好い♪
揀葉すればもっと好くなるのだが、、、それは言っても仕方がない。
その代わり、価格はがくんと下がる! なんか申し訳ないけど・・・

おじちゃん、ごめん。これ、私がもらったーーーっ!!
毎日極品ばっかり飲んでいられないの。。。(苦笑)

《スペシャル炒青》の登場だあーーー♪

果樹園♪(西山編)

 

すごいたくさん!おじちゃんたちはお茶で手一杯で間引きする時間どころか、寝る暇もないくらい忙しい。

『この樹は自宅用だからいいのよ~♪』by愛

これ桃?さくらんぼ? ねえ愛里、なにこれ?

 

左が3月29日の画像。右が今の状態。桃の赤ちゃんができてる♪この次こそ満開の桃の花が見たいっ!

 

楊梅の花♪左が3月29日の画像。今はすっかり咲いている♪
あれ?なんか花が違う。
なになに?東山で見たのは女の子の花?これは男の子? へ~そうだったんだ。

 

青梅もおいしそうに成長し、、あ、今はまだおいしくなかったんだ。
画像は上と同じく、左が3月29日のもの。

みかんの花だ~♪もうちょっとだね!

いい香りがする~♪満開になるともっとすごいんだろうな。 (女尼)

お花がいっぱい♪(西山編)

咲いてる咲いてる~、るんるん♪

豆類の花?  『蚕豆!』by愛

にこ~っ♪

イチゴちゃん?たくさんたくさん♪  

うわ~、白果の葉がこんなに大きい!

孔雀菊みたい♪何の花? (女尼)

忙死了ー!

SOSが聞こえる。。。西山に行きますっ!

ここ数日、湖おじさん家はもう~~~それはそれは大変な忙しさ。
連日、日に10数釜は炒茶している。
それを聞いた東山のお父さんは『10数釜?そりゃ大変だー!』とびっくりしていた。

おじちゃん&おばちゃんは、午後は茶摘み娘よりも早く帰宅し炒茶の準備に入る。
昼過ぎにはおじちゃんが帰宅し、午前の鮮葉から炒茶を始める。
おばちゃんは夕方に茶摘み娘たちより早く帰宅し、炒茶を始める。
おばちゃんは家事もこなすのでメインで炒茶しているのはおじちゃん。

一釜仕上げるのに必要な時間は、余熱と洗鍋の時間も合わせると約1時間。
芽が成長するごとに、一釜を仕上げる時間は長くなる。
単純に計算しても、最近のおじちゃんは半日以上釜に手を入れている。


清明節の後に気温の高い日が続いたため、
その後に芽はドンドンジャンジャン出てきて
おばちゃんおじちゃん茶摘み娘たち総出でも摘むのが間に合わない。

今の西山は、どんどん摘んで、どんどん炒る。
碧螺春のように丁寧に摘むことはできない。
碧螺春のように丁寧に揀葉することもできない。
碧螺春のように丁寧に炒ることもできない。

茶摘みが間に合わなくて、2葉目や3葉目のやわらかい葉が開いてきてしまっているのだ!

1芽1葉だけで摘んでいたら、仕上がり量が減る。
こういう状況の時は、1芽2葉を基準に摘む。

今の状態の1芽2葉で摘む場合は、短い時間で大量に摘めるから山のように摘める。
全部を丁寧に揀葉していたら朝になっても終わらないだろう。
もう大きいので摘む時に芽がバラバラになる心配はない。
揀葉で時間がかからないように注意して茶摘みする。

一釜の量を碧螺春と同じ量で炒茶していたら、24時間炒り続けても終わらない。
だから、一釜で仕上げる量は多くなる。
量が多ければ、碧螺春のように丁寧に炒ることは出来ない。

毎日早朝から摘んで、深夜まで炒る。それでも追いつかないのだ!
おじちゃん&おばちゃん、忙死了~~~。

さわやかさん♪

  

女尼「どこへ行くの?」

愛『さわやかさん、を、ね~♪』

  

女尼「きれいになってさっぱりさっぱり♪今日もありがとう♪」

東山の銀杏

 

4月2日のおとん家の前の銀杏の葉の芽。

前日はまったく出ていなかった。 生まれたての赤ちゃん♪

同じ芽が13日後に→こうなった。速いっ!

女の子の樹。白果の赤ちゃんと愛里の指♪

男の子の花。花粉が出た花とおとんの手と愛里の指♪

白果(銀杏の実)の受粉方法、おとんと愛里から教わって私は初めて知った!
ここでは、市場などで花(受粉用の花粉を取る花)が売ってるんだって。

←白果を仕入れる老四と愛里(12日市場で)。

緑色のが受粉用の花 (売られているこの状態ではまだ花粉は開いていないそうだ)。

花が開いて花粉が出てきたら、それを水に入れてよく混ぜて専用の散布機に入れて、
女の子の樹に吹き付けて受粉させるんだって~。
女の子の樹にある白果の赤ちゃんの先に水滴のように光るのが見え出したこの時期から、
花粉水?を撒くのが始まるそうだ!へえ~♪(女尼)

寄り道

あれ?おとんどこ行くの?

ハムスターのえさ採り? 

愛里、、、。 何やってんの?

碧螺春の赤ちゃん♪

ん?

おっ?!

かわいい~♪

おかんがやったの?すご~い!

 

愛『気をつけて歩かないと踏んじゃうよ。』  はーい。おっとっと!

茶摘み

愛『先に行くよ~♪』

女尼「待ってーーー!」

結構急斜面

大分大きくなったね~♪

休憩?は~い♪

楊梅の樹の下で♪

↑遊んでいるわけではありません。一応茶摘みしてます。(女尼)

炒茶卒業?「12点ア~(12時か~)」

3釜目。
何時間もずっと立ちっぱなしなので特に何もやっていない私でもかなりヘロヘロ。
おとんや愛里はもっと大変だろうな、、、
と思ったら愛里は最後の一釜だと嘆いて泣いているではないか。
あんなに火傷しているのにほんっとーに好きなんだな~。

おとんは薪の調整をしながら愛里弟子をとても満足そうに眺めていた。
本当に満足そうですごく嬉しそうな表情をしている♪

おとん『来年は一番短くても一ヶ月はいなくちゃだめだぞ。
    明前が始まる前に来て炒青が終わるまではここにいるんだぞ。
    もう来年は俺は家ん中(でのんびり)、
    そこ(愛子がいる場所)に立つのはふいみんで、
    ここ(おとんがいる場所)に立つのは愛子だなー、わはは、楽しみだなー♪』

仕上げの団をおとんと愛里が一緒にこなす。

(映像、時計の音が聞こえるかな?)

おとん『・・・12点ア~(12時か~)。。。。。。干ラ(乾いた)!』 

 愛『うう~~~、みんみん(ふいみん)~~~、終わっちゃったよ~~~、やだよ~~~(泣)。
   やばいっ、やばいよっ!どおしよお~~~、わたし炒茶がすっごく好きだー。
   龍井でもそうだったー。もしかしたら飲むより摘むより一番好きかもしれない。
   多分そんな気がする。ずっとやりたい。毎日炒りたい。
   碧螺春炒っているともうほかのお茶のことはどうでもよくなってきちゃうよ、、、あ~だめだ~、
   ここが好きだー。ずっといたいよおーっ!』

炒茶卒業?「看不出!(わからない!)」

2釜目。

  愛『えぇー、おとん、まだ早くない?いいの?じゃ、やるよー!(ザザー)』

  愛『あ、ほらーちょっと早すぎたんじゃない?おとん!まだ釜の温度が高すぎるよー。
    明火がまだ強すぎるんじゃない?文火の比率が少ないんじゃない?
    げげ、急がないと!』

テキパキとすごい速さで手を動かす愛里。
すばやく《殺青》《カーン》したあと、《団》に入っていく。
釜の温度が高すぎたの?ほんの~り香ばしい香りがする?と言われればしてきたような?

おとん『おおー!すばらしい!ふわー!いい香りだ!』

(映像)  

  愛『あははー♪ でも、おと~ん?やっぱり少し香ばしくない?焦げた?』

おとん『どれどれ?・・・看不出(見てわからない)!』
  愛『またまた~!』

おとん『本当だぞ!もしさっきの段階で一部が焦げていたとしても、そこは団で落ちていくよ。』
  愛『ほんとお~?』

おとん『でも看不出来了(見ても全然わからないよ),にぃ看(見てごらん)、
    にぃ看得出マ(愛子は見てわかるか)?』

  愛『においでわかるよ~。なんかおいしそうな香りがするよ!あはは♪』

おとん『俺もにおいでわかるさ!でも本当にさっきのは仕上がりに影響しないぞ。
    このまま行けばきっとすごくうまくなるぞー。あとで品茶してみればわかる!』
  愛『本と~?』

おとん『見てごらん!どこにある?』
  愛『んん、確かになくなってるねー。。。あ!そうかっ!なるほどー!』

え?え?な、なにが?『なるほどー!』なんですかー???


  愛『この一釜。。。このままうまく仕上がったら本当においしくなるかもしれないっ♪』
おとん『そりゃー間違いないさ!俺はうそつかないぞ!』

え?え?な、なんでですかー???(女尼)

炒茶卒業?「鼻水入り?」

カメラを通して毎日見てきた。
まだよくわからないけど、愛里の手付きが段々おとんや湖おじさんに似てきたと思う。
ほら、《カーン》だってこの通り。すごい!

(映像)

 

  愛『うわ、鼻水が出てきた・・・・・・(寒いところから急に)汗をかいてきたから。』

 女尼「え?鼻水?うわわわ、大変!おとんは家の中だしどうしよー。」

  愛『ふいみん、やばい落ちそう!ちょっとカーンやっててー!鼻水入り碧螺春になるー』

 女尼「えーーー?そんなの無理よー。おとーーん!助けてー!」(叫)

炒茶卒業?「おとんが消えた?!」

おとんが薪の用意をして、いよいよ炒茶だー。今日も愛里が担当。早速始める。

(映像) 

 愛『おとんもうどっか行っちゃった。』

 女尼「あははー、本当だ。家に入ったよ!休憩かな?
    今日卒業試験をやるとか言ってなかったっけ?
    もうすっかり任されてるよー!卒業試験はOKってこと??」

  愛『いいのか~い!この手で炒っちゃって~!』

女尼「なんでみんな任せてすぐにいなくなっちゃうんだろうね。
     龍井のときもそうだったし、ぐふふ♪おかしー。」

果樹園♪(東山編)

愛里!何登ってんの~?琵琶の間引き?これ琵琶の木?

今、琵琶の実の間引きの時期なんだって~、大きな木だね♪

4月2日の画像 before間引き

↑のafter間引き

この時期に、枝1本につき1つか2つまで残してあとは取り除いておく?ふむふむ。
そうすると5月下旬(20日頃)から大きくておいしい琵琶が食べられるって教えてくれた。
でもこんなに大きな高い木の枝を1本ずつやると一体どれくらい時間がかかるんだろう、、、
これも気が遠くなるような作業だな~。

みかんの花の蕾?どこどこ?まだ小さい~。

愛里が『好い香りがするよ!』と言う。ほんと~? 本当だー♪

愛里が爆笑している。なになに?

あいや、みかんがミイラになってるよ!

青梅のおちびちゃん?

おいし、、、そう?え?今、食べても大丈夫?けど、すっぱい?渋い?あっ、そ・ そうなの、、、。

白果(銀杏)園もあるんだ~。

そうっか、白果って東山の名産でもあったんだ。
だから老四と愛里が市場で山ほど買っていたんだ。なるほどー。
(おとんの昨秋の白果はもう食べきっちゃったんだって。)

新緑がまぶしい~♪(女尼)

お花がいっぱい♪(東山編2)

れんげ♪

まだ桃が咲いている~♪

もったいない!その2

『ムッ!』

筍♪

おとん、茶摘みの帰りに筍を取ってきてくれたー♪おいしそう!
やわらかくてでもちゃんと歯ごたえがあって、私たちも大好物♪

わーこんなにたくさん♪今たくさん取れるの?

おもしろい話聞いちゃった!

昨春の早朝、愛里は老四たちと筍掘りに行って、頭を出す前の筍を手探りで探して、、、
その後、みんなを大変な思いに巻き込んだそうだ。
愛里の目的は《筍のさしみ》を食べること♪
みんなに止められても愛里はその場でナイフを出してためらいなく食べたそうだ!
老四たちも試しに食べたそうだ!で、まずくて全員揃って大変な思いをしたそうだ!

筍見ては思い出して、今春もみんなの笑い話になっている!
愛里の言い訳、、、『品種が違った。』

(映像)午後の茶摘みに出かけたら、筍掘りをするおじちゃんを発見!

おっ!出てきた♪

これもおいしそう♪

おじちゃんは次々と探しては掘った、、、この辺はたくさん取れるみたいね。
おとんもこの辺で取ったのかな、ねえ、愛里?

愛『おとんの筍の山はもっと上だよ!今おかんが茶摘みしている斜面。行くよ~♪』

炒碧螺春の手?

一昨日3釜、昨日4釜を炒った愛里の手。

赤みや熱は少し引いたものの、わわわ、右手の中指の下に大きい大きい水ぶくれができて
ぶよんぶよんしてるー。皮膚の水分もなくなっているー。指先にもいくつも水ぶくれが、、、
ひゃ~見ているだけで痛そう~。知らなかったー。そりゃキー敲けないよね。
(んー、画像だとよくわからないー。)

炒茶新人研修

 愛『さ、ふいみん!やってみる?
   このために今日は摘む前から頼んでおとんとおかんにも協力してもらったからね、
   たっぷり茶片があるよ。碧螺春と感覚は違うけれどきっと十分練習になるさ。
   殺青の練習、カーンの練習、熱さや手の動きのイメージトレーニング!
   これなら失敗しても大丈夫、どーんとやってみよう~♪』

やっていいの?先日の1回目はおとんが横にいてくれた。今日は愛里が横にいてくれるの?

きゃ、多い!
1回目の少ない量でもすごくすごく熱くて暑かった。
碧螺春を炒った後の余熱で炒る茶片でも、私の手では熱いのを超え痛かった。
体はサウナ状態で全身汗びっしょり、すぐに痩せそうだった。

あ~、やっぱり《カーン》なんてできないよー。こすっちゃうよー。

それに量があると全然違うや、、、。 ふう~、あじーーー。

なになに?もっと手のここを使えって?

え~ん、そんなことを言われても、、、
 頭でわかったところでなかなかできるもんじゃないよ~。難しいよぉ(泣)。(女尼)

青出於藍勝於藍

2釜目。

(映像)

  愛『ふいみん、取って取って!早く!籠の枝が入った!』

(映像)  

   愛『。。。あいや、焦げた。』

おとん『いやあー、その焦げ具合がまた好いなー。』
   愛『あははー♪焦がしても褒められるわけー?!』

おとん『それは焦げにはならないぞ。ほら今のですごく好い香りになってきた!
    うわーこの香りだ!すばらしい!たまらんなー!』
   愛『おとーん!なにやっても褒めてくれるのー?!』

おとん『まさか!《好くない》のは《好くない》と言うだろ。《好くない》のに《好い》と言うわけないだろ!』

愛里の手は動き続ける。

おとん『後は任せた。もう俺は引退するぞー!これから何で食べて行こうかなー。青出於藍勝於藍~♪』

おとんは嬉しそうに家の中に入っていった。

   愛『なに?なんだって?』
 女尼「弟子が師匠を超えた!だってさー!」

   愛『青は藍より出でて藍より青し、か。うははーーーっ、本当によく言うよねー!』

愛里炒茶職人?はおとんにたくさん褒められて笑ったり冗談言ったりしながらも次々と炒茶している。
4釜目が終わったのは夜中の1時。

うわー、愛里の手が真っ赤に腫れてる。触るとすごく熱~い。(女尼)

高温使い

女尼「ねえねえ、おとんが高温使いって?どういう意味?」

  愛『ああ、高温を使って最後まで炒り続けられる人は少ないから。
碧螺春炒る人はいっぱいいるし見ているだけだとよく分からないけど、
おとんのように高温を使って毎日連続して全釜出来る人って実際は少ないんだ。

ここまででもいろんな場所でいろんな人の炒茶を見てきたでしょ?
熱いのが我慢できない時に途中で釜の温度を落とす人は多かったでしょ?
びっくりするくらいぬるい人もいたでしょ?
碧螺春でも龍井でもそういう人っていっぱいいたでしょ?

楽だしそれでも一応形にはなるし、外形作るためにわざと温度落とす場合とかもあるし、
でも色も形も違うし仕上がりまでの時間も変わっちゃうでしょ?
なにより味がぜんぜん違ってくるの。
仕上がり後の外形でその差がよく分からなくても、淹れてみると味わいがまったく違うの。
時間が経過するともっとはっきりと味わいの差が出てくるよ!』

 女尼「へ~、炒茶職人みんなが耐えられるものでもないんだ。」

  愛『炒茶すれば、どんな人でも高温じゃなくても必ず火傷は増えていくからね。
けど、熱さに強い人も弱い人も自然にいるからさ。
例えば、熱いお風呂が大丈夫の人もいれば耐えられない人もいるし、
ぐつぐつの鍋からすぐに食べられる人もいれば猫舌の人もいるじゃん。
そういうのと少し似ているかもね。

訓練である程度は耐えられるようになるみたいだけど、向き不向きはあるんだって。
何十年炒っていても出来ない人は出来ないんだって。
西山の湖おじちゃんも言っていたし、龍井の歌おじちゃん達もそう言っていたよね。

でもさ、毎日毎日何釜も何十釜も炒っていたら誰だってすごい火傷だらけになっていくからさ、
熱さに強い人でも耐えられなくなって手を休めたくなるのは分かるよね。
だから、一日の中でも等級を分けたりするしさ~。
私みたいに数日じゃなくて、炒茶する鮮葉はこれから毎日毎日どんどん増え続けるしさ~。
炒青になったらもっと熱くてもっと痛くてもっと辛くなるんだよおーーー!

で、おとんは手がどんな状態の時でも高温を使って炒る方法なの。
もともと高温を使う人なんだ。おとんの手はそれが出来るの。
高温を使いこなす炒茶法、だから高温使い。
全ての釜を必要なときに必要な高温から逃げないで仕上げる好い方法なの。
これってすごいことだよね。
でもね~、実はね~、親戚用とか自宅用とか安いオーダーが入った時なんかは
適当に炒ってるよーーー、うぷぷっ!

今春は、私が炒茶している時におとんは釜の温度を落とさないでしょ?
私もどんなに熱くても絶対に熱いとは言わないからさ~、ぐはは♪
言っている言葉の柔らかさとは違って実際は結構スパルタだよおーーー!』

 女尼「愛子が炒っているときに私が「熱くないのかな?」っておとんに聞いたら
『そりゃすごく熱いに決まってる!熱くないわけがない!』とは言っていたけど。
でも愛子の手の状態までは気付いていないよね~、ふっふっふ。
ねえねえ、高温が必要なときってどんなとき?」

  愛『特に重要なのは、殺青・カーン・最後の団。

まず投入時の高温のタイミング。
そこから最初の工程である殺青が終わるまで。
殺青の工程が進むごとに鍋全体が熱を持ってどんどん高温になってくるから、
茶葉の状態と鍋の温度を見ながら、必要以上に高温になり過ぎないように
火を調整しながら殺青を進めるの。
で、すばやく殺青を成功させたらそのまま高温を保ってカーンに入る。

カーンと翻でも高温が必要。
その日の気候や鮮葉の状態や量などによって差があるから、
茶葉の状態を目と手の感覚でよく見ながら火を調整しつつ、
必要な高温を保ってすばやくカーンと翻。

カーンが成功したら今度は温度を少し落として軽い団に入っていくの。
最初の団や途中の団で高温すぎたらダメなんだ。

鉄鍋の温度は急には変わらないから、投入時から仕上がりまで
先を読みながら火の調整をしていくの。だから碧螺春の柴鍋は、
息の合ったふたりでペア組むのが理想的だって言うのがよく分かるよね。
高級薪師(♪)のふいみんも重要な存在なんだよーーー!

団が次の段階に進めるまで茶葉の状態が来たら少しずつ温度を上げて、
その温度を一定に保ちながらさらに団を進めて、
白芽が姿を現し始めたら状態を見ながらもう少し温度を上げていって、
白毛が姿を現し始めたら最後の勝負っ! 際どい高温に調整して一気に仕上げに入っていく!

ほら、私が炒茶しているときに「やっていいよ」って言うときがあるでしょ?
あれは一番温度が下がっているときだから。
一緒に団やっていてしばらくすると、おとんがふいみんに「もう手を離して」って言って私ひとりになったり、
「代わって」って言ってふいみんの場所におとんが入って、おとんと私のふたりでやる時があるでしょ?
あそこから最後の仕上げに入るの。

成形が固まるすごく重要な工程が始まるんだ。
外形もそうだけど味わいにも影響する難しい工程だから、私がひとりで炒茶するときも
必ずおとんは横にいて手が出せる距離で見ているでしょ?
あの段階で手も茶葉もかなり熱くなっているけど、
あそこからの最後の高温に耐えて強い団が出来る力と技術がないと、
茶葉はボロボロになっちゃうし味わいも変わっちゃうし、
碧螺春の白毛も出てこなくなっちゃうの。』

 女尼「そうっか!あのタイミングだったんだ~。」

  愛『そうそう、ふいみんが参加していた団は、実は全工程の中で一番温度が低いときで
外形にも味わいにもあまり影響がでない工程だったんだ。あはは!
そこまで熱くなかったでしょ?』

 女尼「最初はぜんぜん熱くな~い、気持ちい~、とか思ってやっていたんだけど、
だんだん熱くなって我慢ができなくなって、何分もすると手が茶葉から引いちゃうよー。」

  愛『はは、そうだよねー。私はその時は忘れちゃうんだけど、
終わった後ですごく熱くてすごく痛かったことに気付くんだー。
でも大丈夫だよ!根性があればそのうち慣れるさ!絶対に出来るよ!
おいしい碧螺春がもう目の前まで来てる♪とか思ったら熱いのも痛いのも忘れちゃうって!

で、その重要な団をすばやく成功させて白毛がしっかり出せたら
ホン干も進んできているから、団も弱めて火も弱めていくの。
ホン干も最終段階の調整に入ってきているから、
団の方法もそれまでとは違って白毛を茶葉と一体化させる方法に変えて、
そうなったらもうその鍋の余熱で最後まで仕上げて大丈夫。

最終の仕上げをするその時に、ちょうど好い弱めの文火が持続するように、
白毛が出始めた段階から薪は調整しておくの。


だから、高温使いって言っても最初から最後まで高温っていう意味じゃないよ。
工程によって適した必要な温度があるからね。お料理と少し似ているよ。
炒め物を弱火で火が通るまで炒ったりしてもおいしくないでしょ。
だからといって、煮物をするときにずーっと強火でもおいしくないでしょ。

各工程と温度の関係って外からは見えないけれど、炒っていて少しずつだけどわかってきた。
でも、毎日毎日気候も鮮葉の状態も違うから、何年も続けて経験しないと無理だよねー。』

 女尼「経験もそうだけど、炒茶は感覚とセンスが重要ってどこでも聞くよね。
やっぱり難しい~。泡茶の熱さは慣れているから大丈夫なんだけど、
炒茶の熱さって全く質が違うし、おとんにも言われたけど、わたしの手はそこまで
強くないと思う。」

  愛『大丈夫だよ!うひひ。ここに炒茶を教わりに来る東山の職人さんたちがいるでしょ?
おとんは熱さから逃げる方法もちゃんと教えてるよ~!』

 女尼「そうなんだ! でもそうだよね~、1日十数釜を炒茶する人は大変だよね。
高温使える人でも手が壊れちゃうよー。」

  愛『ふいみんっ、加温ーーー!(釜の温度をあげてー!)』
 女尼「はいー! えーと、このくらいかな!」
  愛『正好ー! すばらしいっ♪』


おとんが様子を見に戻ってきた。

おとん『おおー、すばらしい香りだー!』

愛&女尼『きゃははーーー、また始まったよ~♪』

名師出高徒ー!

今日は茶摘み量も多くて、夜9時になってやっと炒茶が始まった。
おとんは最初から愛里に任せているよ~。

おとん『おおー、すばらしい!んー、手付きがいいね!』

   『おー!きれい!そうそう「碧螺春」の「螺」はここで作るんだよ。
        ふいみん見てごらん、この「螺」、見事だ! 愛子は力があるなー!』

   『うわー、本当に力が大きいなー。すごく好い香りが出せたなー!』

  愛『ぐふふ。おとんってばまた始まった。褒めごろし大作戦~~~♪』

おとん『わあー!名師出高徒ー!』

  愛『ん?どういう意味?』
 女尼「名師匠が素晴らしい弟子を生み出した!だってさー!」

  愛『ぎゃははーっ。おとんってば、自分で名師匠なんて言ってるわけー?』
 女尼「そうそう。自分で言ってるよ~。あははー♪」

(映像) 

 女尼「ねえねえ、おとん本当~? 愛子はどおなの?」
おとん『・・・・・従我手裏ア,出了那個徒弟ア,怎会不好的!・・・・・・』

  愛『ん?なんだって?』

 女尼「俺が弟子に決めたんだ、愛子は俺のこの手が生み出した弟子なんだ、
    好いに決まってるだろ!俺のは高温使いなんだぞ! だってさー!」

  愛『よく言うよーーーっ!』

高温使い?あれ?どういう意味だ?(女尼)

午後の茶摘み

昼ご飯のあと、またおかんと茶摘み。愛里も午後一は茶摘み班。
今度は午前の場所より少し上のほうから。
気温があがってきた!

茶摘み用の麦藁帽子が足りないので私は自前のイチゴミルク色の帽子をかぶって、
茶摘み用の籠も足りないので私だけちび籠を渡されそれを腕にかけて、、、さあ出発~!

愛『きゃ。かわいい~♪イチゴ摘みの小姑娘~!』

愛『ほらここ!たくさんいい芽が出てるよ!』

途中、近くを通りいく村人が私たちを見てはおかんに聞く。『どこの茶摘み娘?』
おかん『日本と香港の子だよー。』

幾度も同じ会話が交わされたので
おかん『今度誰かに聞かれたら東山語で自分で答えてみてよ!』

東山語レッスンの始まり始まり~♪
『香港人』って『しゃんこんにん』だって。よし、覚えておこう♪

けど、その後誰も通らなくなった、、、使ってみたかったのに~。

休憩タイム。大きなガラス容器に碧螺春をたっぷり淹れて~♪

(映像)『ごっくんごっくん♪』この人、実に豪快な飲みっぷり!

女尼「大ジョッキで生ビールを飲んでいるみたい ー。」(笑)

 愛『うまーーーっ。この《ビール春》。うははーーー♪』

(映像)『回家る~♪』

 

お花がいっぱい♪(東山編1)

春春春~♪を歌ってるかのようにお花があちらこちらでうきうきしている、、、に見える!

スミレ♪ 

白野薔薇を摘んで、愛里へのおみやげ♪(今日の午前は家事担当してるの)

うわ~お花畑になってる♪

これが楊梅の花だって!

かわいい♪これは何?イチゴ?

ねえ愛里~、これ何の花?

 

午前の茶摘み(おかん編)

迷った、、、愛里はいないしどおしよー。
あ、ここもなんか前のときと違う、、はうぅ~、みんな似たような場所だから、、、。
この辺のはずなんだけどな~。暑い~。

あ、人がいる!聞いてみよう!(写真撮る余裕なし)

え?普通話わからない?書く?わかった!メモメモ、、、ペンと。
え~と、この人(おかん)、どこー?
わかった顔になった、ほっ。

『○▲※☆◎~~~!』
んん?何を叫んでいるんだ?呼んでくれてるの?上の方を指差した。

『☆▲※~~!』
上の方から?おおっー!おかんの声だ!

やっと見つかったあ!ありがとう!(涙)

 女尼「おか~~~ん!どこーー?」(叫)
おかん『ふいみ~ん!ここ~!』(叫) 
 女尼『わかった!今行くよ~~!」行き過ぎたんだ。よかった~。

おかん『ふいみん、頭いいね~、よく道覚えてたね。』
 女尼「えへへ、よくないよ、迷ったんだから。
    わ~いっぱい摘んでるね!今日はどの辺を摘んでるの?」
おかん『ほらあの辺、ふいみんはここから摘んでいいよ。』
 女尼「わかった♪」

おかん『お腹がすいたらその木下におやつや水があるよ。』

さっきの山よりたくさん芽が出てる!

一番摘みの時よりも芽が成長している!私でも摘めそうだー!

お腹がぐ~。ちょっと休憩。このリンゴなかなかおいしい。

午前中の収穫。

あんなに一生懸命摘んだのに、あまり摘めてないや。

家では愛里と老四がご飯を作って待ってくれている、やった~♪

もったいない!その1

山を降りる、山の上は少し風が強くて肌寒い。けど、ここまで降りるとちょっと汗ばむ。

ん?うわお~、こんなに芽がたくさん♪

おとんの畑だったらいっぱい摘めるのにどうしてこの畑の人は摘まないの?ひゃ~~もったいないっ!

あっ!ここにもー!!あいや~~!

家事手伝い

その頃、愛里は?

 

 

 

 

午前の茶摘み(おとん編)

おかんと茶摘み娘たちは、夜明けと同時に果樹園に登って茶摘みをしている。
おとんは、別の作業を済ませてから茶摘みに向かう。
愛里は、午前中は家に残って家事担当。
私は、おとんにくっついて行く。

今は、茶摘みメイン班はお昼を食べに家に帰る余裕はないので、
おとんは、差し入れのおやつやインスタントラーメンや魔法瓶を担いで
ぐんぐん山道を登って果樹園を通り抜けて進む。

琵琶や楊梅の果樹園を通り抜けて登っていく。

 女尼「おとん重くない?魔法瓶持ってあげようか?」

おとん『いやー、大丈夫。俺たちはみんな数十キロは平気だよ。』

やさしい~。と思っていたら、後で愛里が教えてくれた。
『やさしいのは間違いないね。けどね。。。ふふふ、もうひとつ。
山道慣れていないふいみんが滑ったりして魔法瓶のお湯がなくなったら一大事だからね~♪』 
そ、そういうことかー。確かに。山ではお湯は食料より貴重です。(苦笑)

やっと到着!

まずはおとんに復習指導を受ける。

爪は使わない、 芽はつぶさないように、
親指と人差し指でやさしく芽元を挟んで必要な部分だけ摘み取る、
抜きとるように摘んではダメ。 はいっ!

一昨日摘んだばかりの場所なので今日は摘める芽が少ないようだ。

まだなのね~。くすん。

芽を探すのに苦労している私を見ておとんが、
『おかんが今いるところに行ってみたらいい。』と言ってくれた。

おとん『家の裏山で、この間《花売りの小姑娘(4月2日のブログ参照!)》がいたとこだよ、
    覚えてる?』
 女尼「うん!じゃ、行ってみるね!ありがとう。」
おとん『俺は2時過ぎに帰るよ。帰りみちはわかるな!来た道を辿ればいいよ。』
 女尼「は~~い!」

105点♪

2釜目。
鮮葉が鍋に入った。瞬く間に水蒸気が上がってくる。

おとん『おおー、すばらしい!んー、手付きがいいね!』

    『おー!きれい!そうそう「碧螺春」の「碧(緑色)」はここで作るんだよ。
     ふいみん、見てごらん、この「碧」、見事だ!』

    『うわー、すごく好い香りが出せたなー!』

   愛『ぐはは。おとんってば本っと好い師匠だよ。褒めごろし師匠だね~~~♪』

(映像)

おとん『本当だぞ!まったく問題ない!もう基本はばっちりだな!すばらしい!』
 女尼「ほんと?100点?」

おとん『105点だ!』
 女尼「105点だって!すごーい!」

おとん『そう!そうだ!そこでもうカーンは終わっていいんだ。』

あ、ちゃんと見てる。さすが♪(女尼)

ごちそうがいっぱい♪

高級魚《桂魚》。これは貴重な野生(天然)もの!

炒茶特訓(映像3)

『うわ、すごく好い香りだな!仕上がったぞ!』(おとん)

 

できたね♪

 

わ~白毛がたくさん

2釜目からはご飯のあと?  やったー、ご飯だ~♪(女尼)

炒茶特訓(映像2)

(映像)

愛里が軍手や服を脱いでいる間はおとんに交替。

ここからは軍手をしないほうがいいんだって。でもすごく熱そう。
私だったらひ~ひ~泣いてるんだろうな、、、とても真似できないや。

(映像)

なになに?すばやく《団》していかないと焦げちゃう?(女尼)

炒茶特訓(映像1)

愛里は前回に引き続き炒茶特訓。茶葉の状態が変わったので今度はどんなふうになるのかな?

始まったぞ!

暑い暑い。愛里の額から汗が滲み出た。

(女尼)

市場

    銀魚(白魚)の初物が出てる♪

    純菜の初物も出てる♪

でかーっ、鮒。

ザリガニマナー

 愛『遅くなったけどおいしいもの食べたいねーっ!』
女尼「うんっ!スタミナが付くものがいいな~♪」

というわけで観前街をぶらぶらして『夜宵』(夜食のこと、香港や台湾では『宵夜』)
をやっている『龍蝦』専門の店を発見!
ロブスターが食べられるの?わ~い、すごい!

あれ?『龍蝦』ってあの大きなロブスターのことじゃなかったの?

ここでは小さいザリガニのことだったんだ!
香港ではこのザリガニってあまり食べる習慣がないから初めて。
でも、 ザリガニにしては結構大きい!
それに香辛料の香ばしいにおいがする!
あまり辛くないといいけど。(実家では辛い料理を食べないの。 )

愛里が何かを発見して大喜びしている。
『ザリガニの食べ方にもマナーがあるんだって!へぇ~、知らなかったー♪』

え?ザリガニのマナー?どこどこ?

『食用方法』?どれどれ?9つのステップだって~♪

ザリガニ好きの愛里!解説をお願いしま~す!(女尼)

評委

 最初は外形から? 

評委が採点した各項目の点数と評語を、記録係りが用紙に記録していく。
何をどう見て点数つけているんだろう?愛里に聞いておけばよかった。

計量をきちんとして。お湯を注いだら計時もきちんと。  ふむふむ。

(きゃ。先生!穴からピューって出てるよ~。)

まずは湯色? 次は香気?     

そして滋味。最後に葉底。なるほどー。

「愛里、どおどお?おいしい?」なんて聞ける雰囲気じゃないよー。

え?ここまできたら私も飲んでいいの?やった!          

以上を何度も何度も繰り返す。朝8時から夕方までたちっぱなし。
取材する私も撮らなくちゃメモらなくちゃ飲まなくちゃってバタバタして疲れたあ。(笑)

夜明け前に杭州出発して上海に入って、評委が終わったら上海には泊まらずそのまま蘇州入り。
結構ハード。実はすっごく眠いんよ~。

    

ところで、緑茶類・烏龍茶類(北・南)・紅茶類、いったい全部で何種類あった?
80種?すごい!え?今春は少ない?
昨春は2部屋に分けた?、、、そうなんだ。 (女尼)

忙死了~~(ダイジェスト版)

早朝6時、翁家山の高山畑Bで老蓬の一番摘みが始まる。

歌おじちゃんの家から1時間ほど山を登ったり降りたり登ったりしてやっとたどり着く。
疲れたよ~。暑いよ~。

 少し遅れて到着、水10リットルの差し入れを運ぶ愛里。

出てる出てる!

成長しすぎていた大きい芽の茶樹と、出たばかりでちょうど摘み頃の芽の茶樹は、分けて摘む。 

小さい芽の方をもらうことになる。うわー。いい香り~!

昼前に摘み終わりました、まだ量は少ないみたい。一度家に戻ってこの茶葉を届ける。

 途中で愛里が茶樹を指差す。これが《安吉白芽》?始めて見た!

帰り道、川で手を洗う。冷たくて気持ちいい~♪

ここからは登り道だ。暑いよ~。

 

早めの昼ごはんを食べ終わったら、次は梅家塢へ。
早朝から高山老蓬の二番摘みが始まっているんです!

梅家塢は、私が前に来た2年前と随分変わってる。
昨夏に来た愛里でさえ道を間違えちゃったよ。

 ご近所さんにもご挨拶。

奥に入ればあまり変わってないや。

高山老蓬の一番摘み♪(7日)&斜面老蓬の一番摘み♪(8日)を品茶して梱包。

摘みたての高山老蓬の二番摘みは、第一鍋が終わったところで品茶して、、、。
え?ほんと?
この二番摘みはおもしろい製茶法をしてみるそうだ。楽しみ~。

すごい夕立がきたー。雷だ。大雨だ。一気に気温が下がった。寒いよ~。

雨の前にどちらの村の茶葉も摘み終わって、すでに釜炒りに入っている。さすが~♪

 

夕方、再び翁家山に戻る。朝から摘んだ畑Bの釜炒りはもう少しで回鍋に入れる。仕上がりまでもう少し。

 大好きなご飯をいただき♪

仕上がったばかりの畑Bの一番摘みを品茶して梱包したところで、また大雨が来たー。

ご近所にいる歌おじちゃんの一番弟子の家で、復習をかねて炒茶しながら雨が弱まるのを待つ。

 夜遅く、怪しい格好で出発~!

歌おじちゃんもおばちゃんも船おじちゃんもみんなで『泊まっていけ泊まっていけ。』と引き止めてくれるが、
今晩ばかりはそういうわけにはいかないのだ。
『よっしゃ、それなら任せろ!』と、歌おばちゃんと船おじちゃんによって
茶葉の梱包はこれでもかとますます丁寧かつ厳重になり、それが入ったリュックを背負った愛里の体に、
最後に茶摘み用のレインコートをかぶせてくれた。(このお蔭で、愛里は寒さもしのげたそうだ!)

山を下りる。
もう交通手段はないので、冷たい雨の中、真っ暗な山道を延々と歩く。
どんどん歩く。それでも寒いよ~。
怪しい人の背中には、厳重に包まれたふたつの村の貴重な老蓬龍井が入っている♪

部屋に戻っても、まだやることがいっぱいある。茶葉の酸素抜きは、シャワーより睡眠より優先。

でも、夜明け前には出発して上海へ。眠いよ~。(女尼)

相約龍井春茶会

ぜえぜえ、、、あじいー。きっとこの中だ、もう汗だく~。

 やっぱりいたー!、、、やっと追いついた。

  

 

 

うわっ、手が伸びている! 「何してんの!怒られるよぉ、、、。」(はらはら)

   

なになに?何て書いてある?そこから見える?あとで教えてー!

   パチパチ♪

何持ってんの?へっ? この箱の中にー!

   『のど渇いたあーーー♪』 ・・・って。ぎぇっ、飲みほしたよ、この人。

『急げー! 山に帰るよお~♪ 今日はのど渇くねー。』

『あるよ~♪』 

ほえぇぇぇーーーっ!!

 

 

忙死了~

『回家ル~♪』

『間に合わないっ、急げー!』(ビュッー)

女尼「待ってーーーーー!」

あ、船おじちゃんだ!

『ご飯届けるのね!こっちは茶葉を届けるところ♪』

ショック・・・。 

ところで、梅家塢の高山は?
と思ったところに、電話あり。

「愛子ー、ごめん忙しくて忙しくて、畑からは電波もなくて通じなかった。
来たよ来たよ、茶摘み娘が今日から全部で13人だよー。
茶摘みはしなくちゃいけないし、食事の支度はしなくちゃいけないし、忙死了ーーー。
人が増えて、午後に高山まで登れたから、摘んだよーーー!」


えええーーーーっ!! 摘んじゃったのーーー??
うそーーーっ。うわーーーん。ショックーーー。
ここまで来ていたのに・・・今日手伝いに行けばよかったぁ~。(涙涙)

でも、あっちも行きたいしこっちも行きたいし、体はひとつしかないし・・・。
私たちだって「忙しい死了~~~。」なのよー、うひひ。

摘んでしまったものは仕方ない。うん。
1斤にも満たなかったと言うことだし、
茶摘みのし甲斐がある2番摘みに行きましょうかーっ!(笑笑)


今日は黄山便りも、桐塢便りも、もうひとつすっっっごい便りもあったんだけど、
もう寝る。また改めて。おやすみなさーい♪

黄山便り 

黄山行けるかなぁ、、、この気候じゃ行っても高山茶はまだ早い?
それからそれから、、、この相場じゃその頃にはお財布が怪しい~春です。はは。

とりあえず電話で様子を聞いてみよう。黄山の6代目に!

[女尼]『今はきっとお昼寝の時間だよ。』
   愛「そうだね、試しにかけてみるよ。」

    『どお?』
    「お昼寝中ですね。ふたつとも《関機(電源切る)》になってる。」

そして、夕方♪

「おおー、愛子!はっはっはー。今どこ?うんうん。
こっち?始まってるよー。数日前から始まった!

高山?高山はまだだよおー。この先の気候でどうなるかまだ分からないけれど
場所によってはあと一週間くらいで始まるかも。
いつ来る?うんうん。え?龍井でも明日一番摘みの畑があるの?
こっちの高山はもっと標高高いからもっと遅いぞ!
はっきり言えないのはお互い様だな。はっはっはー。
じゃあ、一週間くらいしたらまた連絡取り合おう!』

6代目、相変わらずの元気な声を聞けば会いたくなってくる♪
行きたいなぁ、行けるかなぁ。
行っても品茶できる茶葉が無かったら?・・・可能性はあるなぁ。
逆にすごいのがいっぱいあって、でもすでに予算がなかったりして,、わはは!
・・・いや、笑いごとじゃないよ。ここまで見てもその可能性の方が大きい。


まっ、今考えたってしょうがないさっ!
まずは目の前にある龍井に集中集中。。。明日も一番摘みがんばるぞっ、おぅ♪

18[木果]御茶樹のイベント 

明日、龍井村でイベントがあるそうだ♪

観光名所でもある《18[木果]御茶樹》。
その一番摘みを《採茶》《炒茶》《評茶》《拍売(オークション)》。
今年は明日なんだって!

「先生が《評委》? 見に行くーっ♪ 何時から?」
『まだ電話が来ない。夕方には連絡があるはず。』
「でも、明日は朝一から高山の老蓬の一番摘みがある・・・。」
『大丈夫。向こうに着いたらすぐ電話するから。」
「はい、お願いします。電話があったらすぐに降りていきま~す!」


夕方、歌おじちゃんから電話があった。
「明日茶摘みするよ。朝にはおいでー。」
うほーっ! 畑Aの一番摘みが来るぞーっ♪

きゃー。明日も忙しいぃ~~~。

夏日 

昼間の最高気温は31℃でした。明日はもっと上がるって?
芽がぞくぞくらしい。。。そりゃそうでしょ。これじゃ夏天だよおーーー!


今日は評茶の師匠の仕事場へ遊びに行く約束をしていたの!
自分で炒茶した分も入っているこれまでの茶葉を持って。。。うっしっし。
それから、秋に杭州に来られなかったから、祥華のおとんの《04秋鉄観音》も持ってきた。
『好いお茶できたら持ってきて!』って、いつも楽しみにしてくださる♪


余談だけど。。。
04夏は《茉莉花茶》《04春鉄観音》も一緒に審評してくださった。

あの2種の愛里花茶《玉米8yin》《白雪芽8yin》には、たまげていたよお~~~♪
特に《玉米》、審評が進むほどに全員の評価が高くなっていったの。
どうやって作ったのか聞かれたり、すごく褒めてくださったり、
礼品用や自分用に欲しいと言ってくださったり、ほんと嬉しくて疲れなんてぶっ飛んだ!
茉莉花茶専門の師匠に『これと同じような条件で5yinまでしか作れなかったよ。』
と言われたときには「オーナー、やったねーっ♪」と心の中で叫んでしまったー!

鉄観音は《04春茶王》も持っていった。
(↑ごめんなさい、サイトでは出していない。あの夏、祥華のおとんからもらったの。)
やっぱり《祥華のおとん》はすごかった!
他に用意してあった04春極品鉄観音と『同じ組で審評しても完全に比較にならない!』
『誰が作ったの!』って言われた。祥華のおとん、、、すげーーーっ♪


さてさて。。。夏の日を思い出して話しがそれてしまった。はは。

他の師匠たちは出張中。今一番緑茶が忙しい季節だから当然ですね。
師匠Bの一番の専門は《龍井》!

茶葉を出したら老師も出して下さったよ~。(笑笑)
これは?4月1日の龍塢村の老蓬一番摘み?
きゃーーー、杭州のお父さん&お母さんの家のとなり村だ~♪

師B『明日はどこにいるの?』
  愛「早朝から翁家山村。どうして?」


うわーーーい。いいこと聞いちゃった♪

昨夏の旱魃

05春緑茶、碧螺春も龍井も非常に相場価格が高い。昨年の同時期とは比較にならない。
茶摘みが遅れた上に発芽率が少ないから全体量が少なすぎるのだ。
条件の好い好茶ともなると更に少なくなる。
でも、今年も欲しい人はたくさんいるから市場での価格もますますあがっていく。


今春の発芽率が低い大きな原因は、今春の凍死影響以外にもある。

昨春、ちょうど私が西山にいるときに例年の春にはないような真夏日が来た。
04年は、龍井も碧螺春も早い所で3月の中旬くらいには製茶が始まっていたが、
その後に寒さが戻ってくると発芽は非常にゆっくりになり、
龍井より産量の少ない碧螺春の産地では、日々摘める茶葉が少ないので
家人で間に合うようになり、茶摘み娘たちは去っていった。
その後だった。

4月中頃からどんどん気温は上がり芽はぐんぐん伸び始め、
19日や20日は30℃近くまで気温があがった。
発芽が遅れていた栄養たっぷりの好い芽が一気に成長し、
家人だけでは茶摘みや手入れが間に合わなくなった。
結果、成長しなくていい芽まで一気に成長してしまった。

その時に《白蛇の泉》の周りで摘んで作ったのが《04愛里碧螺春毛尖》!
例年であれば《炒青》の時期なのにまだ芽が多く含まれていて
でも《碧螺春》の基準からは少しはずれるので《碧螺春毛尖》。
価格も味わいも非常に満足度の高いおいしい~お茶でした♪

しかし、伐採も遅れ炒青の茶摘みも間に合わなかったから、
発芽させたくない芽まで発芽してしまい、
蓄えておかなければならない栄養分が取られてしまった。
そうすると茶樹は痩せ気味になるので、次の年は発芽率が自然に少なくなる。
なるほど・・・確かに道理だ。


そこに、追い討ちをかけるように夏の旱魃がきた。
この影響がとても大きい。

蘇州も杭州も昨夏は非常に暑い日が続いた。
約3ヶ月間雨が少なく、8月には翁家山でも40℃を超える日が何日もあった。
そうなると茶樹は痩せていき、次の春の新芽の準備をするのは後回しで
茶樹はまず実に栄養分を蓄えようとする。
緊急事態に備え、子孫を残そうとたくさんの実を作るのだ。
自然に次の年の芽は少なくなるし、全体的に痩せた芽になってしまう。
これも・・・自然の道理だ。


これまでの数年間、各地の夏や秋の畑で実がいっぱいついた茶樹を見てきた。
近くに泉や川や溜め池があったりして水撒きができる環境なら救われるが、
毎日の水撒きなど茶樹の管理は非常に大変そうだった。
そうでない場所の茶樹は異様に実をつけていて、その姿を初めて見たときは
「なんだこの茶樹?こんな時期に実がこんなに?」・・・とても不思議に思った。
けれど、それが自然の姿だった。

今春の凍死

気候の影響で茶摘みが遅れた今年。。。

歌おじちゃん家の山を降りた平地の畑にある《烏牛早》でも、3月中旬にやっと摘める気配がきた。
例年に比べ、10日から半月くらいの差がある。
しかし、その後も何回か小雪が降った。

早くに姿を現していた茶樹の芽頭は、気温が極端に下がったり雪が降ったりすると
凍死して茶色に枯れてしまう。
芽頭に包まれてその後に成長してくるはずの芽が枯れてしまうから、発芽率も低くなる。
生き残っても、その後なかなか成長しなかったり曲がって発芽したりする。

その姿は製茶するのが嫌になるくらいだったそうで、
その後に発芽する芽がおいしくなるように手入れに力を入れ
茶摘みはほとんどしなかったそうだ。
3月20日、なんとか使えそうな芽で『試しに作ってみた』という
歌おじちゃん家の初摘みの《烏牛早》。

その外形はとても痛々しく、『こういう状態でうまいわけないさ。』
と言われてもまずは飲んでみる・・・おじちゃんの言う通りだった。

もっと暖かい地方から美しくおいしい《烏牛早》が出てきている頃で
非常に高価な相場の時期なのに外形が悪いと評価が低くなって一般市場では売れない。
自分たちでも飲まない売れもしない高価なお茶を作るなら、
その後に伸びてくる芽のために手入れをしながら、時を待つ。


雪が降った後に発芽してくる出始めの芽は、凍死しなかったとしても影響は残る。
そして、何日も摘み進んでいくうちに、後から影響のないきれいな芽が出揃ってくる。


出始めの頃、発芽してまっすぐに伸びてきたとしても、
芽芯は大丈夫でもそれを包んでいた外側の一部が枯れているので、
茶色になっている部分がある芽が多い。
芽のさきっちょやふちのなど、枯れている部分も自然についてくるのだ。
枯れて乾燥している部分は、製茶時の炒茶や篩茶で取れていくので
味わいへの影響は大きくないのだが、見かけは悪くなる。

←凍死影響のあるいろいろな状態。左だけ摘み頃。

しかし同時に、この芽は寒さの中でも生き残った力強い芽。
栄養や甘みがたっぷり含まれたおいしい龍井になる芽でもある。
外形をきれいにしあげるためにこういった芽を避けて摘んだとしたら、
仕上がり量は極端に低くなるし労働力も多くなるから価格も上がってしまう。

商品でも礼品でもなく自分用に毎年予約する人は理解しているから
こういう芽が入っていても気にしないそうだ。
私たちも気にしないよ。だって、おいしいんだもん♪(笑笑)


こういう芽が入っている茶葉とどこかで出会っても、
どうか『焦げてる。』なんて勘違いしないでね!
枯れた部分をくっ付けて逞しく伸びてきた新芽のほうも同時に見てあげてね!
少し曲がっているのはね、硬くなった芽頭を『うんしょ!』って突き破ったからなの!
その茶葉は、初摘みに近いという証拠でもあるよ♪

梅家塢便り 

昨夜遅くから降り始めた雨は朝まで続き、今日は曇り空。
気温は高く少し動くと汗が出る、風が強く気持ちが好い。

明日は晴れてもっと気温が上がるそうだ。
この様子だとどんどん発芽するだろう。。。いいぞいいぞーっ♪


あれ?そういえば、梅家塢の紅おばちゃんから連絡がないなぁ・・・。
あの高山の老蓬、まだ一番摘みにならないのかなぁ?
もしかしてもう摘んじゃった? いや、まさかそれはない。
一日前に連絡くれるって言ったから、きっとまだなんだろう。

え?もう6日なのに? ひえ~~~、本当に遅いなぁー。


梅家塢の紅おじちゃん家の高山の老蓬。
(03春天に茶摘みしている映像がある、左手で摘みながら右手で撮影した!)
あの場所は、1時間ほど登山が必要。

翁家山の歌おばちゃんの畑Aとほぼ同時期に発芽となる。
畑Aは明日頃には少し摘めるだろう。
けど、まだ少なすぎるから明後日にしたほうがもっと条件が好くなる。
きっと8日に一番摘みがくるだろう。畑Bも少し摘めるかもしれない。

もしかしたら、、、明後日くらいに《翁》の高山と《梅》の高山で
一番摘み同士がぶつかるかも?・・・うわわ、どうしよう。


紅おばちゃんに電話してちょっと聞いてみよう!
んーと?うん、今なら大丈夫。夕食後で家にいる頃。
おじちゃんは釜炒り小屋で炒茶に忙しい頃だね。


電話に出た瞬間、ひとりすごい勢いでしゃべりまくる相変わらずの紅おばちゃん♪(笑笑)

「愛子ー。忙しい忙しい忙しいよー。
どんどん発芽して人出が足りなくて追いつかない。明日来られない?手伝ってよー。
茶摘み娘が今は5人いるんだけど、足りなくて8人追加申請したのにまだ来ない。
高山?見に行ってもいないよー、それどころじゃないよー!

山の斜面の香りの好い老蓬の畑があるでしょ?
あそこがいっぱい出てきて、6人でもぜんぜん摘み終わらない。
明日もそこから先に摘む。43号も摘まなきゃいけないし、疲れた疲れたー。

高山は明日も行かないよ、明後日もたぶん登っている時間はない。
登ったってまだ少ししか摘めないはずだからさー。
愛子、代わりに見に行ってきてよっ!発芽していたら全部摘んできてー!
でも、明日でも明後日でもまだ早くて少しだと思うよ。
茶摘み娘があと8人来たら2人くらい一緒に連れて行っていいから。

あとの8人がいつ来るか分からないし、まったく早く来て欲しいよ。
もう忙しくて死にそうだよー。
高山摘んだら、斜面の畑も手伝ってよーーー!」

わわわ、すっごくテンパっている・・・。

「いいぞいいぞーっ♪」なんて喜んでいる場合じゃなかったよ、とほほ。
手伝いたいよぉ~。でも、明日は先約があるぅ~。
もっと早く電話して手伝いに行けばよかった~~~、あぁ。


9日になれば好いけれど、こればっかりは分からないなぁ。
やっぱり8日にバッティングするかも・・・あわわ。

手が・・・。

本日の炒茶中、めでたく《05水ぶくれ第1号》が生まれました!
第2号、第3号(←これ大物)以降もぞくぞく登場。
おめでとう~♪(笑笑)


記録も書きたいしブログもアップしたいし、メールやコメント&書き込みの
お返事もしたいんだけど、今日は全く進まない。

手が動かないの。なんだ?この指?・・・どうしたんだ?

うわーーー。これってもしかして???
そうだよ、すっかり《炒龍井の手》になろうとしているよぉ~~~。

指を伸ばすと力は入るのに、指を丸めると力が入らない・・・。
なかなかキーが進まない、打ちたい文字にならないよおーーーっ!


実はね・・・。
昨日炒り始めようとした時、釜に手を入れた瞬間「ああーっ。」と叫んだ。
すぐにおじちゃんに言われてしまった。

『愛子っ!これ龍井だぞ。丸めてどうする。平たくしなくちゃ。
碧螺春じゃないぞ。わっはっは!
見りゃすぐわかるよー。大丈夫大丈夫、分かっているよ。
その手は碧螺春を炒っていたんだろ?
炒茶を覚えた手はすぐには切り替わらないものさ。
明日の朝には愛子の釜を出しておくよ。いやー愉快愉快。わ~っははは~!』

自分でも驚いた。手が、、、手が、、、。
《龍井》の釜の中で《炒碧螺春の手》になっていた。(笑笑)

老蓬&新蓬

歌おじさん一族で唯一の明前老蓬。と正清明の新蓬。

女尼:「ねえ、愛子、どっちがどっちか説明して~。えっ?指が動かない?」

何それー、このふたつを炒茶したときの手のままだよー。キー打つ姿がロボットみたい!あはは。

 

碧螺春老蓬便り

翁家山の歌おじちゃんの家で晩ご飯をいただいているときに電話がなった。

東山のお父さんだ!
「愛子!この声がだれだかわかるか?お父さんだよ。あはは!
昨日今日とすごく天気が好くてすごく好い碧螺春になったぞ。
4日のは1斤(500g)はあるぞ!
半分は甥っ子に頼まれているからダメだけど、
もう半分は愛子が欲しいと思って取ってある。飲みたいか?・・・やっぱりな!
ちゃんと取っておくからな。おうおう、紙に包んであの茶窯でな。もうやってある。
この後の天気をみながらまた連絡するよ。
わかったわかった、仕上がりの好い日のは必ず取っておくから。
雨の後とかはいらないだろ?うんうん、じゃあそういうのは売ってしまうぞ。
あ、ちょっと待ってな。お母さんが話したいってさ。」

東山のお母さん♪ 普通語(標準語)がほとんど話せないの。
一緒にいるときは全部が伝わらなくても言いたいことはお互いに分かる。
しかし、電話ではなかなか話しが通じないよ~。あはは!
でもね、お母さんも私の声を聞いて喜んでくれているのがわかる。
その嬉しそうな声を聞くと、私もとても嬉しくなってくる。

愛「手首(腱鞘炎)はどう?まだ痛い?辛い?ゆっくり摘んでね。無理しないでね。」
母『ご飯食べた?ふいみんは?愛子~。いつ帰ってくるの?風邪ひかないように。』

その他は話が通じなくて(笑笑)、また通じないことがおかしくておかしくて
どちらかが何かを言っては「なに?わからない!」
電話を通してふたりでただただ笑っていた♪


清明節の碧螺春。
やっぱりな! こっちがこのお天気なら東山も西山も条件好いはず♪
龍井もそうだが、この日のお茶も4日の明前茶と価格は変わらない。
なんて歌おじちゃんたちとおしゃべりしているところにまた電話がなった。

西山の湖おじちゃんだ!
「愛子!西山は収穫量が多くなって少し価格が下がったよ。
でも昨日今日の出来が非常に好い。取っておく?ははは、そうだろうね。
それまでどう保管しておく?紙に包んで茶袋に入れて茶窯な!今なら問題ないよ。
わかったわかった、取引価格が下がった所でまた好い日が来たら電話するよ。」

あはは!忙しい日だね♪。。。歌おじちゃんも笑っている。

雨がくるぞー!

昼間の最高が29℃まであがった夕方。。。風がきた。
この風は、きっと雨がくる。

『雨が降るな。』おじちゃんが言った。間違いない。
ヤバイ、急げ、雨の前に今日仕上がった《初釜》の老蓬を梱包しなくちゃ!
おじちゃんも『今すぐやる』と動き出した。
唯一の明前茶だもん、今やらなきゃ♪

本来であれば、茶窯の中で保管してもらうはず。
しかし、今年はダメだ。西山でも東山でもそうだった。

例年であれば、今の時期の茶窯の中はそれまでに製茶した新蓬の明前茶で埋まっている。
その仲間に老蓬も入れてもらう!
同じ土地生まれの同じ茶葉同士がたくさん寄り添って一緒に保管されていると、
数日から1ヶ月位した頃(茶葉や条件による)に、個々の味わいは深く落ちつき
水分量などの状態も安定してその後の保存が長くなり、
もっともっとおいしい茶葉になっている。不思議ぃ~♪

しかーし・・・今年は茶葉がないのだっ!
空っぽやすかすかの茶窯に入れたって意味はない。逆にダメになってしまう。


どうしたか? うふふ。ご安心を!
出発時のダンボールを思い出してね。
そのひとつは、ああ見えて《魔法の箱》なのです~♪きらきら~☆ 
別の名を《茶葉梱包道具箱》とも言う。(笑笑)

ここまで仕上がりに立ち会った全ての茶葉、
仕上がりのその場で水分量を調整してすぐに酸素を抜きました。
作り手さんたちもそれが一番好いと言い、協力してくれました。
これで日本に帰って開封するまで酸化による劣化はありません。
あとここで出来ることは温度管理。(まさか持ち歩かないよ!)
各作り手さんの涼しい茶庫に預けてあります。
ここまでのところ、まずはひと安心。

旅中に自分たちが飲む分はしっかり抜き取ってあるよ。。。むふふ♪

獅峰龍井、高騰!

『今年の獅峰龍井は高いぞおーーー!』
『そうだそうだあーーー!』
『今日は一気に値上がりするぞおーーー!』
『一体いくらになるんだあーーー!』
『高騰だ高騰だあーーー!』
『みんな気をつけろおーーーー!がーはっはっは~!』

近所の釜炒り師たちの大声が飛び交っては、
火傷作り続けている私の釜(!)まで届いてくる。
一気に値上がり?高騰?そりゃ大変だー! 

なーんてね。みんなで大声で冗談言っているだけです。原因は私。ひひひ♪


龍井の炒茶職人たちは、碧螺春とは違い基本的に茶摘みをしない。
忙しい時、炒茶する人は早朝から夜中まで一日中ずっと炒り続ける。
今は43号が非常に忙しい時で、どんどん摘まれてはどんどん運ばれてくるので
炒茶する人はご飯と寝るとき以外は釜の前に座りっぱなし。
一日中ほとんど同じ場所で座ったまま。

ご近所の炒茶職人たちみんなが同じ状況。
ご飯の時に、お茶碗とお箸持って食べながら覗きにこられるくらいだ。
今日の歌おじちゃんは、家から一歩も出る余裕無し。

そんな時に村を行き交うのが、炒茶職人たちの大声だ!
あっちの釜からこっちの釜から、いくつもの獅峰龍井の釜の前から届いてくる。
ひとりが冗談を言い始めるとみんなが乗ってくる!
お互いの表情は見えないけれど、力のこもった大きな大きな明るい声だ♪

『日本人の給料は高いからなーーー!』
『おじさーん、愛子にいくら払っているんだーーー!』
『みんなー!愛子が炒茶したから今日は高騰するぞーーー!』

歌おじちゃん、私の左横で大笑いしながら回鍋で汗を流している♪

白おじちゃんの指導(映像)

安吉白茶の龍井茶

白おじちゃんも覗きに来た。ぎゃーまだ見ないでーっ。

「ひひひ。やってるな。どれどれ?
うん、ちょっといいか。こんな感じだ。今はまだ軽くな。
もっとゆっくりでもいい。親指親指! そうそう。うん。」

歌おばちゃんの弟の白おじちゃん、同じく翁家山で龍井を作っている。
白おじちゃんの畑には、老蓬に混ざって《安吉白茶》という緑茶の茶樹がある。
その茶樹はまだ小さいけれど昨年には摘めるまでに成長し、
《安吉白茶の龍井茶》も年に数回作っていく。
(昨年少しいただいた一番摘みは、5月の品茶会に来て下さった方と一緒に品茶したよ♪)

今年、その《安吉白茶》の茶摘みはまだだそうだ。
場所は、歌おじちゃん家の畑Bのとなりの斜面。
畑Bの一番摘みの時がきたら、どのくらい成長したか見てみよ~っと!

 

この《安吉白茶の龍井茶》は完全に礼品用のオーダー茶ね。
基本、オーダー分だけ製茶する。
例え芽が出ていても、オーダーがなければ忙しい時期に摘みに行ったりしない。
場所が遠いのにまだ少ししか摘めない若い茶樹だし、老蓬の一番摘みがこれから始まるし、
商品用としてどんどん売れる需要の多い43号だって
今春はまだまだおいしい芽が出ているから、今はこっちの新蓬の方が優先で忙しい。

それにね、高山の一番摘みの老蓬と比べたってぜんぜん高い高ーいっ!
それを欲しがる人はそんなにいない?
だったら、時間がかかっても高山まで登ってどんなに少なくても老蓬のほうを摘む?
・・・そりゃそうだ。


条件の好い老蓬は、毎年予約する人の希望総量にも足りない。
歌おじちゃんの老蓬を私を含め数名が予約するように、
白おじちゃんの老蓬を毎年待ち続けている固定の予約者だっている。

そんな中で、高山や出始めの頃の貴重な老蓬の予約者がもしひとりだけだったとしたら
(そんなことはまずないけれど)、その人は大喜びで全部欲しがるだろう。
「だれかがキャンセルした」「受け取りに来られない」なんて耳にした瞬間に、
予約からもれていた人の手に渡る。

出始めの頃の老蓬が市場に出ることはない。
市場に出る前に、数名からの予約ですっかり消えてしまうくらいの量だから。

43号などの新蓬より老蓬の畑の比重が多い農家さんでも、
その老蓬の年間の仕上がり量は新蓬とは比較にならないほど少ない。

固定の予約者がいない農家さんがあったとしても、
条件の好い老蓬を摘んだり製茶したりして無駄になることはない。
予約者の多い農家さんがいくらでも引き取る。

だから、予約者のいない《安吉白茶の龍井茶》を作るくらいなら、老蓬を作るの♪

でもでも、今は時間と手間をかけても摘める老蓬はまだ少ないから、
おいしい芽がじゃんじゃん出ていてどんどん作れる摘み頃の43号を
優先して製茶しているのです。

だって一年で一番の稼ぎ時なのよお~♪

愛里初釜(映像)

愛里の今年の龍井初釜だー!

やっぱりなんか緊張してる?43号から始めたの?うふふ。
おじちゃんも気合が入っているみたいで、炒茶しながらすぐ横でしっかり指導!

   

(つづき)

 

 

専用鍋登場!

ど・ど・どーーーん、と3つの鍋が並んでいる。
はぁ。。。きんちょーーーっ。
左に歌おじちゃん、右にその弟子、ふたりの師匠に挟まれて特訓が始まる。

龍井の釜炒りひさしぶり~♪ 
なーんちゃって。これまでそんなにやったことないよー。体験したぐらい!
でも今春は違う。合格鍋は全て商品になる。
だから特訓じゃなくていきなり本番だ!

老蓬は早い畑でやっと一番摘みが始まったばかり。
43号だってまだまだ例年であれば3月下旬の実力だ。
私が失敗すればどんどん高価な明前獅峰龍井茶が無駄になっていく。
それでも釜炒りさせてくれるなんて、歌おじちゃん本当に大した人だ。
その心意気にまけないくらい、私だって気合いだけは(!)バリバリさー♪

でも、いきなり老蓬の一番摘みはやばいでしょう。
だって、この近辺でこの春一番高価な唯一の高山老蓬明前龍井だよーーーっ!!

当然、サイトで紹介する中でいっちばん高価な05春龍井になる。
これまでに紹介したことのないとても素晴らしい条件の龍井茶だ。 
楽しみに待ってくれている人もいることだしぃ。
43号で練習してからにしようっと・・・。へへへ。ちょっと引け腰?(笑笑)

いざーーーっ!

翁家山:老蓬初摘み

あたたかい春の日が来ました♪
最高気温は23℃。龍井がやっと本格的に始まります!


本日早朝、安徽省や江西省などから出稼ぎ団体バスがぞくぞく到着。
龍井の産地に《茶摘み娘》&《炒茶職人》たちがやってきた!
この時期、龍井の各村の人口は一気に増える。
歌おじちゃん家は、今日から7名の応援隊が住み込むことになる。
おまけに、ひとりの香港人&ひとりの日本人が紛れ込んでいる。(笑笑)

小[女尼]子を探せー!


翁家山の歌おじちゃん一族の畑には、
在来品種の《老蓬》も改良品種の《新蓬》(龍井43号)も
早くに芽が出る別の品種の《烏牛早》もある。
場所はそれぞれ違い、条件の好い高山の畑にあるのはほとんどが《老蓬》。

《老蓬》の畑の中で、私のお気に入りの場所は4つ。
畑A(と私が呼んでいる場所)は、日当たりが好く日照時間が一番長い。
獅峰龍井の中でも標高が一番高くなるので、摘めるまではまだ数日はかかりそうだ。

畑Bは、斜面にあるので日照時間がAより短く、Aより少し遅れて発芽になる。
土壌の関係かなぜかここには特徴のある高い香り芽になる茶樹が多い。

日当たりの好い斜面の畑Cと畑Dが、この4箇所の中では一番早く茶摘みができる。
とは言っても、一斉に全部の茶樹から摘めるわけではない。
その中でも早くに発芽する茶樹から摘み頃の芽を少しずつ摘んでいく。

毎年、畑C&畑Dから摘まれた芽によって《老蓬》明前龍井の《初釜》となる。
今年の初摘みである今日も、畑C&畑D♪
畑Cと畑Dを数回摘んだ頃に、畑Aと畑Bの初摘みがやってくる。


午前は伸び盛りの《龍井43号》をどんどん摘んではおじちゃんに運び、
午後になって太陽や気温の状態を確認する歌おばちゃんの指揮のもと
畑C&畑Dを周っては摘み頃の芽を探して摘んでいった。

すごいっ!第一蓬ばっかりだあ~♪もらったー♪

計11人で摘んだ一番摘み~♪
でも、仕上がりは今日じゃないのよ。明日です!

今晩は炒れません。ひと芽ひと芽に含まれる水分量がまだ高すぎるの。
涼しい夜を超え、明日の朝には炒茶のタイミングがやってくるでしょう。
ということで、《初釜》は明日です!

 

おじちゃんが何か言っている。
明日の朝には《愛子の電鍋》が用意される???  うへえ~~~っ。まじ?

[女尼]『え?そんなのがあるの?ほんと?すごい!がんばれー!』
   愛「まだ手が切り替わっていないよぉ~。でもでも。が・がんばるっ♪」

きっと明日は、火傷だらけで笑ったり泣いたり忙しいことでしょう。(笑笑)

茶摘み特訓(大師匠編)

今年の茶摘み娘の中に新入りがいる。

歌おばちゃん、早速新人の茶摘み娘を教育している。
離れててもおばちゃんの声が響く響く。私も聞かないと!
でも、早口だし、、、杭州語だから、あぅ。

おば『なんでこんなに早くこっちに来るの?あっちは全部摘めた?
   ほら、残ってるじゃない。早いからって上手ってわけじゃないのよ。』

  『茶摘みで大事なのは、目。目を使うのよ。目が行ったところにすぐに手が届いて、
   手が届いた頃には目はもう次に、って感覚が大事。』

  『こらー!なんでみんな同じところに集まるのー。
   おしゃべりしたいからって同じところで摘むことないでしょ。
   一人が上の段から摘んでいたら下の段にいる人は同じ茶樹をそこから摘みなさい。
   芽がまだ小さくて摘むところがなければすぐ次の株へ移動。
   さあ散って散ってー!』

  『籠を自分の右側につけといて。
   いちいち摘んだ右手から左手に移していたら籠に入れる時間がかかって
   効率は悪いし茶葉も傷むでしょー。』

  『こらー!こういうの(芽)はまだ小さすぎるから摘んじゃダメー。』

  『もうー、あれだけ繰り返し言ってるのにまだわからないのー。』

  『どこ歩いているのー。あ~あ、こんなに折れちゃったじゃない。
   せっかくいい芽をつけた枝を折らないように気をつけて頂戴。
   でないとみんなパーよ!』

ひぇ~っ!!きびしいぃ~、私だって新人と変わらないからしっかり勉強だあー。
すみません、実は少し枝を折っちゃいました、、、。気をつけます。(女尼)


大師匠早いっ、さっすがプロ、すごーっ!
プロの早業(映像)

第一蓬って?

女尼「ところで第一蓬、第一蓬ってよく聞くけど、具体的にどの子のこと?」

愛  『え?もしかして分かっていなかった? ごめんごめん。 
   あれ・・・? 私どこかで書いていなかったっけ? 
   ほらほらっ!これだよ。
   この一番上にある一番ぶっとくて一番ぶくっとして一番どっしりしている子。
   そこにもここにも、ほらそれもそうだってば~♪

   枝の一番先端部分の芽だよ!
   平均して一番早く発芽してくるの。これから枝になろうとしている芽だからね。
   芽の付け根の部分の茎がぜんぜん他より太いでしょ?
   茎が太いほどその芽に含まれる栄養素や旨味などが一番多くなるんだよ。
   水分もたっぷりでみずみずしいから他の芽より仕上がりまで時間はかかるけれど、
   これがうまいんだよ~♪

   ほらほら~思い出して!
   祥華のおとんの鉄観音の茎なんて爆笑するくらいぶっとくて
   04秋の茶王なんて挑梗しなかったら(茎を取らなかったら)7gの真空袋に入らなかったでしょ?
   それに、茎付きのまま茶王を蓋碗で淹れたら茎が元に戻って伸びて飛び出して
   蓋なんて跳ね飛ばされるし、ふたりで壊れるくらい大笑いしたじゃーん!

   龍井の第一蓬も、枝の延長線上にまっすぐにあるでしょ?
   他の芽は新しい枝や古い枝にある葉の付け根部分から出ているけれど、
   第一蓬は伐採時に残した古い枝から成長した新しい枝の最先端にあるの!
これこれ!一番上のひと芽が第一蓬♪

   新しい枝と古い枝?ほらよく見て!全部の枝の先の方の数センチは緑色でしょ?
   昨春に伐採して残ったのが茶色の古い枝。その後に伸びた部分がこの緑色の新しい枝。

   この芽が枝に成長した時にはその枝からもたくさん芽が出てくるでしょ?
   そういった要素も第一蓬ひとつの芽に含まれているから巻きが多くてぶっくりしているの。
   新しい枝から出ていても他の芽とはぜんぜん違うでしょ?すぐ下のと比べてみて。
   
一番上の第一蓬のみ摘み頃。あとはまだ数日かかる。

  ほらあっちにもそっちにも。いっぱいある、摘んで摘んで! 摘む感覚が違うでしょ~♪』

『これが第一蓬で~す、かかかっ♪』(映像)


本当だ。茎が周りについている子より太いふとーい!
摘むときの音も茎の細めのものより『清脆』(クリアで濁っていない)。

おー!これはすごい貴重だ。頑張って探すぞ~♪

茶摘み特訓(小師匠編)

久しぶりなので、まずは愛里先生にひっついて学習。

愛 『いい?ふいみん、こういう感じの芽を摘むのよ』

女尼「うん。んーん?摘み方がバラバラのような、、、。
   龍井は1芽1葉じゃないの?葉が2つの芽も摘むの?」

  『おばちゃんが摘んだ芽の状態をよく見て。全体の大きさが揃っているでしょ?
   これが一番重要!

   その芽の状態によって1芽1葉か1芽2葉かのどちらかに自然になるから。
   1芽1葉とか1芽2葉とかで摘むなんて覚えたり、それにこだわって摘んじゃダメ。
   2葉目が大きめの芽は1芽1葉になるけれど、
   2葉目が小さめの芽は1芽2葉になるでしょ?

   茶摘みは大きさをそろえて摘むことが重要だからね。
   その日によってそれぞれ摘み頃の標準は違うから、自分の判断で摘んだらダメだよ。
   小さいほうが好いだろうなんて、龍井をそんな小さな芽だけで摘んだら絶対にダメ。

   そんなの摘んだらもったいない、あと数日すれば摘み頃になるから。
   揃っていないと涼干で抜ける水分量も揃わなくなって傷みだす鮮葉が出てくるし、
   釜炒りするときに焦げたりむらができたり、その後の回鍋で手間はかかるし、
   仕上がりに大きく影響する。仕上がりが悪いと売りものにならないから、責任重大だよ!

   だから、おばちゃんが摘んだ状態をしっかり見て覚えて、大きさを揃えて摘むの。』

  「へ~、碧螺春とは違うんだ。」  

  『明前碧螺春ならこの位の状態(小さい芽)でいいんだけれど、 
   明前龍井の場合はまだ摘み頃じゃないの。』

まだ摘み頃でない。あと数日!


  『でも碧螺春も『いつの』によって変わるよ。この間のは一番摘みの摘み方ね。
   次に行く時は、芽は成長していて状態は変わっているから摘み方も変わっているはず。
   
   とにかく、龍井は小さい芽を摘んじゃダメだよ。
   芽もしっかり大きく伸びて成長して、そこに柔らかい葉がついている芽だけにしてね。
   こういう子だったら摘んでもいいよ♪』

一番上の第一蓬のみ摘み頃、あとはまだ。

  「小さい芽は碧螺春だったらちょうどいいよね?
   そういう芽ならいっぱい出ているからいっぱい摘めるかと思ったのに、、、
   龍井の摘み頃の芽って言われると、、、まだぜんぜん少ない~。見つけられないよ~。」

  『やばっ、私も思わず小さいの摘んじゃった。。。龍井に切り替えないと。』

杭州で~す!

明朝、龍井の一番摘みしま~す♪
明日は、翁家山の歌おじちゃんの畑で老蓬の一番摘みです。
一番早く発芽する茶樹がある畑で少量は摘めるとのこと。
明日摘むために昨日も摘まなかったそうだ。
ここでも一昨日から気温は上がり始めた。今日の最高気温は21℃。
明日も風はあるが同じくらいまであがるという予想。いいぞいいぞーっ!
明日は4月4日。5日が清明節。と言うことは? 
翁家山の老蓬の《明前龍井》は一日だけだ。。。ひょお~~~♪
しかし、歌おじちゃんが3月中旬から予想していた通りだ。。。さ・す・がー☆

杭州に着いたら? そりゃー、杭州のお父さん一家に会いに行かなくちゃ♪
おいしいご飯が待っているし!(笑笑)
お父さんが夕ご飯の準備をしていてくれた。
『あはは、愛子ぅ~来た来た。おー、ふいみんも来たね!
ほら、すっぽん!それから筍!あはは。大好きだろ。
お父さん昼間に買ってきておいたんだよ。すっぽんはどう料理する?
蒸そうか。スープ?好いよ好いよ。スープにしよう!

いいからいいからお茶飲んでて。後で味見してな。』
「いえーい初龍井だ♪あれ?お母さんは?」
『家に戻った。(←お父さんの家も龍井の産地、第二保護区)
清明節だからお墓参りの準備があるからね。そうだ電話しよう!』

「今年の《釜炒り大会》どうだった?」
『炒茶比賽? 31日だったよ。どこにいたの?
もう少し早く来ていたら一緒に見に行けたのに残念だなぁ。来年は行こう!
今年は、家の近くの上城隷[←土偏]村だった。
前に家に来た時にその村も通ったはずだよ。覚えてる?
各村から1~2名の代表が出て16名で炒ったんだ。
1位は確か龍門○(←出ない)村の人だったかなぁ?はっきり覚えていないなぁ。
でも、早い場所でもその頃からやっと43号が始まったんだよ。
2月末にこ~んなに(10cmくらい)雪が積もってね、3日間は溶けなかったんだ。
25日だったかな?たぶんそのあたり。いやー、すごかったすごかった。
だから芽がみんな凍ってその後発芽してこない。
<p>え?明日翁家山で老蓬の一番摘み???まさかー。
老蓬はまだ摘めないと思うよ。お父さんには信じられないなぁ・・・。
でも連絡くれたんだよね?じゃあ大丈夫だろう。とにかく行っておいで!
セーター持ってるか?ここにもあるぞ。朝晩は冷えるからあったかくしていくんだよ!』

梅家塢の紅おばちゃんにも電話。
「老蓬?まだまだ摘めないよぉー。今年はおっそいおっそい。
新蓬(龍井43号)がやっと数日前から始まったばっかり。
下の方の老蓬に動きがないから、愛子の好きなあの高山の老蓬はまだ見にも行っていないよ。
《明前老蓬》?この調子じゃ今年はないねぇ。摘み頃まであと数日はかかるよ。
芽が出ていれば摘んでもいいけど100~200gくらいしかできないんじゃないかな。
明日登ってちょっと見てみるね。一番摘みの前日に必ず電話するから手伝いに来て!」
ええーーー?まだ?あと数日?
確かに、紅おじちゃんの高山老蓬は歌おじちゃんの高山老蓬より毎年若干遅れて発芽する。
あと数日かかるってことは、梅家塢老蓬の明前茶は・・・ない? うわぁーーー。
それは仕方ないとして。
もしかして、梅家塢の紅おじちゃん家の老蓬の《初釜》にも立ち会えるってこと? 
間違いないね! うっきょ~~~すごいやっ♪

しかしこんな年もあるのだろうか?
《初釜》の神様と一緒に旅しているのかなぁ?見られてる?。。。うひっ、変なことできないね。(笑笑)(愛)

炒碧螺春の手

本日の炒茶後、めでたく《05皮剥け第1号》が生まれました!
おめでとう~♪(笑笑)


手は嘘をつかない。両の手が全てを語っている。

《炒碧螺春の手》は簡単には作られない。
碧螺春を炒る人は、炒茶を続けた手の平の皮が剥けて赤くなっているときも熱さに耐え、
鍋肌であちらこちらに大小の火傷を作り水ぶくれができてはつぶし、
年間を通した茶樹の管理に表も裏も乾燥してひび割れ、
そこに柴(薪)で細かい切り傷ができとげも刺さり、
洗っても洗っても取れない茶汁が指紋に真っ黒にしみこんでいき。。。
何年も何十年もそれを繰り返し。。。
そして初めて、熱さを恐れない《炒碧螺春の手》が作られていく。

ごつごつと真っ黒な硬い両手の中で大切に大切に揉まれながら、
春天の訪れと共に少しずつ少しずつ碧螺春は生まれていく。
日差しのようにやわらかく花花の蕾のように愛らしく
草木の芽吹きのように生命力に溢れた小さな小さな茶葉たちが生まれていくのだ。

素晴らしい《手》だ。
いつまでも包み込んで触っていたくなる。
その感触を思い出すといつも勇気が湧いてくる。
東山のお父さん&お母さんも、西山の湖おじちゃん&おばちゃんも、そんな《手》だ。
ご近所の農家さんもみんな同じような《手》をしている。

碧螺春だけではない。
各地作り手さんの《炒茶の手》&《摘茶の手》。
ここ数年で撮り続けている大好きな《手》がたくさんある。
いつか順番に紹介していきたい♪


私は毎年数ヶ所しか剥けないから、まだまだ柔らか~い赤ちゃんクラスの《手》。
どこで何をどのくらい経験してきたか、作り手さんたちにはすぐにバレる!(笑笑)

洗濯物絞るぐらいで「ひぃー。」なんて言ってるようじゃあ、ダメダメねぇ~。

龍井老蓬便り

東山のお父さん家で晩ご飯をいただいているときに電話がなった。

翁家山の歌おじちゃんだ!
『愛子~。4日に摘むよー。老蓬の初摘みだ。第一日目だよ!
え?やっと動き出したんだ。明日はまだ摘めないよお。4日の朝にはおいで。』


あいやぁ?! 本当~に今年は一体なんなんだろう?

明日には杭州に移動し、明後日の朝に歌おじちゃん&おばちゃん(とその老蓬龍井)に会いにいく予定。

4日に初摘み、って言った?
それって。。。明後日じゃないの??? 

うえ~~~、なんなんだろう?気持ち悪いくらいのこのグッドタイミング!

今度は龍井の老蓬の《初釜》がくるぞぉ~~~♪ 

またまた初釜品茶♪

左の1日は、05年春の《洞庭東山碧螺春》として初釜の中の初釜だよー!

(※新品種はカテゴリーが違う。大会用も調合されているので別扱い。)

この東山の1日&2日は、西山の28日&29日の芽と、同じ頃の条件。
西山の方が、東山より気候と環境の関係で早く茶摘みに入れる。

東山のお父さん家の初釜。
東山のお父さん家の初釜ということは、この村の初釜。
この村の初釜ということは、東山の初釜。
東山の初釜ということは、洞庭碧螺春としても初釜扱いです! 
この日から2~3日分で、ひとつの初釜等級になります。実は、このふたつも、す・すごい~♪

 左4月1日が、右が2日。合わせても3鍋分しかない!

西山の初釜に続いて、東山でも初釜だよ。。。くらくら~。ひょろひょろ~。
こんな幻級のお茶を連続して飲める年が、本当に来るなんて。。。ここでも感動しまくりー♪

「品茶してみるか?」っておとんが聞く。 
飲むかって? そりゃ飲むよ。飲みまくるよ! あったりまえじゃーーーん♪
いや、「飲みまくっ」ちゃいけない。1日は300g弱、2日はその約半分の仕上がり量しかない!
みんなの分が無くなる。おほほ。とりあえず気持ち控えめ(笑笑)につまんで・・・後は密封。

グラスに少し熱湯を注いで・・・少し冷めた頃に、茶葉を入れる。
その茶葉が、ゆっくりと開いて香りが放たれ始めた頃・・・一気に熱湯を注ぐ。
注ぎ終わるまでに、平均して茶葉全部が周るように注ぐ。
小さな茶芽のひとつひとつがグラスのなかで綺麗に回転する。うまくいったーっ。ごくー。あちちー。。。うんま~♪

かわいい~♪

碧螺春は、他の緑茶の審評方法とはちょっと違う。
龍井や碧螺春などは、緑茶の中でも名優緑茶に分類されるので
他の緑茶とも審評方法を変えるのだが、その名優緑茶の中でもちょっと特別扱い!
碧螺春だけの審評方法があるので、他の緑茶と同じ基準で審評はしない。
まあ、、、細かいことはいいよね!(笑笑)

碧螺春の葉底を見るときは、こうやって湯や水の中で泳がせる。
碧螺春専用の盤があるのだが、ここにはないのでお碗を使って。 この方が見やすいね!

やっぱりおとんの碧螺春もこの姿っ! 茶葉は嘘をつかない!
今の時期の碧螺春の真の姿。ぶらぼーーーっ♪ 拍手喝采再び~!(笑笑)

花売りの小姑娘6(映像)

花売りの小姑娘5(映像)

花売りの小姑娘4(映像)

花売りの小姑娘3(映像)

花売りの小姑娘2(映像)

花売りの小姑娘1(映像)

東山で~す!

東山のお父さん家族に会いたくて来ちゃいました~♪

やっぱりここの家は大好き♪
家族全員愛情深く、いつも笑いが絶えず、家のどこにいてもとても落ち着く。

「行くよ!」と連絡した日から、老四(弟)は張り切って料理の献立を考えていたそうだ。
その子供も大喜びで幼稚園の先生にしゃべりまくっていたそうだ。
『日本にいるおばちゃんが帰ってくるのよ♪』。。。ははは。

お父さんも大歓迎で『最短でも1ヶ月はいないとダメだ!』って。。。そうしたいよ。
でも、一番はお母さんかも!
何日も前から布団を干したり広げたりスリッパ出したり並べたり、
大ハッスルしていたそうだ。。。ありがたいよ~♪ 
老四が譲ってくれた私たちの大きな部屋も健在です!

←愛:電話線工作 女尼:画像整理(『キョンシー発見~♪』愛里が大爆笑。なに???アイヤ、 顔が光ってる!)


ところで。。。一体今年はなんの縁なんだろう?

素晴らしい日に東山に入ってしまいました。
気温も上がり気持ちよく晴れた本日。
東山のお父さん家では《初釜》です! うきゃ~~~またもや《初釜》だあ♪

結局昨日は摘まず、今日が初摘み。
(大会用に少量の毛茶を摘むのを頼まれた日を除いてね。)

本日摘んだ鮮葉は、毛茶の状態で計約1.5㎏。
揀葉後、精茶の状態で計1㎏に。
500gずつに分けて、2鍋に分けて炒茶。
炒茶後の仕上がり量はそれぞれ150g強、2鍋合わせても計300g強。
確認品茶し、茶末や砕茶を取り除いたら?
早朝から夕食前まで5人が一日働いて仕上がった初釜の碧螺春はどのくらいの量?
《計300グラムに満たない~♪》

はぁ~、大変なお茶だわぁ、、、。


ここでは柴鍋です。お父さんは電鍋は使わない。
柴鍋の扱いはプロ中のプロ。柴鍋とお友達感覚のお父さん。 
柴と柴鍋の扱い方も教わりながら。。。やりましたよお~~~。

第一鍋はお父さん炒、助手は私。
第二鍋は愛里炒。 うっしっし♪
お父さん曰く『《愛子鍋》成功だー。』 やったねっ、ぶぃ!

いや。本当はちょっと心配していたのですが・・・飲んでびっくりした。
「くはっ。すご。うま~。」我ながらまじめにそう思った。へへへ。

師匠との相性がいいのか♪
いや、西山の師匠(湖おじさん)にみっちり教わったのが好かったんだよ!
いやいや、原料がいいんだってば~。(笑笑)

ご飯♪

お箸で取っているのはウズラ。

洗鍋(映像3)

洗鍋(映像2)

洗鍋(映像1)

愛子鍋

夕飯の買物♪

市場。旬の食材をゲットするぞ!

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